『「ありがとう」という品性 世界一奥ゆかしい日本人の考察』の詳細情報

「ありがとう」という品性 世界一奥ゆかしい日本人の考察
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タイトル 「ありがとう」という品性 世界一奥ゆかしい日本人の考察
サブタイトル
著者 [著者区分]尾崎 克之 [著・文・その他]
出版社 啓文社書房 レーベル
本体価格
(予定)
1800円 シリーズ
ページ数 256p Cコード 0030
発売予定日 2024-06-22 ジャンル 一般/単行本/社会科学総記
ISBN 9784899920908 判型 46
内容紹介
 日本人がいちばん好きな言葉が「ありがとう」であるとするアンケート結果があります。「ありがとう」という言葉には、おそらく、日本列島の上で暮らす人々、日本文化の中で暮らす人々、つまり日本人が共通して持っている根源的なメンタリティないし世界観の有り様が映し出されているはずです。
 なぜ日本人は「ありがとう」が好きなのか、「ありがとう」にまつわる歴史を整理して、日本の独自性、つまり、日本と海外他文化圏との根源的なメンタリティないし世界観における違いを浮き彫りにしていこうというのが本書の目的です。

「ありがとう」の主人公は明らかに「世の中」です。「自分はこういう世の中に生きている」「世の中とはこういうものである」という考えが先に無ければ、貴重である、珍しい、といった判断はできません。
 そして、始終、そんなにたびたび「ありえない、ありえない」と言っているとするなら、相当にひどい「世の中」が想定されているはずだ、という仮定も成り立ちます。
ここには、「ありがとう」の背後にある、おそらくは日本人独特のものであろう世の中観、世界観はいったいどういうものなのか、という重要なテーマがあります。さらに言えば「ありがとう」は本当に感謝を伝える言葉なのか、それを検証していくのも本書のテーマのひとつです。

「ありがとう」を生んだ日本古来の世界観には、世の中に対する「あきらめ」があります。そしてそれは、限りなく「信頼」に近い「あきらめ」です。そういう世界観においては、『「私」があったところでしかたがない』と言うよりも、『はじめから「私」などはない、「私」という存在などは意識しない』という過激な軽みがあります。

 日本は明治維新以降、そこに折り合いをつけるべく、海外の世界観を調べ続けてきています。そこにおいては先人各位の、称賛すべき偉大な成功があり、尊敬すべき偉大な失敗がありますが、維新の年を仮に明治元年1868年とすると、2068年を迎えても明治維新からまだたったの200年です。
「ありがとう」の世界観は、おそらく、他の世界観を、計算して活用することのできる世界観なのです。
目次
目次

はじめに 「ありがとう」とは?
●外国語の感謝の言葉と「ありがとう」の違い
●「ありがとう」の映画だった小津安二郎の『東京物語』 他

第1章 「ありがとう」はいつどこで生まれた?
●「国語」という思想
●戦国期のポルトガル語辞書に載った「ありがとう」 他

第2章 「ありがたい」のか「かたじけない」のか?
●『源氏物語』の「ありがたし」
●仏教の浸透と「ありがとう」のシンクロ 他

第3章平安貴族はなぜ謝らない? 
●悪評だらけの『源氏物語』
●「もののあはれ」は何でも入る魔法の箱 他

第4章 神様なのになぜ占う? 
●近現代が発掘した『古事記』
●「ありがとう」と日本神話 他

おわりに 「ありがとう」の世界観のこれから
●「いただきます」の現代史
●他の世界観を計算・活用する世界観 他
著者略歴(尾崎 克之)
文化史研究、文筆家。株式会社インターソース代表。
日本の歴史を公正に再見するための歴史研究会「歴史観測」主宰。
昭和34年(1959年)、埼玉県東松山市生まれ。慶應義塾大学文学部フランス文学科卒業。文化史研究、文筆。ウェブサイト設計・構築、ショートムービー作家。株式会社インターソース代表。広告制作会社でコピーライターとして勤務後、フリーランスのライターとして就業。
文藝思潮(アジア文化社)主宰第八回銀華文学賞にて歴史小説賞奨励賞(短編作品『小倉百人一首実朝歌余談』)を受賞したのを機に本格的に文化史研究活動を開始、「歴史観測」をインターソース歴史関連コンテンツ制作部署として発足。研究対象は主に、飛鳥・奈良・平安期、鎌倉期、戦国・徳川・幕末期、源氏物語。
執筆、編集参加に『大河ドラマ検定 公式問題集』『朝ドラの55年―全93作品完全保存版』(NHK出版)、『歴代天皇と元号秘史』『徳川家のすべて』『天皇125代』『ギリシア神話のすべて』『古代史再検証 『万葉集』とは何か』『戦国史を動かした武将の書簡』『日本史再検証 キリシタンとは何か』(別冊…
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