『姉と弟 捏造の闇「袴田事件」の58年』の詳細情報

姉と弟 捏造の闇「袴田事件」の58年
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タイトル 姉と弟 捏造の闇「袴田事件」の58年
サブタイトル
著者 [著者区分]藤原 聡 [著・文・その他]
出版社 岩波書店 レーベル
本体価格
(予定)
2000円 シリーズ
ページ数 222p Cコード 0036
発売予定日 2024-11-08 ジャンル 一般/単行本/社会
ISBN 9784000616683 判型 46
内容紹介
「死刑囚」のくびきを外し、袴田巖が真の自由の身になる時がきた。「捏造」が疑われる警察の動き、死刑判決を下し、支持した歴代裁判所の判断、弁護活動の瑕疵……。寡黙な元ボクサーを精神の破綻に追い込んだ責任はどこにあるのか。献身的に支え続けた姉ひで子と弟の人生を重ね合わせながら、世紀の冤罪事件の全貌に迫る。
目次
 はじめに

第一章 事 件
 「凶器は売っていない」
 浜名湖畔での日々
 プロボクサーを故障で引退
 一家四人殺害の現場
 事件の渦中へ

第二章 拷 問
 「袴田しかない」
 過熱する報道
 理不尽な逮捕
 奇妙な遺失物
 過酷な取り調べ、手薄な弁護
 意識もうろうで「自白」
 不審な郵便物に焼けた紙幣
 「拷問王」と四件の冤罪事件

第三章 捏 造
 みそタンクから「五点の衣類」
 主張を変更する検察
 緑のブリーフは兄のもとに
 元巡査I氏の証言

第四章 死 刑
 「無罪の心証」で極刑に
 二対一で死刑、三九年後に明かされた合議内容
 母親の死と姉の覚悟
 控訴趣意書で捏造指摘
 東京高裁、はけないズボンで死刑支持
 最後の望みを託す
 上席調査官の予断と偏見

第五章 喪 心
 独居房の弟思い、酒浸りに
 引き離された幼い息子
 裏木戸からの脱出は不可能
 むしばまれる心
 第一次再審請求の終結までに二七年
 森山法相「常軌逸し始めた」

第六章 釈 放
 ボクシング界が支援活動
 熊本元裁判官の告白と苦悩
 みそ漬け実験結果を新証拠に
 取り調べ録音テープを開示
 元同僚「一緒に消火活動していた」
 死刑停止、四八年ぶりの釈放
 戻った自由な時間、検察は抗告

第七章 帰 郷
 名誉チャンピオンベルトを手に
 六〇歳からマンション一棟建設
 五点の衣類のネガ「発見」
 散歩に付き添う「見守り隊」
 強引に開始決定を取り消した東京高裁
 熊本元裁判官との対面
 血痕の色めぐり激しい応酬
 再審開始決定に喜びの声

第八章 無 罪
 検察、特別抗告を断念
 釈放を決めた村山元裁判長と対面
 再審初公判、「裁かれるべきは司法制度だ」
 弁護団長の西嶋勝彦さん死去
 袴田さん八八歳、ひで子さん九一歳
 再審法改正を求める超党派議連設立
 検察側証人も「血痕に赤み残らない」
 「弟を人間らしく過ごさせて」
 本人不在の法廷で無罪判決

 おわりに
 関連年表
 参考文献
著者略歴(藤原 聡)
藤原 聡(ふじわら・さとし)
ジャーナリスト.1959年生まれ.早稲田大学政治経済学部卒業後,共同通信社に入社.社会部デスク,長崎支局長などを経て編集委員.著書・共著に,死刑冤罪事件の全貌を描いた『死刑捏造──松山事件・尊厳かけた戦いの末に』(筑摩書房)のほか,『戦後史の決定的瞬間』(ちくま新書),『ドキュメント大気汚染』(筑摩書房),『アジア戦時留学生』(共同通信社)など.本書のもとになった共同通信の連載記事「姉と弟 袴田巌さん無罪への闘い」(全30回)は2023年1月〜3月,全国の新聞社に配信された.
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