『社会システム・デザイン 組み立て思考のアプローチ ~「原発システム」の検証から考える ~ 』の詳細情報

社会システム・デザイン 組み立て思考のアプローチ
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タイトル 社会システム・デザイン 組み立て思考のアプローチ
サブタイトル 「原発システム」の検証から考える
著者 [著者区分]横山 禎徳 [著・文・その他]
出版社 東京大学出版会 レーベル
本体価格
(予定)
2600円 シリーズ
ページ数 288p Cコード 1034
発売予定日 2019-02-12 ジャンル 教養/単行本/経営
ISBN 9784130430425 判型 46
内容紹介
ゴールの姿が明確に見通せない難しい課題を解決していくには,絶えず仮説を組み立てて繰り返し検証し,「問題の裏返し」ではない戦略を形作る「社会システム・デザイン」という高度技能が必須である.変化し続けるダイナミックなプロセスの中で課題解決に向かうために必要な方法論と高度なスキルを追求する.
目次
はじめに
原発は推進であれ反対であれ,マネジメントしなければならない
課題設定能力の不在
2050年に自然エネルギーが中心になるという予測
本書の考え方――2050年までという時間軸では原発も一定の役割がある
エネルギーの需給ミックスは変化を続ける
原発について不断に考え続けなくてはならないこと
3・11事故の後,議論が起こらないままに
国の方針や政策を支える思想の重要性
原発システムの枠組みを提示する
原発システムを「社会システム」として捉える

第1章 「社会システム」として原発システム
1――「社会システム」と「エンジニアリング・システム」の違い
1.1 ダイナミック・システムとしての原発システム
1.2 「意思決定」「モニタリング・評価」「人材育成・配置」システムの不在
2――ゼロ・リスクの非現実性
2.1 境界条件を作りかえる
2.2 リスクと危険の違い
3――「社会システム」の定義
3.1 「社会システム」とは「生活者・消費者への価値の創造と提供の仕組み」
3.2 「技術のロジック」と「社会の価値観」
3.3 原発という課題に答えるために
4――「社会システム・デザイン」の方法論
4.1 「デザイン」とは何か
4.2 「社会システム・デザイン」の5つのステップ
コラム1:少子化対策をめぐる悪循環
コラム2:住宅供給に関する良循環

第2章 悪循環を発見する――中核課題の正確な把握
1――原発システム・デザインの実際
1.1 「安全神話」が作り出した呪縛
1.2 原発をめぐる3つの悪循環
第一の悪循環――根拠のない「安全神話」が日本中に蔓延する
第二の悪循環――国民は原発に関して無知なまま専門家任せにする
第三の悪循環――専門家が「専門馬鹿」になっていたことに気が付かなかった
2――悪循環からの脱却
2.1 原発のバックフィット(改善工事)
2.2 原発の直下にある活断層をめぐる議論
2.3 「多重」と「多様」の違いの理解
2.4 原発システムをデザインできるマスターマインド

第3章 良循環を形成する――中核課題への対応
1――「中核課題」を定義する
1.1 「安全神話」との決別
1.2 リスク極小化のための改善の可能性
2――原発システムで考えられる6つの良循環
中核課題からスタートする
国民・地域住民の良循環
中央政府の良循環
地方自治体の良循環
電力会社の良循環
原発関連企業の良循環
大学・研究機関の良循環
3――原発システムに対する「社会の価値観」
3.1 「技術のロジック」と「社会の価値観」
3.2 アメリカのチェック・アンド・バランス体系
3.3 フランスの原子力安全透明化法
3.4 ロシアの非常事態省の存在
3.5 3・11事故後の日本に必要な新たな境界条件の設定――「いかなる場合も人命を守る」

第4章 新しい「社会システム」をいかに捉えるか――電力需要・供給システムの変化への対応
1――自然エネルギーの需給を調整する火力発電
2――ドイツの脱原発の背景
3――現実的な技術の移行経路を考える――リチウムイオン蓄電池の可能性
4――自然エネルギー供給のリスク
5――「居室」の消費の伸び
6――需要側の柔軟性の拡大
7――電力供給の仕組みの見直しへ

第5章 サブシステムを活かす――良循環の原動力
1――良循環を支えるサブシステム群
1.1 良循環を回すための12のサブシステム
1 市民,行政官,政治家,企業人,研究者の参加による公開討議システム
2 原発および放射線に関する市民の質問に丁寧に答えるシステム
3 国外および国内の原発に関するあらゆるデータを蓄積して開示するシステム
4 原発システムにおけるマネジメント人材の育成・配置・評価システム
5 緊急時に知力,気力,体力,胆力,決断力を発揮するリーダー人材の育成・配置システム
6 クリティカルな状況の時間軸に沿った意思決定システム
7 緊急時に世界に向けた情報提供をプロアクティブに行うシステム
8 警察,消防,自衛隊の連携行動を推進するシステム
9 人命保護・使用済み核燃料処理を重視する原発技術開発システム
10 原発科学者,技術者,放射線医学の専門家を募集・育成するシステム
11 法律・規制を守るだけでなく,絶対に人を事故に巻き込まない事業者競争推進システム
12 世界に開かれ,多様な人材を引きつける廃炉の技術開発・運営システム
2――6つの良循環,12のサブシステムの実施へ
コラム3:低線量被曝をどう捉えるか
コラム4:チェルノブイリ原発事故から見た除染問題
コラム5:第4世代の原発のゆくえ

第6章 未知のプロセスとリスクへの対応――廃炉と放射性廃棄物の処理
1――廃炉プロセスという未知の分野
1.1 廃炉の費用
1.2 「廃炉」と「原発ライフサイクル」の専門家集団
2――放射性廃棄物の処理
2.1 余ったプルトニウムの行方
2.2 使用済み核燃料を処理する技術開発
コラム6:アスベスト被害に対する安全対策

第7章 誰もが議論できるシステムへ
1――官僚機構・専門家・マスメディアの役割
1.1 官僚機構と専門家の発想転換へ
1.2 マスメディアのサイエンス・リテラシー
2――トランスサイエンスという領域
2.1 原発システムの境界条件
2.2 科学と技術の関係史

おわりに
抽象論と観念論
科学・技術を支える精神
リスボン大震災との共通点

あとがきに代えて――新しい「常識」


″Social System Design,″
a New Approach to Solving Social Issues:
Nuclear Power System as Case Studies
Yoshinori YOKOYAMA
著者略歴(横山 禎徳)
県立広島大学専門職大学院経営管理研究科(HBMS)研究科長/東大EMP企画推進責任者
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