『「革命」を語る ~ガーナ農村部の民衆運動 ~ 』の詳細情報

「革命」を語る
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タイトル 「革命」を語る
サブタイトル ガーナ農村部の民衆運動
著者 [著者区分]近藤 菜月 [著・文・その他]
出版社 ナカニシヤ出版 レーベル
本体価格
(予定)
3400円 シリーズ
ページ数 288p Cコード 3036
発売予定日 2024-05-27 ジャンル 専門/単行本/社会
ISBN 9784779518058 判型 46
内容紹介
1990年代の民主化へと至るまでの「革命」期と呼ばれる約10年間、都市部から離れた北部農村部では何が起こり、それは人々にとってどのような意味をもっていたのか。

様々に生まれた青年組織や自助組織で、理念的な連帯を志向しつつコミュニティに根を張った活動を行った当事者たちへの丁寧な聞き取りから、人々にとっての「革命」に迫る。


「中央集権的な社会で、意思決定プロセスや資源へのアクセスに恵まれていない環境であっても、人々は足元から物事を始め、その都度の機会を捉えて周囲の世界に働きかける。私が出会ったガーナの人々のしなやかな主体性の一端でも、本書を通して伝えられたなら幸いである。」(「はじめに」より)

 

●著者紹介
近藤菜月(こんどう なつき)
1990年愛知県生まれ。
名古屋大学大学院国際開発研究科博士課程修了。博士(国際開発学)。現在、名古屋大学大学院国際開発研究科助教。

主な論文
「PNDC統治下ガーナの北部農村部における住民主体の地域づくり──誰がどのように率いたのか」(『アフリカ研究』第100巻、99-109頁、2021年)
「途上国の社会運動を行為者の視点から捉える理論・分析枠組み──ライフストーリーによる行為の意味への接近」(『国際開発研究フォーラム』第48巻、1-16頁、2018年)
目次
はじめに─「革命」という事例との出会い
地  図
略語一覧


序章 本書のテーマ
第一節 「革命」期を対象とすることの意味
第二節 出来事としての「革命」と経験された「革命」
第三節 本書の問い
第四節 本書の構成


第一部 事例と研究の枠組み

第一章 「革命」と北部農村部
 第一節 ガーナ政治史における「革命」
 第二節 「辺境」としての「北部」

第二章 理論的枠組み─運動、行為、アイデンティティ
 第一節 開発の「客体」から運動の「主体」へ
 第二節 行為論に基づく社会運動研究
 第三節 途上国でアイデンティティを問う意味

第三章 研究方法
 第一節 パラダイムと手法
 第二節 調査の概要
 第三節 研究倫理上の配慮について
 第四節 データの処理と分析
 第五節 調査地概要─アッパーイースト州 ボルガタンガ・ボンゴ地区


第二部 集合的物語としての「革命」─住民主導の地域づくり

第四章 「革命」の勃発と広がり
 第一節 「革命」前夜─無法地帯化した農村コミュニティ
 第二節 ガーナ社会の権威主義的性格
 第三節 二度のクーデター
 第四節 コミュニティにおけるケイダーの役割
 第五節 住民主体の地域づくり
 第六節 「革命」と女性運動
 まとめ

第五章 コミュニティの変容と「革命」
 第一節 水面下の変化─伝統的な現実認識のゆらぎ
 第二節 「青年グループ」の出現
 第三節 青年グループと伝統的権威層
 第四節 コミュニティシステムの多元化
 第五節 革命組織と伝統的権威層─協働と摩擦
 まとめ

第六章 「革命」の経験と人々の意識
 第一節 「革命」下の抑圧と沈黙
 第二節 「革命」の精神のマスキュリニティ
 第三節 社会の構築性への認識とその主体としての自覚
 第四節 「民主主義の実現」という結末?
 第五節 「革命」の終焉とケイダー─社会的承認の喪失と再適応の痛み
 まとめ


第三部 ライフストーリー─行為の主観的意味

第七章 草の根の活動家として─A氏の場合
 第一節 幼少期の抑圧的経験
 第二節 学校と「アソシエーション」
 第三節 青年グループの発足とコミュニティ開発
 第四節 「革命」下の活動
 第五節 「革命」後の活動─草の根の活動家として
 第六節 父親から受け継いだ寛容さ
 第七節 開かれた共同体主義へ
 まとめ

第八章 「私は私自身でいなければ!」─B氏の場合
 第一節 思考の脱呪術化
 第二節 政治的勢力との接触
 第三節 「革命」下の活躍
 第四節 「革命」からの離脱
 第五節 システムへの再適応のための模索
 第六節 回り道の経験の意味
 第七節 行為の意味への自覚的態度
 まとめ


終章 「革命」の経験とその意味、および主体性について
 第一節 内発的変容を導く境界的存在
 第二節 政治的動員を、解釈し利用する主体性
 第三節 運動の中の個人的主体
 第四節 個人性と創発的連帯


おわりに
引用・参考文献
人名索引
事項索引
著者略歴(近藤 菜月)
1990年愛知県生まれ。
名古屋大学大学院国際開発研究科博士課程修了。博士(国際開発学)。現在、名古屋大学大学院国際開発研究科助教。

主な論文
「PNDC統治下ガーナの北部農村部における住民主体の地域づくり──誰がどのように率いたのか」(『アフリカ研究』第100巻、99-109頁、2021年)
「途上国の社会運動を行為者の視点から捉える理論・分析枠組み──ライフストーリーによる行為の意味への接近」(『国際開発研究フォーラム』第48巻、1-16頁、2018年)
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