『宇宙はいかに始まったのか ナノヘルツ重力波と宇宙誕生の物理学』の詳細情報
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タイトル |
宇宙はいかに始まったのか ナノヘルツ重力波と宇宙誕生の物理学 |
サブタイトル |
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著者 [著者区分] | 浅田 秀樹 [著・文・その他]
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出版社 |
講談社 |
レーベル |
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本体価格 (予定) |
1000円 |
シリーズ |
ブルーバックス |
ページ数 |
248p
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Cコード |
0244 |
発売予定日 |
2024-06-20 |
ジャンル |
一般/新書/天文・地学 |
ISBN |
9784065359044 |
判型 |
新書(B40) |
内容紹介 |
謎の「ナノヘルツ重力波」は、宇宙誕生の痕跡なのか!?
2023年、世界に衝撃を与えた国際研究チーム「ナノグラブ」の報告。 それはある重力波の存在を捉えたというものでした。 発見された重力波は、ナノヘルツ(ナノ=10のマイナス9乗)、つまり数年もの非常に長い周期の超長波長の重力波でした。
この観測プロジェクトで使われた手法は「パルサー・タイミング法」というものです。 電波星ともいわれる「パルサー」から送られてくる電波を観測することで、宇宙の空間の歪みを検出するという手法が、この「パルサー・タイミング法」です。
では、このナノヘルツ(超長波長の)重力波はどこで生まれたのか?
・宇宙のはじまり、ビッグバンより前に起きたとされる「インフレーション」によって空間が引き延ばされたさいの痕跡「原始背景重力波」。
・銀河の中心「活動銀河核」に存在する太陽質量の数万倍といわれる「超巨大なブラックホール」が合体した。 といった候補が考えられています。
これまで謎とされていた「宇宙のはじまりの姿」。 その痕跡を見ることが人類にとって現実のものとなりはじめました。
本書では、その背景にある宇宙論を、重力とは何か? アインシュタイン方程式とは? そして宇宙のはじまりはどのように考えられてるのか? ひとつずつ段階を踏みながら解説し、「ナノグラブ」によって行われた「パルサー」を用いた宇宙空間の精密観測「パルサータイミング法」と今後の観測計画。そして15年以上にもわたる「パルサー・タイミング・アレイ」による観測の結果から、この謎の超長波長の重力波「ナノヘルツ重力波」の正体に迫っていきます。
宇宙の誕生に迫る宇宙論と観測の最前線をていねいに解説します!
序章 ナノヘルツ重力波の衝撃 謎の重力波とパルサー・タイミング・アレイ 1章 重力とはなにか……空間そして時間の歪み コラムメジャーリーグ投手の放つ重力波 2章 重力波望遠鏡……宇宙を見る新しい目 3章 連星パルサーの謎……電波天文学と中性子星 コラム 重力波に縦波成分は存在するのか? 4章 宇宙誕生の痕跡とは……インフレーション理論と原始背景重力波 5章 巨大ブラックホールの謎……宇宙の歴史を探る コラム 「特異点定理」の数理 6章 超波長重力波を捉えるには……パルサータイミング法と宇宙の謎 7章 もう一つの重力波観測……位置天文学で見える宇宙 8章 宇宙のはじまりを見る……超長波重力波の正体と未来の宇宙観測
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目次 |
序章 ナノヘルツ重力波の衝撃 謎の重力波とパルサー・タイミング・アレイ
1章 重力とはなにか……空間そして時間の歪み 1…1 ケプラ…、ニュートン、そしてアインシュタイン 1…2 二つの相対性理論 1…3 アインシュタイン方程式の誕生 1…4 重力で光が曲がる 1…5 重力波とはなにか コラムメジャーリーグ投手の放つ重力波
2章 重力波望遠鏡……宇宙を見る新しい目 2…1 重力波の特性とは 2…2 重力波のもう一つの性質 2…3 ブラックホールの合体が見えた
3章 連星パルサーの謎……電波天文学と中性子星 3…1 偶然が生み出した新しい天文学 3…2 電波シグナルは、どこから来るのか? 3…3 中性子星の誕生 3…4 中性子星の強烈な磁場 3…5 ミリ秒パルサーの発見 3…6 連星パルサーからの証拠 3…7 一般相対性理論は正しいのか!? 3…8 パルサータイミング法の着想 3…9 天体最高精度の時計 コラム 重力波に縦波成分は存在するのか?
4章 宇宙誕生の痕跡とは……インフレーション理論と原始背景重力波 4…1 宇宙の膨張の発見 4…2 宇宙はじめの元素 4…3 ビッグバン理論とよばれて 4…4 原子核物理学から素粒子物理学へ 4…5 ビッグバン以前の宇宙 4…6 ビッグバン理論の問題点 4…7 大統一理論に向かう 4…8 インフレーション宇宙論の利点と課題 4…9 原始背景重力波=引き伸ばされる時空の歪み
5章 巨大ブラックホールの謎……宇宙の歴史を探る 5…1 凍りついた星 5…2 アインシュタイン方程式のある厳密解 5…3 結局、何が凍りつくのか 5…4 ブラックホールを作る理論 コラム 「特異点定理」の数理 5…5 巨大ブラックホールの発見と謎 5…6 太陽質量の約10億倍の星「クェーサー」 5…7 宇宙の歴史と巨大ブラックホール誕生の謎
6章 ナノヘルツ重力波を捉えるには……パルサータイミング法と宇宙の謎 6…1 重力波とパルサーのまたたき 6…2 複数のパルサーを観測する意義 6…3 パルサータイミング法への道 6…4 PTAが見つけた宇宙の謎 6…5 パルサータイミング法の今後への期待
7章 もう一つの重力波観測……位置天文学で見える宇宙 7…1 地球の公転と星までの距離 7…2 遠い天体を調べるには 7…3 銀河系内の星の運動を測る 7…4 地図の「ぶれ」から重力波を探す 7…5 今後の衛星観測計画
8章 宇宙のはじまりを見る……ナノヘルツ重力波の正体と未来の宇宙観測 8…1 謎の超長波長重力波の正体は 8…2 重力波の振幅から重力源を調べる 8…3 宇宙で観測する重力波 8…4 宇宙のはじまりを見る
あとがき さくいん
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著者略歴(浅田 秀樹) |
1968年京都府生まれ。弘前大学大学院・宇宙物理学研究センター センター長・教授。京都大学理学部卒業。大阪大学大学院理学研究科博士後期課程修了。博士(理学)。2003年、パリ天体物理学研究所にて主に重力波に関する在外研究。専門分野は一般相対性理論、重力理論、理論宇宙物理学。2023年、米国物理学会の卓越した査読者に選出。著書に『三体問題 天才たちを悩ませた400年の未解決問題』(ブルーバックス)。 |