『先輩の背中 私の背中 ―後輩への伝言―』の詳細情報
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タイトル |
先輩の背中 私の背中 ―後輩への伝言― |
サブタイトル |
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著者 [著者区分] | 栢原 英郎 [著・文・その他]
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出版社 |
ウェイツ |
レーベル |
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本体価格 (予定) |
1364円 |
シリーズ |
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ページ数 |
222p
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Cコード |
0036 |
発売予定日 |
2024-04-17 |
ジャンル |
一般/単行本/社会 |
ISBN |
9784904979372 |
判型 |
A5 |
内容紹介 |
「国家国民に役立ちたいなどといった高邁な志があったからではない」としながらも、北海道大学を卒業後、国家公務員となった著者。当時、時代は高度経済成長時代の真っただ中で、「ジャパン アズ ナンバーワン」「GDP世界第二位」などと言われ、元気な日本そのものだった。そうした社会状況の中で著者は、波のようにもまれていく。なかでも、開発の神様と呼ばれた下河辺淳氏のもとで全国総合開発計画、いわゆる全総に取り組んだことは著者にとっても最大の体験となり、さらに三全総、四全総にかかわっていった。 その後もさまざまな曲折を経て国土交通省港湾局長に就任するが、なかでも1995年の阪神淡路大震災では神戸の復興のために神戸港の再生に力を入れ、驚くべきスピードで復旧させるとともに、災害時における港湾インフラの重要性を内外に知らしめるに至った。 そのほかにも、著者の港湾関係における業績は多々あるが、本書ではそうした体験を踏まえて、「先輩の背中」を振り返るとともに、「私の背中」として後に続く後輩に対しても体験を伝えていく。このように2段階の構成によって、過去と未来をかたちづくる流れとなっている。登場する人物は、下河辺淳氏、岡本行夫氏、亀井静香氏、平松守彦氏、橋本大二郎氏など、個性豊かで、かつ実力を備えた方たちである。後半の「私の背中」では、著者が伝えたい組織の中での行動原則や、仕事に処する心構えやリーダー論など、今後の日本人が忘れてはいけない指針が示されている。 果たして、本書は「国家国民に役立つ」のだろうか。「そうした高邁な志は持たず」、と言う著者の笑顔は歳を経た今でもさわやかである。
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目次 |
序 はじめに 第1篇 先輩の背中 第1章 忘れ得ぬ言葉─座右の言葉の数々 (1)良い友達が欲しければ、まず自分自身が良い人になりなさい (2)世が世であれば「はんにんかん」。そのことを頭において仕事をするように (3)君は本になっていることを、国が金をかけて調べると思っているのか (4)大学を出ていながら、こんな計算もできないのか (5)何だこれは!土方の日記ではないか!! (6)現場を意識しない机の上の仕事が、どんな苦労を現場に強いるのかよく見てください (7)自分が最後の責任者であれば当然ですよ (8)甲羅の色がはっきりしない人間が生き残れるほど霞が関は甘くないのだよ (9)今日からは人様のお世話をすることが仕事と考えなさい 私の人生を変えた言葉 その1「お宅の息子さんは天才だ!神童だ!」 第2章 忘れ得ぬ人々 第1節 下河辺淳氏─常に最善の成果を求める (1)新聞紙上での出会い (2)吉田茂神話と開発の神様 (3)経済企画庁での日々 (4)「東京湾六省庁会議」の思い出─「はしごを外されて、懸垂力で持たないの?」 (5)再び同じ組織へ出向 (6)「三全総」「四全総」での仕事 (7)仕事を離れて (8)下河辺さんと司馬遼太郎さん 私の人生を変えた言葉 その2「この集団は君でないとまとめきれないと考えたのだよ」 第2節 岡本行夫氏─「生涯の友となりましょう」 (1)OKIプロジェクト (2)金武町の照明プロジェクト─石井幹子さんの協力をいただく (3)希望の烽火プロジェクト─東北の震災に何かできることはないか (4)BSフジ「プライムニュース」への出演 (5)岡本行夫さんとの別れ 第3節 亀井静香氏─「神戸は俺と栢原という港湾局長とできちっと直したのだ!!」 (1)亀井静香大臣との出会い (2)大臣との「命懸けの」議論 (3)阪神淡路大震災─「3年は生ぬるい!2年で直せ!!」 (4)技術総括審議官の誕生 (5)海底に沈むナホトカ号をどう処理するか (6)技官の意外な弱点 第4節 豊田実運輸事務次官─公平さと優しさと (1)「族技官・族事務官」のこと (2)技術総括審議官の誕生を喜んでくださって 第5節 平松守彦大分県知事 (1)港湾を応援する知事協議会を立ち上げましょう。私がすべてを準備します (2)港湾振興団体連合会の会長として 第6節 橋本大二郎高知県知事 (1)難局に直面している港湾のために、私にできることはありますか (2)各省間の人事交流促進のための方策での応援
第2篇 私の背中─私の行動原則と記憶に残る仕事 第1章 仕事との出会い─発見のための5つのポイント (1)「健全な好奇心」を持ち続けること (2)「なぜ?」という疑問を大切にすること (3)気づいた事柄が本当かどうか検証しておくこと (4)気づいたことを「記憶の引き出し」にしまっておくこと (5)気づきを生かすために、自分はリーダーなのだと自覚しておくこと 第2章 仕事を展開して行くときののポイント─いかにして楽をして良い仕事をするか 第1節 仕事の姿勢 (1)常に「もっと楽な方法はないか」を考えよう (2)仕事はできるだけ多くの仲間と進めよう (3)新しいことを発想するためには過去を振り返ろう 第2節 職場環境への対応 (4)いまいる場が自分の働き場と心得よう (5)ひどい上司についたら、自分が光るチャンスと考えよう (6)「出向」は、自分の能力を発見し、自分を拡大するチャンスと考えよう 第3節 作業の成果を生かすために (7)自分の判断を加えずに、まず「ホウレンソウ」を実行しよう (8)成果が相手に正確に伝わって初めて仕事は終わる 第4節 仕事の最終目的は何か (9)実現してこそ意味のある世界に生きていると肝に銘じよう (10)楽しくなければ仕事ではない 住田正二氏との議論 ─ 価値観が異なれば、いかに丁寧に説明しても理解が得られることはない 第3章 記憶に残る仕事 (1)船舶占有面積のレーダー観測を思いつく (2)将来展望に基づいた港湾事業調査費の要求 (3)岸壁の液状化の可能性の点検と対策工事の実施 (4)直轄岸壁のエプロンの再舗装 (5)大規模地震に備えた岸壁の整備 (6)全国の市区町村長の三全総への要望の調査 (7)一晩で書いた「課題地域・四国西南」の計画文 (8)「ふるさと」は政策的につくり得るか(四全総) (9)「四全総」の開発方式を発想 ─「交流の促進による地域の活性化」という開発方式を思いつく (10)利用機会の均等化を目指した高速道路体系の計画(四全総) (11)「日韓港湾局長会議(北東アジア港湾局長会議)」
第3篇 組織の背中 ─「Cグループ」の衝撃 第1章 財政制度審議会の公共事業に関する小委員会の答申 第2章 Cグループからの脱却の努力 第1節 平成6年度予算に向けての活動 第2節 Cグループの真相 第3節 Cグループを経験して ─ 今後のあるべき姿 第4節 竹村健一氏との出会い
第4篇 私の体験的リーダー論 第1章 優秀な人を待ち受ける落とし穴 (1)「優秀」と言われる人が、なぜ「前例主義」に陥るのか (2)「優秀」と言われる人が、なぜ「指示待ち人間」になるのか (3)「完勝」は常に最善の成果か (4)「縄張り争い」というだけでこれを避けてはならない 第2章 リーダーの仕事 (1)「仕事」は組織でするが「評価」はトップ個人でされる (2)リーダーは責任をとるために存在する。危険な役割、いやな役割を部下にやらせてはならない (3)職員(とその家族)はリーダーの背中を見ている
番外編 リーダーが見過ごしている組織の「何か変だ」
謝辞 著者略歴 |
著者略歴(栢原 英郎) |
1940(昭和15)年2月に東京に生まれる。1945(昭和20)年の終戦直前に父の勤務地であった中国青島市から引き揚げ、その後神戸市、熊本市、東京都で小学校時代を過ごす。1957(昭和32)年北海道大学工学部土木工学科入学。卒業後運輸省に奉職。第二港湾建設局(横浜市)から公務員としての歩みを始め、その後は海運局外航課、第五港湾建設局、経済企画庁総合開発局、運輸省港湾局計画課と異動。 1975(昭和50)年に国土庁計画・調整局計画課課長補佐として、「三全総」の策定作業、さらに「四全総」の策定作業に従事。 1994(平成6)年6月に港湾局長。1996年(平成8)年新設された技術総括審議官に就任して1998(平成10)年4月に退官。 退官後、日本港湾協会理事長、会長を務める。その間、2005(平成17)年から3年間 北海道大学公共政策大学院特任教授(社会資本整備論他)を務める。2008(平成20)年度に土木学会第96代会長。 著書:『築土経国 「土木学」の提言』海山堂(2001年)『日本人の国土観』ウェイツ(2008年) |