『律令国家と隋唐文明』の詳細情報

律令国家と隋唐文明
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タイトル 律令国家と隋唐文明
サブタイトル
著者 [著者区分]■大津 透 [著・文・その他]
■大津 透 [著・文・その他]
■大津 透 [著・文・その他]
■大津 透 [著・文・その他]
出版社 岩波書店 レーベル
本体価格
(予定)
940円 シリーズ 岩波新書
ページ数 230p Cコード 0221
発売予定日 2020-02-22 ジャンル 一般/新書/日本歴史
ISBN 9784004318279 判型 新書(B40)
内容紹介
中国の王朝が隋から唐へと移り、朝鮮半島から戦火が迫る。古代日本の律令国家は、そうした極度の軍事的緊張のなかから生まれた。国土防衛と権力集中への模索から、海を介した人々の知的交流、制度にとどまらない文明の継受によって、独自の国制を築く過程を描き出す。東アジアを舞台とした、「日本」誕生のドキュメント。
目次
 はじめに――鬼ノ城にて

第一章 遣隋使と天皇号
 中国統一と朝鮮、倭
 「未開」の使者
 冠位十二階と憲法十七条
 『日本書紀』にのらなかった「日出づる処の天子」
 対等外交の断念
 天皇号の成立
 「スメラミコト」と「天皇」

第二章 東アジアの緊張のなかでの権力集中
 律令国家建設の出発点
 太宗と倭国――唐の朝命を拒む
 権力の集中へ
 大化の改新
 外交方針の模索
 百済の滅亡
 白村江での敗戦と国土防衛
 高まる緊張――遣唐使の中断
 近江令とは?

第三章 律令制の形成と「日本」
 羅唐戦争――対立の一〇年
 対立の影響
 律令の編纂
 浄御原令の意義
 「日本」のはじまり
 大宝の遣唐使――国際的緊張の清算をめざして
 祢軍墓誌のなかの「日本」

第四章 固有法としての律令法
 大宝律令と養老律令――八世紀の国制をさぐる
 唐の律令、日本の律令――差異と共通点
 接ぎ木された「文明」――古代日本の国家構造
 戸籍と班田制
 調庸制――その歴史的背景
 税の宗教的な意味
 律令国家のフィクション

第五章 官僚制と天皇
 位階――貴族制的秩序
 二官八省制――太政官の強い権限
 四等官制――マヘツキミの職掌分担
 「宣」の世界――音声の呪術的機能
 天皇の服――なぜ規定されないのか
 神話と儀礼――天皇統治の正統性

第六章 帰化人と知識・技術
 律令国家のなかの帰化人
 古代日本の帝国構造と技術
 文化的背景――民族の移動と融合
 南朝系の知識と情報
 文書行政と史部

第七章 吉備真備と「礼」
 真備町の風景
 典籍の将来――養老の遣唐使
 体系的な収集と修学――「礼」と「歴史」
 「礼」による文明化
 天皇の衣服にみる「礼」受容
 玄昉の仏典将来
 ふたたび入唐

第八章 鑑真来日と唐風化の時代
 唐招提寺の木彫像から
 来日の実現まで
 唐風化としての天皇受戒
 具足戒を授ける
 経典、戒律の将来
 仲麻呂政権の評価
 新しい学制
 尊号から漢風諡号へ
 年中行事のはじまり――親蚕・籍田と卯杖儀礼

 おわりに
  桓武天皇の郊祀
  桓武の中国化と春秋学
  弘仁年間の儀式整備
  天皇制の唐風化と『貞観格』
  律令制の展開と「古典的国制」
  唐文化の意義

 参考文献一覧
 あとがき
 図表出典一覧
 索 引
著者略歴(大津 透)
大津 透(おおつ とおる)
1960年生まれ.東京大学大学院人文科学研究科(国史学専攻)博士課程中退
現在―東京大学大学院人文社会系研究科教授
専攻―日本古代史
著書―『律令国家支配構造の研究』『古代の天皇制』『日唐律令制の財政構造』『日本古代史を学ぶ』(以上、岩波書店)、『日本の歴史06 道長と宮廷社会』『天皇の歴史01 神話から歴史へ』(以上、講談社学術文庫)、『日本史リブレット73 律令制とはなにか』(山川出版社)、『律令制研究入門』(編、名著刊行会)、『日唐律令比較研究の新段階』(編、山川出版社)ほか
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