『トルコ共和国のイスラーム教育と世俗主義 ~1940年代から1970年代における宗教政策 ~ 』の詳細情報

トルコ共和国のイスラーム教育と世俗主義
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タイトル トルコ共和国のイスラーム教育と世俗主義
サブタイトル 1940年代から1970年代における宗教政策
著者 [著者区分]上野 愛実 [著・文・その他]
出版社 勁草書房 レーベル
本体価格
(予定)
5500円 シリーズ
ページ数 304p Cコード 3022
発売予定日 2024-11-28 ジャンル 専門/単行本/外国歴史
ISBN 9784326200689 判型 A5
内容紹介
世俗主義をとるトルコは、なぜ建国期に廃したイスラーム教育を再開し、必修化させるに至ったのか。その政教関係の変遷を検討する。

本書はトルコ共和国でイスラーム教育科目が小学校で再開され、中学校、高校へと拡大、1982年に必修化されるまでの過程を検討する。そこには「政教分離」や「世俗主義」と訳される「ライクリキ」の解釈の変化とナショナリズム理解の変容が生じていたことを明らかにし、政教関係の変化を跡づける。
目次
序章
 一、本書の課題
 二、用語の説明
 三、先行研究と本書の位置づけ
 四、本書の目的と構成
 五、史料

第1章 トルコ共和国の建国と宗教教育の廃止
 一、オスマン帝国からトルコ共和国へ
 二、トルコ共和国の建国と世俗化改革
 三、共和人民党政権の教育政策と宗教教育の廃止
 小結

第2章 非宗教的な道徳教育から私教育における宗教教育へ
 一、道徳教育の模索
 二、宗教教育自由化の構想
 小結

第3章 公教育における宗教教育の再開と国家による宗教管理
 一、小学校への宗教科の導入
 二、小学校四、五年の宗教科学習指導要領と教科書
 小結

第4章 国家と良心の自由
 一、民主党政権の成立と宗教政策
 二、宗教教育に対する法学者の見解
 三、中学校への宗教科の導入
 四、中学校一、二年の宗教科学習指導要領と教材
 小結

第5章 イスラームとトルコ人
 一、一九六〇年クーデタと国民教育諮問会議
 二、公正党政権の成立と高校への宗教科の導入
 三、高校一、二年の宗教科学習指導要領と教材
 小結

第6章 道徳と宗教
 一、道徳科の設置過程
 二、中学校三年、高校三年の宗教科学習指導要領と教材
 三、一九七六年道徳科教科書
 小結

終章

 あとがき
 巻末資料(教科書目次)
 文献目録
 索引
著者略歴(上野 愛実)
上野 愛実(うえの まなみ)

東京外国語大学外国語学部南・西アジア課程トルコ語専攻卒業、東京大学大学院総合文化研究科にて博士(学術)の学位を取得。日本学術振興会海外特別研究員を経て、2022 年より岩手県立大学専任講師。専門はトルコ現代史、中東地域研究。論文に、“Sufism and Sufi Orders in Compulsory Religious Education in Turkey” (Turkish Studies 19, no. 3 (2018): 381-399)、「アタテュルク後の宗教教育政策――ライクリキの転換点」(小笠原弘幸編『トルコ共和国 国民の創成とその変容――アタテュルクとエルドアンのはざまで』九州大学出版会、2019 年、127-150 頁)、“The Rise of Nationalised, Religious Education in Turkey from the 1950s to the 1970s” (Middle Eastern Studies, forthcoming)など。
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