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タイトル |
表紙裏の書誌学 |
サブタイトル |
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著者 [著者区分] | ■小山 正文 [著・文・その他] ■渡辺 守邦 [著・文・その他]
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出版社 |
笠間書院 |
レーベル |
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本体価格 (予定) |
3500円 |
シリーズ |
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ページ数 |
296p
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Cコード |
0095 |
発売予定日 |
2013-01-15 |
ジャンル |
一般/単行本/日本文学、評論、随筆、その他 |
ISBN |
9784305706843 |
判型 |
A5 |
内容紹介 |
表紙裏は、出版業揺籃期特有の事情を秘めたタイム・カプセルである。
出版業が発展する前夜、
和本の表紙裏には、芯紙のかわりに反古が使われていた。
本書は和本を精査し反古という異物を探る書である。
そこには、何が隠されていて、そこから何を知ることが出来るのだろうか。
近世初期の板本の、表紙と見返しとの間にかくれている墨書きや、版刷りの異物=「表紙裏反古(ひょうしうらほご)」の来歴を探る書。和本のオーバーホールの仕方から、それが何かを探るまでを丁寧に追った、「表紙裏の書誌学」です。
【補強材として表紙の裏側にひそむ反古を仮に表紙裏反古(ひょうしうらほご)と呼ぶことにしよう。表紙裏反古は、それゆえ、出版業が安定する以前特有の存在であり、反古という異物のひそむ表紙裏は出版業の揺籃期特有のもろもろを封じ込めたタイム・カプセルであった。版刷りの反古からは試行錯誤的に出版された稀覯本や小規模の刊行のゆえに後世に伝存しなかった本の片鱗が出現するかもしれない。また墨書の反古は出版事情に関わりある文書であるかもしれない。これを研究の資料とし活用しないまま見過ごすことが許されようか。】……本書はじめにより
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目次 |
はじめに
第一章 表紙裏反古の諸問題
1 ワークショップの目的
2 表紙オーバーホールの実習
1 材料に供した和装本
2 準備した用具
3 表紙と中身を分離する
4 第一冊・前表紙をオーバーホールする
5 乾燥する
6 銀塩フィルムに記録する
7 復元する
8 浮上した諸問題
3 表紙裏反古の諸問題
1 古活字版反古の正体
2 表紙の仕立て方
3 年時の推定
4 表紙とはかかるものかも
■参考図版
第二章 ワークショップ報告「表紙裏から反古が出た」
1 第一回ワークショップ
2 第二回ワークショップ
3 第三回ワークショップ
1 第一回ワークショップの総括
2 表紙裏反古その一・古活字版『全九集』
3 表紙裏反古その二・『清水物語』
■参考図版
第三章 表紙裏反古の保存法について 国立公文書館蔵の嵯峨本『史記』を中心に
1 問題の設定
2 書誌の概要
3 表紙の補修
4 史記との出合い
5 国立公文書館方式の評価
6 表紙の補修とマイクロ写真
第四章 表紙裏反古の諸問題・続考 東京大学附属図書館蔵『鴉鷺物語』の場合
1 書誌の概要
2 反古の正体を読みとる
3 残り一枚の出自を探る
4 近づく出口
5 世にも不思議な一本
6 明らかになったこと
追 録 寛永二十年版『黒谷上人語燈録』の表紙裏より抽出された宗存版●小山正文
■参考図版
あとがき |
著者略歴(小山 正文) |
小山 正文 1941年大阪市生まれ。大谷大学文学部史学科卒業、同大学院博士課程単位取得退学。同朋大学佛教文化研究所研究顧問、安城市文化財保護委員。同朋大学文学部、同大学院、京都女子大学文学部、大谷大学真宗総合研究所嘱託研究員を歴任。
著編書に『親鸞と真宗絵伝』(法藏館)、『真宗重宝聚英』第6・10巻(同朋舎)、『実如判五帖御文の研究』影印編(同朋大学佛教文化研究所・法蔵館)、『延暦寺木活字関係資料調査報告書』(滋賀県教育委員会)、『大系真宗史料―絵巻と絵詞―』(法藏館)、『親鸞聖人真蹟集成』第9・10巻(法藏館)などがある。 |
著者略歴(渡辺 守邦) |
渡辺 守邦 1937年埼玉県生まれ。国文学研究資料館教授、実践女子大学教授を歴任。国文学研究資料館・実践女子大学名誉教授。
著書に『仮名草子の基底』(勉誠社)、『蔵書印提要』(共著、青裳堂書店)、『古活字版伝説—近世初頭の印刷と出版—』(青裳堂書店)、『新編蔵書印譜』(共著、青裳堂書店)、『新日本古典文学大系 伽婢子』(共著、岩波書店)、『新日本古典文学大系 仮名草子集』(共著、岩波書店)、『嬉遊笑覧〈1〉〜〈5〉』(共著、岩波書店)などがある。 |