執筆足かけ10年。宮本文学、初の歴史小説。全四巻の完結篇。 開国から明治維新・西南戦争を経て、日本の近代化が始まる激動期を、越中富山の薬売りの視点から描く。主人公・川上弥一は、薩摩藩担当の薬売り行商人から、最後は近代的製薬会社の創業を主導するまでになる――。 第四巻から時代は本格的に明治へ。近代日本が始動していく一方、西南戦争では若き薩摩藩士たちが痛ましい死を遂げていく。そして弥一の身辺にも、大きな出来事が起きるーー。
<全四巻から成る大河小説。読みごたえがある。 武士や権力者ではなく、市井の人間が激動の時代を懸命に生きる姿が見事にとらえられているのは宮本輝ならでは。> ーー川本三郎氏(評論家)「毎日新聞」2025年6月7日付の書評より <宮本文学の代表作の一つとして、長く読み継がれる作品になるだろう>ーー重里徹也氏(文芸評論家) 「東京新聞」2025年5月31日書評より <日本各地を回った富山の薬売りの鋭い観察眼と時代認識を通して、黒船来航から王政復古を経て西南戦争にいたる平和と変革の時代を描く雄渾な文学作品> ーー山内昌之(東京大学名誉教授/「週刊文春」2025年2月27日号の書評より) <「一身にして二生を経る」ほどの幕末維新の激動を乗り越えた日本人のたたずまいが巨匠の筆で活写されている。この小説は混沌の現代を生きる私たちの心の支えだ。> --磯田道史(歴史学者・国際日本文化研究センター教授)
全四巻それぞれに違った著者直筆の「ことば」が入った初回配本限定特典「讀む藥」付。
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