【第35回小説すばる新人賞受賞第一作】
デビュー作『楊花の歌』 Apple Books 2023年ベストデビュー作(歴史フィクション) 第12回歴史時代作家協会賞新人賞部門候補 第3回本屋が選ぶ大人の恋愛小説大賞候補 日々の息苦しさから逃れるため、日本を離れ台湾で暮らす長澤サチコ。 台北・迪化街(ディーホアジェ)のマンションで、引きこもりがちなパク・ジュリとルームシェアをしながら、日本語教師として働いていた。 ある日、古物商店でなぜか目についた古びたトランクから見つかったのは、日本占領期の台湾を生きた女学生・桐島秋子の日記だった。普段は無気力に過ごしていたジュリも、綴られた数十年前の秋子の生活に興味を示し、当時の新聞から彼女の名前を見つけてくる。 その記事には、日月潭の湖畔から秋子とある男性が忽然と姿を消したという事実が書かれていた。 心中なのか、事件なのか。日記とその事件の不可解なリンクに魅せられた二人は、時を超え、国を越え、謎を追うことを決意する――。
【著者略歴】 青波杏 (あおなみ・あん) 1976年、東京都国立市出身。近代の遊廓の女性たちによる労働問題を専門とする女性史研究者。京都大学大学院人間・環境学研究科博士後期課程修了。22年『楊花の歌』で第35回小説すばる新人賞を受賞し、デビュー。
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