渋谷駅前の再開発、麻布台ヒルズをはじめとした巨大商業施設の建設、神宮外苑の樹木伐採の問題……東京オリンピック後も止まない巨大資本による再開発に揺れる東京。 私たちは都市をどのように捉えればいいのか。 そのヒントは「街歩き」にある。 都市論の大家が自らの足で都心南部を歩きながら、かつての軍事施設の痕跡や、失われた川や暗渠を辿ることで、都市の構造を掘り起こす。 誰も見たことのない「東京」が現れる、七日間の街歩きガイド。
【目次】 第一日 駅から丘へ、丘から川へ、渋谷川筋を歩く 第二日 古川流域で高低差を実感し、街殺しの現場に遭遇 第三日 目黒川上流域のふたつの「川」と「まち」の地層 第四日 三田用水沿いに織りなされる軍都と自然 第五日 蟹川と新宿歌舞伎町の「裏」に広がる風景 第六日 青山・六本木・赤坂の川筋から見る軍都東京 第七日 都心の谷間から皇居を裏返す
【著者略歴】 吉見俊哉 (よしみ・しゅんや) 1957年東京生まれ。 東京大学名誉教授、國學院大学観光まちづくり学部教授。 東京大学副学長、同大学大学院情報学環教授などを歴任。 社会学、都市論、メディア論、文化研究を主な専門としつつ、日本におけるカルチュラル・スタディーズの発展で中心的な役割を果たす。 『都市のドラマトゥルギー』『東京裏返し』『敗者としての東京』『さらば東大』など著作多数。
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