中国の海賊と日本人の間に生まれ、自分の居場所を求める 孤独な少年・福松(のちの鄭成功)。 弟とともに平戸に預けられていた福松のもとに 母・松が迎えに来る。松は、台湾を根城にする大海賊の頭となっていた。
鄭家は割拠する海寇たちや東インド会社を下して力をつけていき、 ついには大明国から城と将軍職を与えられるほどに。 しかし、李自成の乱が起こって明は滅亡、清軍が攻めてくる。
鄭成功は、鄭家を守るため、自ら新帝を立てることで「天命」を 我がものとしようとするが――。
やがて台湾の英雄となり、江戸の人々を熱狂させた舞台「国姓爺合戦」 主人公のモデルとなった鄭成功の半生を描き出した、静寂と熱狂のストーリー。
解説・仲野徹 (生命科学者・大阪大学名誉教授)
<目次>
序章 海の女神 第一章 波のみなもと 第二章 陸を呑む 第三章 天命のゆくえ 第四章 国姓爺 第五章 虚ろを奉じて 第六章 それがし、ひとりなり 終章 国性爺合戦
解説 仲野徹
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