『女房文学史論 ~王朝から中世へ ~ 』の詳細情報

女房文学史論
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タイトル 女房文学史論
サブタイトル 王朝から中世へ
著者 [著者区分]■田渕 句美子 [著・文・その他]
■田渕 句美子 [著・文・その他]
■田渕 句美子 [著・文・その他]
出版社 岩波書店 レーベル
本体価格
(予定)
13000円 シリーズ
ページ数 646p Cコード 3091
発売予定日 2019-08-24 ジャンル 専門/単行本/日本文学総記
ISBN 9784000613583 判型 A5
内容紹介
女房文学は、平安時代の一時期に限定されるものではなく、古代から中世、近世、それ以降をも含めて、興隆と刷新を繰り返しながら、時代のなかで継続されてきた営みである。王権との密着、高貴性の反映、教育的機能など、その特質を多角的に論じながら、日本文学史のなかに、総体としての女房文学の系譜を位置づける。
目次
 凡 例

 序 章 女房文学史論の射程

第一部 女房たちの領域と制約――制度のなかで
 第一章 女房歌人の「家」意識――父・母・夫
 第二章 歌合における女房――構造化のもたらす排除
 第三章 女房ではない「女房」――高貴性と逸脱性
 第四章 女性と撰集・歌論――「撰」「論」「判」をめぐって
 第五章 女房の声――禁忌の意識
 第六章 題詠の時代の「女歌」言説――女房と皇女

第二部 王朝女房たちの語り――物語と日記の基底
 第一章 『紫式部日記』の消息文――宮廷女房の意識
 第二章 『源氏物語』の評論的語り――教育的テクストとしての物語
 第三章 劇場としての『源氏物語』和歌――俯瞰と語り

第三部 中世歌道家の女房たち――歌壇と家と
 第一章 俊成卿女――先端の歌人として
 第二章 民部卿典侍因子――女房・典侍として

第四部 中世女房たちの仮名日記――書き残すことへの渇望
 第一章 建礼門院右京大夫とその集――実人生と作品と
 第二章 『うたたね』――虚構性と物語化
 第三章 『とはずがたり』の『源氏物語』叙述――女主人公への転移と語り
 第四章 『とはずがたり』と宮廷歌壇――内包された意識と表現

第五部 教え論ずる女房たち――教育がひらく回路
 第一章 『無名草子』の視座――物語と教育を繫ぐ
 第二章 『無名草子』の作者――新たに浮かび上がる作者像
 第三章 『無名草子』の『源氏物語』和歌批評――女房の視点
 第四章 『阿仏の文』――娘への訓戒

第六部 女房たちと説話――女房メディアの生成と展開
 第一章 『無名草子』の宮廷女性評論――説話集として
 第二章 『古事談』と女房――女房メディアを透かし見る
 第三章 『阿仏東下り』――語り変えられる『十六夜日記』と阿仏尼像
 第四章 隠遁した女房たち――老いたのちに

 系 図
 初出一覧
 あとがき
 索 引
著者略歴(田渕 句美子)
田渕句美子(たぶち くみこ)
1957年生まれ.
1991年お茶の水女子大学大学院人間文化研究科博士課程退学.
大阪国際女子大学助教授,国文学研究資料館助教授,同教授を経て,現在,早稲田大学教育・総合科学学術院教授.
著書に,『中世初期歌人の研究』(笠間書院,2001年),『十六夜日記白描淡彩絵入写本・阿仏の文』(勉誠出版,2009年),『阿仏尼』(人物叢書,吉川弘文館,2009年),『新古今集後鳥羽院と定家の時代』(角川選書,2010年),『異端の皇女と女房歌人 ― 式子内親王たちの新古今集』(角川選書,2014年),『源氏物語とポエジー』(共編著,青跣舎,2015年),『民部卿典侍集・土御門院女房全釈』(共著,風間書房,2016年)ほか.
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