『努力論』の詳細情報

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タイトル 努力論
サブタイトル
著者 [著者区分]■幸田 露伴 [著・文・その他]
■幸田 露伴 [著・文・その他]
出版社 岩波書店 レーベル
本体価格
(予定)
740円 シリーズ 岩波文庫 緑12-3
ページ数 282p Cコード 0195
発売予定日 2001-07-16 ジャンル 一般/文庫/日本文学、評論、随筆、その他
ISBN 9784003101230 判型 文庫(A6)
内容紹介
人生の達人,幸田露伴の説く人生論
目次
初刊自序

運命と人力と
  運命の支配──天子は命を造る、命を言うべからず──英雄と運命と──運命前定説──非運命前定説の思想──本然感情──朧気の意識──運命に対する二様の解釈──一半の真と全部の真と──互反互真──好運否運は人間の私の評価なり──観察より教訓を得べし──自ら責めて自ら補い、自ら責めて同情を得べし──偉大なる人物は必らず自ら責む──人力と運命との関係の目安

着手の処
  着手の処の不明──籠耳──着手の処は学ぶところの如何によって異なり──真に着手の処を見出さんとするは、即これ真の着手の処なり

自己の革新
  歳首の祝福と歳末の感慨と蓬的自己──自己の没却──自己の存続──難行道──易行道──自力修行の好処──他力中の自力、自力中の他力──人の実際──新を欲すれば旧を除くべし──昨日の我を殺すべし──当に弊を除くべし、短を獲るべからず──抜本塞源の計──結果の害を除かんより、害の原因を除くべし──同因同果、異因異果──活力消耗の場合はむしろ少し──昨日の我を愛するもまた人情なり──身弱意強と身弱意弱と

惜福の説
  福無福幸不幸の真相──幸不幸は偶然の運り合せ──幸不幸は偶然のみに生ぜず──福を得んとするは最善の希望にあらず──得福を希うは人の常情──幸不幸は論ずるに足らず──多く禍福を談ればその弊や卑──福不福における希微の消息──惜福──惜福の情状──花果の喩──好運は七度人を訪う──幸福の存留──世の実際が下す判断──自ら矯め自ら治むべし──世上の事実──史上の事実──無福者の光景──有福者の気象──幸福を竭尽す──福を求めんよりは福を惜め──福を惜まざる結果──産業上の惜福工夫──軍事上の惜福と不惜福──惜福者の福運の来訪を受くる所以──不惜福者の福運の来訪を少くする所以

分福の説
  分福──分福とは何ぞ──惜福と分福とは相表裏を為す──福を分つ者福を得──福を専にする者は福なきに近し──専福者、惜福者、分福者の光景──福を分たざる者は餓狗の如し──人類も一動物──人類と動物との差──高貴の情懐の発現──分福の事は小にして果は大──名将と愚将と──人の上となる者は必らず福を分つの工夫あるべし──和気祥光──人の下となる者は必らず福を惜むの工夫あるべし──分福を能くする主人──分福を能くせざる主人──如何なるかこれ最多力最多智──地平線上の人と分福の工夫と──人世の事は時計の揺子の如し──能く福を惜める東照公──能く福を分てる豊太閤──天下第一の好主人──氏郷の東照公評──惜福と分福との工夫足らざる弊──清盛と頼朝と

植福の説
  有福迂なりとする勿れ──植えられたる福──種子は小、結果は大──微細の事も決して価値なきならず──幾微の枢機──文明の源泉

努力の堆積
  努力と奮闘と──努力と好事と──努力と好事と相伴なう──人生艱苦なき能わず──俊才凡才各皆努力──聖賢英雄いよいよ多く努力す──天才何処より来る──天才に対する世俗の解釈──努力は器質の変化を致す──天才は努力の堆積の煥発なり

修学の四標的
  的なかるべからず──現今の教育──標的ただ四──正、大、精、深──大道理は恒常なり──新奇は事に益なし──いよいよ古いよいよ新、いよいよ易いよいよ奇──正──小径邪路──勝つを好むの弊──正を持せざるものは殆し──大──一種の人──従学者は自ら小にするなかれ──学問は人をして大ならしむる所以──時代の勢──精──精を以て評すべき物──精粗の差──粗枝大葉の学──句読訓詁の学──事を做す粗笨に流るるの習癖──読書領大略──読書不求甚解──孔明と陶淵明と──不精の不利──文明史上の光輝の源は精の一字──深──人に万能力なし──天分厚薄──部面の大小と到達の深浅──普通学を了らんとする時、深の一標に看到るべし

凡庸の資質と卓絶せる事功
  心中の事、掌上の物遜の美徳──志望は高くせざるべからず──日常些細の事──最高志望──最狭範囲──蚯蚓の研究──最大範囲の最高志望

接物宜従厚
  多種の性情、多様の境遇──性情拗戻辛辣の人──「やわらかみ」と「あたたかみ」──助長作用──剋殺作用──花笑鳥歌──鼎倒弓裂──悪習慣──悪性質──有り難き人と有り得る人と──善きものを毀傷するより外に能力なき人──世態人情の実相──人の善を為すを沮める実例──花苗蹂躪──己を是とし他を非とすれば天下の不是も多し

四季と一身と
  天地古今は人の心中にあり餌──香気と心理と──春と香気と──春らしき心──春夏秋冬と心身──人天の関係

疾病の説
  疾病は生物のなき能わざる所──疾病の定義──悲むべきの不幸──矛盾に満てる人世──欺くべからざる願──社会的駆病法──低級衛生、高級衛生──疾病における個人と社会と──疾病絶滅の最要件──種の善悪──疾病の来路──世上自ら招致せる病多し──智識の乏少は疾病を致す多し──自から招かずして病を得たる人──社会と先天的羸弱者──病人と悪人と──社会は仁慈院を立つべし──社会が罪人に対する待遇──社会が病者に対する待遇──病者の二重苦痛──病者に対する同情──病者の安心──相互的防病──良夫良妻は健康を保たしむ──疾病の相互的予防──卓絶せる健康──普通人の健康に対する注意の疎──今人の弊──自然に順応せよ──分泌は感情に影響せらる──疾病が人々に与うる利益

静光動光
  光の動静とその功の強弱と遜──徹底悟了──必らず進境を得ん──徹底すれば則ち容易──瑣事と芸術と──聖徳太子の聡明と凡庸人の放逸と──気を順当にす──気を確固にす──放下の難──全気事に当り死して而して悔いず──全気なれば則ち病まず──趣味に随順すべし──趣味の相違──画を好む者の仏を学ぶ例──人々個々の因縁性相体力──散る気の習あるに似たる者──趣味に随順するの利──茄子と山葵との喩──本性を遂げしむる効──本具の約束──血行の整理──目前の刹那

進潮退潮
  同一江海──水門開──朝の江海──暮の江海──同一物も常に同一ならず──世に時間存すれば物に同一なし──数理上に観じたる物──時間の影響の加被──世間の一切相は無定有変なり──無定の中に一定あり、有変の中に無変あり──人の日変月変──人の生より死に至る間に経過する規道──気の張弛──張りたる気──努力と気の張りと──努力には苦を忍び痛に堪うるの光景あり──気の張る場合には苦痛なし──努力は結果を求むるなり、気の張りは原因となるなり──気の一張一弛──一気大に張れば平生を超越す──気張れば天下難事あるを見ざらんとす──気の張弛と功の成廃──張る気の景象──内より外に向いて発舒展開せんとする象──気の張らぬ象──蠟燭の喩──護謨球の喩──気の習癖──二気一元となり、一元二気となる──張気の後は弛気となる──気の母子──張る気の子気、その一、逸る気──逸る気の象と弊と──張る気の子気、その二、亢る気──亢る気の象と弊と──亢る気生ずれば張る気の妙作用失わる──隣気──凝る気の象──凝る気の弊──好からんを欲すると勝たんを欲するとの差──川中島──関ヶ原──小牧山──長篠──豊太閤は能く気を張って気を凝らさず──一処不動の気──融通無礙の気──人事──天数──我と我が信との一致の自覚──古の立教者や乃至奉道者──自覚の核心の鞏固と長養と──偉人大人に気の萎えたるものなし──三因具備の信──信力の高低大小──意の料簡──意の一大転回──寡婦の例──身境変じて心状変ずる種々の相──人十分にその天より受くる所以のものを用い尽す場合──情の感激──美にして正しき情の感激は張る気を生ず──智の光輝は張る気を生ず──智の光りと張る気と──智識の威力は燭火の如し──写真術の最初──魔力ある宝物──智が気をして張らしむる光景──美術音楽より張る気生ぜらる──気の共鳴作用──多人数の集会──気の偏を有せる人──多人数の会合に起る妄動──暴ぶ気──奸雄は衆愚の心理的共鳴作用を利用す──善気の共鳴作用は少し──美術音楽には作者の気寓在す──芸術の功を挙げたる時は即ち気の共鳴作用の成立ったる時なり──薬功は微にして毒力は偉──善気を有せる者は少し──張る気を保たんとせば弛む気を生ぜしむる美術音楽を近づくる勿れ──新境の現前は張る気を致す──我が受くるものの相違──境遇変化の三様の場合──境遇善変──物質的利益──身体状態の善変は張る気を生ず──力量──膂力と意志と筋腱との関係──精神機関の器質及び機能の変化より生ずる張る気──新境現前は張る気を生ず──外境に対する対抗作用──長く同一状態にある時は動植物皆衰う──境遇固定の不利──植物と新土と──盆栽植物──抑損法──自体の新状──人類は釘着せらるるを欲せず──厭故欣新の内的要求──新境現前の人を利せぬ場合──転地療法──気の作用より観察する神経衰弱──自覚病──新境と熟境と──境遇悪変より張る気を生ず──張る気の一時性と持続性と──進潮の持続時間──人の一日における張る気の持続期──潮の増張する期間──人の張る気の持続しやすき期間──女子の身体における一月間の盈虚──心身に跨りて存する自然のリズム──気の律調的運動、自然の数──逆境に生じたる張る気は持続せず──逆境の張る気は潜勢力の発現のみに過ぎず──逆境に生じたる張る気に似て非なるもの──張る気に似たる凝る気──凝る気を以て事をなす者の跛者的状態──張る気より生ずる澄む気──張る気を以て芸術に臨む人の光景──俗気多き作品──芸術進歩の径路──泥水分離の境──澄む気の生ずる象──世評人言の役使するところとならず──做し得たる人──凝る気を以て芸術に従うものは澄む気の境に到らず──ただ熟するあって更に進むなきもの──碁の喩──凝る気は不出不入──凝る気は氷の如く、張る気は水の如し──凝る気を以て碁を囲む人の情状──一着の可否──張る気を以て事に従う情状──凝る気を以て事に従う情状──火徒らに燃えて物を煮ず──凝る気の苛厳猛烈──張る気の平正充実の光景──張る気と凝る気との差──この気の他の気に之く場合──張る気と凝る気との近似──凝る気を以て做せる芸術上の結果──天数と人事との関係──天数──人事──個人──個人の一時状態──天の数──天の数と気の張弛と──天の数の支配を受けいる吾人の実際──昼夜の支配──吾人の精神は色界の支配を受く──物質界の状態と精神との自然の感応──人の朝の気の張る所以の生理的解釈──その一、廃残物の排去──その二、脳と胃とにおける血液の状態──飽食と睡眠──仏者の真の行儀──睡眠休息と廃残物──心身の不一不二──身の意に先だつ場合と意の身に先だつ場合──夢──夢の生ずる所以──夢の心理的解釈──夢の物理的解釈──血行の状態と夢と──精神労作とその資料との関係──夢は不完全なる精神労作、もしくは不完全なる精神休息なり──夢は脳の血量の漸増漸減の時に成る──夢とシオテ──人の身心の動作は人よりのみ来らずして天の数より来る──人の気は天の数に包まれて張弛す──草木の気の張弛──一切現象はただこれ天地の気の運移の相──禽獣虫魚の朝夕における気の張弛──朝気夜気──自然と自己との諧調──二重の張る気──節と潮と月齢とにおける気の張弛──一年における気の張弛──冬秋夏春の語の義──春の張る気──春の地下の水、木の芽水──樹内の水圧──春は張るなり──永遠の内における張る気の時──地球の過去及び将来──地球の運命──地球はなお独楽の如し──地球の力の衰弱──生物の生滅と生存競争──地球上の温度の減少──個物の側より下せる観察──大処より下す観察──エナージー不滅論──力の生処を問わん──問を以て答となす──科学は皆智の圏内のX|A、X|B、X|Cなどを取扱うのみ──世に平面乃至直線なし、皆これ想像所立なり──科学に絶対権威なし──圏内の談──太陽と地球との力の前途──天体の存立及び吾人の智識の存立は風前の燈火の如し──地球は常に変化す──隕石──地球の運行軌道の変化──微小隕石説──世界の移動は殆ど不断なり──世界現在の相、性、体、力、作は必らず変化す──世界の始期壮期及び老期終期──過去を幸福とする説と将来を幸福とする思想──世界は今張る気を有す──弛む気の世界──人類の終期──今日は人類繁昌期──吾人は張る気の中に包まれいるなり──天の数──人の寿

説気 山下語
  万象皆一気淫念──フレノロジー──瓶子の喩──盲腸の縮小、複乳の稀観、膂力の衰退──仏教渡来後の邦人の身心──我が現代人の思想の変化──仏教の戒律の必要──形式と精神とを分離する思想──器と非器との交渉のところを気という──生気──死気──余気──錬気──化気──基督教の神は宇宙の心──正直なる思索及び直覚の最大輪廓──天地宇宙間の気──時間の気──気の道

岩波文庫努力論跋
解 説
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