『ソヴィエト・デモクラシー ~非自由主義的民主主義下の「自由」な日常 ~ 』の詳細情報

ソヴィエト・デモクラシー
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タイトル ソヴィエト・デモクラシー
サブタイトル 非自由主義的民主主義下の「自由」な日常
著者 [著者区分]松戸 清裕 [著・文・その他]
出版社 岩波書店 レーベル
本体価格
(予定)
2900円 シリーズ
ページ数 282p Cコード 0022
発売予定日 2024-07-19 ジャンル 一般/単行本/外国歴史
ISBN 9784000237482 判型 46
内容紹介
非民主主義的な全体主義国家だったと言われるソ連は、デモクラシー(人民の権力)を重視し、人びとから寄せられる膨大な数の陳情・意見に真剣に向き合っていた。体制に容認された自由と政権の目を盗んで得た「自由」をも謳歌していた人びとの日常を一次史料から丹念に再構成し、ソ連型民主主義の実態に迫る意欲作。
目次
 序

第一章 ソヴィエト民主主義とは何か
 第一節 「リベラル」でないデモクラシー
  1 自由主義的民主主義と社会主義的民主主義
  2 ルソーの思想と社会主義的民主主義
  3 「人民の権力」としてのソヴィエト民主主義
  4 経済的社会的な民主主義
 第二節 本書の対象時期
 第三節 理念を実現する努力
  1 「女性解放」の努力
  2 代議員の努力
  3 職責を果たさない代議員
  4 代議員の苦労と不満
 第四節 ソヴィエト民主主義における選挙
  1 競争なき選挙
  2 投票する意味
  3 投票用紙への書き込み
  4 人々の批判と改革
  5 代議員のリコール
  6 「参加民主主義」としての選挙

第二章 公認された自由は実現されたか
 第一節 憲法が保障した自由
 第二節 公的回路を通じた「対話」
  1 「個別救済の制度化」
  2 手紙による訴え
  3 苦情を訴える「戦略」
  4 面会による訴え
 第三節 全人民討議による「対話」
  1 「市民の権利と自由の重要な保障」
  2 七か年計画をめぐる全人民討議(一九五八――一九五九年)
  3 党綱領をめぐる全人民討議(一九六一年)
  4 ソ連憲法案をめぐる全人民討議(一九七七年)
  5 稀有なほどに中途半端な法律?
 第四節 勤労集団による参加

第三章 日常生活における自由と「自由」
 第一節 「過度の寛容さ」という「リベラリズム」
 第二節 「寄生的生活様式」
  1 「反寄生者法」
  2 私的な請負
 第三節 自由と「自由」の結合――サークル、ロック、ジーンズ
 第四節 職場における「自由」
  1 人々にとっての職場
  2 人々の労働態度
  3 職場での連帯と「自由」
 第五節 愚行をする「自由」
  1 「過度の飲酒」の「自由」
  2 何でも飲む「自由」――オーデコロン、変性アルコール、密造酒
 第六節 神の名における「自由」

第四章 「偽りの平穏」
 第一節 社会秩序維持の努力と限界
  1 「共産主義社会に犯罪者の居場所は無い」
 第二節 自由時間の増加と違法行為
  1 若者の違法行為
  2 職業技術学校
 第三節 「見せかけの平穏」と「自由」

終 章 ソ連における民主主義と自由
 第一節 「ぬるま湯性」と「自由」
 第二節 体制に対する人々の意識と態度
  1 体制に対する人々の態度
  2 世論調査に見る人々の意識
 第三節 ソヴィエト民主主義の「遺産」

  参考文献
  事項索引/人名索引
著者略歴(松戸 清裕)
松戸清裕(まつど・きよひろ)
1967年生.東京大学大学院人文社会系研究科博士課程単位取得退学.北海学園大学法学部教授.ソ連史.著書に『歴史のなかのソ連』(世界史リブレット・山川出版社,2005年),『ソ連史』(ちくま新書,2011年),『ソ連という実験――国家が管理する民主主義は可能か』(筑摩選書,2017年),編著書に『ロシア革命とソ連の世紀』(全5巻,編集委員,岩波書店,2017年)がある.
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