「テオ、お前の俺への気持ちは、勘違いだ」<br>幼少期に母国ケルドアの事情で隣国ヴァイクへと追われたロウクラスのテオは、自分は周りから見ると「かわいそうな子」で「だれからも必要とされていない人間」だと自覚して生きてきた。わがままも言わず、真面目に堅実に。<br>そんなテオを「世界一美しい」と讃え、実の弟のように時にはからかい、励まし、やさしく包んでくれたのは、兄・シモンの友人でありハイクラス屈指の貴族でタランチュラ出身のフリッツだった。<br>いつしかテオは、フリッツのことを愛するようになるが、この気持ちは絶対に知られてはいけないと隠すようになる。<br>ところがフリッツは、まるでテオのことを特別に愛しているかのようなそぶりを見せてきて……!?<br>2024年6月刊
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