『過労自殺』の詳細情報

過労自殺
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タイトル 過労自殺
サブタイトル
著者 [著者区分]■川人 博 [著・文・その他]
■川人 博 [著・文・その他]
出版社 岩波書店 レーベル
本体価格
(予定)
820円 シリーズ 岩波新書 新赤版1494
ページ数 256p Cコード 0236
発売予定日 2014-07-18 ジャンル 一般/新書/社会
ISBN 9784004314943 判型 新書(B40)
内容紹介
目次
はじめに

第一章 事例から
 1 「願うことはただ一つ。5時間以上寝たい」──二四歳・化学プラント工事監督者「このまま生きていくのは死ぬより辛い」──二七歳・システムエンジニア
 ミクシィの手記(ブログ)から/真夏に三八日間連続勤務/自責感・希死念慮/月二〇〇時間の時間外労働まで許容した三六協定/システムエンジニアの過労死/三三時間連続勤務も/スレイブ・エンジニア?
 2 「残業月平均15時間」の求人票──二三歳・新入営業職社員
 入社一年目の冬に/ 「残業月平均15時間」の求人票/ 「予算」達成のための重圧/一〇月以降の過重労働による疲弊/ 「即戦力」という名の過重労働の押しつけ
 3 朝早くから夜遅くまで行動を管理され──二六歳・金融機関女性総合職
 証拠保全/深夜勤務早朝出勤の繰り返し/サービス残業の実態が明らかに/体調の悪化/退職の申出と支店長のパワハラ/電通「鬼十則」の配付/若い女性労働者にひろがるうつ病と死
 4 災害対応による過労の末に──四〇歳・旅行会社課長
 遺族の言葉/JTBにとって学校はVIP/部下の退職と課長への昇進/ニュージーランド大地震の発生/精神疾患・失踪・死亡/不祥事の背景にあるもの/災害後対応による過労死
 5 「給料泥棒!」と罵倒されて──三四歳・医療情報担当者
 遺書/人間のいのちと健康を守るはずの製薬企業で/顧客先病院の医師に土下座/同僚たちから遺族への謝罪の言葉/本件パワハラの背景/パワハラ容認の労基署の誤りを正した裁判所
 6 脅迫された被害者なのに左遷されて──五一歳・中間管理職
 読者からの一通の手紙/手帳の日記/中傷ビラ/会社の理不尽な対応/妻も病死し、子二人が労災申請/東京地裁が労災と認定し、確定
 7 医療現場の過酷な労働──二九歳・外科医師/四四歳・小児科医師
  「休息したい」/二年半で休日がわずか二七日/恒常的な睡眠不足、体調の悪化/小児科医師の遺書/常勤医師が半減して/労基署が労災と認めず、東京地裁が認定/医療の質にとっても深刻な事態
 8 破れた新任女性教員の夢──二三歳・小学校教員
 新任後わずか二か月後の悲しい死/単学級の学校でクラス担任/負担の重い新任教員の四~五月/残業・休日出勤・自宅労働をしても追いつかず/保護者からの批判に悩み苦しむ/疲れ果てて……/公務災害申請/他の職場でも同様の犠牲者が

第二章 特徴・原因・背景・歴史
 1 民間・政府の統計
  「過労死一一〇番」/政府の統計
 2 過労自殺の特徴
 年間二〇〇〇人以上の被災者/過重労働の特徴と背景/うつ病などに罹患/普通の労働者がうつ病を発症する時代/加害者が被害者を叱る/闇に葬られる過労自殺
 3 政府の自殺統計の分析
 警察庁統計と厚生労働省統計/自殺者数・自殺率の推移/性別・年齢・職業の有無/原因・動機分類の見方/ 「勤務問題」が原因・動機/ 「勤務問題」の具体的内容/自殺場所/労災申請数は、氷山の一角/労災認定例から見る年齢/労災認定例から見る業種等
 4 遺書の特徴
 なぜ抗議でなく、おわびなのか
 5 過労自殺の社会的背景
 デュルケームの自殺論/失業率と自殺率の連動
 6 人権史・労働史から見た過労自殺
 諏訪湖畔の無縁墓地に眠る人々/一日一四~一五時間労働と入水自殺/ある女工の遺書/肺結核、消化器疾患、精神疾患……/戦前の剝き出しの強暴な資本主義への後戻り

第三章 労災補償をめぐって
 1 労災補償とは
 2 労災補償に関するQ&A
  (1)労災申請の手続
 制度の仕組み/会社の協力義務と申請行為/あきらめないで申請を
  (2)認定件数と認定基準
 労災認定件数/労災認定基準
  (3)長時間労働の立証方法
 労働時間を証明する資料/留意すべき事項
  (4)労働時間以外の要素について
 心理的負荷評価表/ハラスメント
  (5)精神障害発病の証明
  (6)不服申立と行政訴訟
 審査請求・再審査請求/行政訴訟
  (7)公務災害申請
 手続の概要/公務災害の認定基準
  (8)企業による補償
 二種類の企業補償/安全配慮義務違反/損害の内容/受領済の労災保険金の一部控除
  (9)会社に対する職場改善要求
 労基署に申告・告発/会社との交渉
 3 労災行政を変えてきた遺族の活動
  『ビルマの竪琴』/労災申請後一〇年を経てついに労災認定
 4 労災行政の今後の課題
 二〇一一年認定基準/脳・心臓疾患との相違/ハラスメント/複数の負荷がある場合/負荷評価の対象期間/発病後の負荷による悪化/同種労働者論と心理的負荷の程度

第四章 過労自殺をなくすために
 1 職場に時間のゆとりを
 時短論議はいずこへ/約五〇〇万人が年間三〇〇〇時間以上働く/深夜労働の増大/三六協定の限界/裁量労働制導入の危険性/男女共通の労働時間規制を/インターバル規制の導入を/公務員の職場の改善を
 2 職場に心のゆとりを
  「がんばり」の限界/ 「殺されても放すな」/失敗が許容される職場を/義理を欠くことの大切さ/失業をしてもやっていけるセイフティネットを/過重労働のグローバル化に歯止めを
 3 適切な医学的援助・治療を
 なぜ精神科治療を受けなかったか/職場における自殺予防マニュアル
 4 学校教育への期待
 企業の実態を知らせることの大切さ/ 「ブラック企業」という言葉の落とし穴/ワークルールを学ぶことの大切さ/“一生懸命”はやめよう
 5 過労死防止法の制定
 過労死はあってはならない/国連から日本政府への勧告/新しい経営理念と実践/企業倫理と健康経営/過労死等防止対策推進法の成立/法律の意義と今後の課題

あとがき
[巻末資料]業務による心理的負荷評価表(抄)
主要引用・参考文献一覧
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