『老いを読む 老いを書く』の詳細情報

老いを読む 老いを書く
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タイトル 老いを読む 老いを書く
サブタイトル
著者 [著者区分]酒井 順子 [著・文・その他]
出版社 講談社 レーベル
本体価格
(予定)
960円 シリーズ 講談社現代新書
ページ数 240p Cコード 0295
発売予定日 2024-11-21 ジャンル 一般/新書/日本文学、評論、随筆、その他
ISBN 9784065378564 判型 新書(B40)
内容紹介
「老い本」(おいぼん)とは、人々の老後への不安と欲望にこたえるべく書かれた本のこと。
世界トップクラスの超高齢化社会である日本は、世界一の「老い本」大国でもある。
昭和史に残る名作から近年のベストセラーまで、「老後資金」「定年クライシス」「人生百年」「一人暮らし」「迫りくる死」などトピック別に老い本を厳選し、日本の老いの精神史を鮮やかに読み解いていく。
老いを満喫中の方も、予習中の方も、老後をメタに考えることができる本!
先人・達人たちは老後をいかに乗り切ったか?

<「はじめに」より>
老い本を書く側の充実という現象も見て取ることができる。老い本を欲している読者に本を供給するのは、高齢者の気持ちを十分に知っている、高齢当事者の著者達。老い本が売れるということを知った出版社も今、老い本の執筆を高齢著者にどんどん発注している。日本では出版不況が長く続いているが、老い本の界隈に限っては、熱いブームが続いているのだ。
この現象は、日本独特のものであるらしい。海外の出版事情に詳しい著作権代理店の版権担当者に聞けば、高齢化が進んでいる先進諸国において、日本のような老い本ブームは発生していないとのこと。
老い本ブームは、一過性のものではなかろう。日本では当分の間、高齢化率も平均寿命も高水準で推移することが予測されているのであり、老い本への需要もまた、高いままであり続けるに違いない。
老い本、および老い本の著者達を検証することによって、日本の高齢者、および高齢化の今と今後が見えてくるのではないか。

<目次>
はじめに 「老い本」大国ニッポン
第一章 老いの名作は老いない
一 迷惑をかけたくない──『楢山節考』
二 いつか、自分も──『恍惚の人』
三 マンガが見つめる孤独──『いじわるばあさん』
四 古典の老いと理想──『竹取物語』 『枕草子』 『徒然草』 『方丈記』

第二章 老いをどう生きるか
一 百歳の人間宣言
二 定年クライシス
三 六十代──老人界のフレッシュマン
四 「乙女老女」は未来志向
コラム 老い本ブームの先陣を切った二冊の「新しさ」

第三章 老いのライフスタイル
一 一人暮らし
二 おしゃれの伝承
三 おばあさんと料理
四 田舎への移住
コラム 高齢者の「迷惑恐怖」を煽る終活本

第四章 老いの重大問題
一 金は足りるのか
二 配偶者に先立たれる
三 「死」との向き合い方
四 老人と性

おわりに 老い本は不安と希望のしるし──ぴんころ地蔵と姨捨山を訪ねて
老い本年表
目次
著者略歴(酒井 順子)
1966年、東京都生まれ。高校在学中から雑誌でコラムを連載する。大学卒業後、広告会社勤務を経て執筆に専念。2003年に発表した『負け犬の遠吠え』がベストセラーとなり、婦人公論文芸賞、講談社エッセイ賞をダブル受賞。『ユーミンの罪』『子の無い人生』『百年の女』『駄目な世代』『男尊女子』『家族終了』『ガラスの50代』『女人京都』『日本エッセイ小史』『消費される階級』などの著書の他、『枕草子』(上・下)の現代語訳も手掛けている。
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