『賭博常習者』の詳細情報

賭博常習者
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タイトル 賭博常習者
サブタイトル
著者 [著者区分]園部 晃三 [著・文・その他]
出版社 講談社 レーベル
本体価格
(予定)
800円 シリーズ 講談社文庫
ページ数 256p Cコード 0193
発売予定日 2024-07-12 ジャンル 一般/文庫/日本文学、小説・物語
ISBN 9784065364864 判型 文庫(A6)
内容紹介
「百万円を二百万円にするのはたやすい」
そう嘯いて他人様の懐に平気で手を突っ込み、
意表を突いたケントク買いで万馬券を掴み取る――。

ギャンブルの神様に魅入られた、“ろくでなし”の自伝的長編小説

「30年前の新人が、新人のまま現われた。
馬とデラシネの日々と、ギャンブルの陥穽と
黄昏の中に立つ影に、活路はあるのか。
この小説の放逸な人生の底にあるのは、書くという行為の業である。」
――北方謙三

「破天荒なこの男の物語世界はくやしいほどにまばゆい。
映画の嘘を凌駕した凄味があるからだ。
こいつとは簡単につき合わないほうがいい。」
――高橋伴明(映画監督)


 ショウコから百万円を受け取り、(福島競馬場のメインレースの)3枠6番のソウルスピリッツの複勝に張った。
「見ていろ。6番の馬が三着にくれば金になる」
 ショウコは府中の馬場をふりかえって戸惑う。
「どういうこと? 馬、走ってないじゃない」
「ここのレースじゃない」
(中略)
 しばらくして東京競馬場の帯で束ねられた百万円が七束と、端数の三十万円を受け取る。JRAの手提げ紙袋にそれをしまってもらった。
 ショウコはその場にへたり込んで紙袋に手を突っこみ、札束を数えながら、泣いた。
「なんで……なんでこんないい加減な男が簡単にお金を作れちゃうのよ……」
――本文より
目次
著者略歴(園部 晃三)
1957年、群馬県生まれ。90年、「ロデオ・カウボーイ」で第54回小説現代新人賞を受賞。
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