どうせ叶わぬ夢なら、いっそ、 江戸時代の川や海で、 魚を釣ってみたい――「あとがき」より
文学賞3冠に輝く、圧倒的な物語。
時は元禄年間、五代将軍徳川綱吉の治世。江戸湾の沖 合二町ほどのところに船を停め、釣りをする二人―― 俳人の宝井其角と絵師の多賀朝湖――は、土左衛門を 釣り上げてしまう。屍体は竿をしっかりと摑んで眼を 見開き、唇からは歯を覗かせ、笑っていたのであった。 一方、旗本の津軽采女は閑職が故に釣り三昧の日々。 義父・吉良上野介の世話で、将軍の側小姓にとりたて られることとなった。
目次 序の巻 幻談 巻の一 沙魚 巻の二 技師 巻の三 安宅丸 巻の四 鯛 巻の五 水怪 巻の六 釣心 巻の七 密漁者 巻の八 側小姓 巻の九 無竿 巻の十 釣り船禁止令
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