『印象派の発明 ~美の技術革新と市場の創造 ~ 』の詳細情報

印象派の発明
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タイトル 印象派の発明
サブタイトル 美の技術革新と市場の創造
著者 [著者区分]西岡 文彦 [著・文・その他]
出版社 勁草書房 レーベル
本体価格
(予定)
2700円 シリーズ
ページ数 272p Cコード 1071
発売予定日 2024-12-24 ジャンル 教養/単行本/絵画・彫刻
ISBN 9784326852024 判型 46
内容紹介
画材×光彩×戦略=印象派! 絵画の描かれ方、売られ方、その可能性の跳躍を目撃する、印象派誕生150年の必読書。

印象派は「発明 invention」されている。絵画をとりまく技術革新は、画家の個性の表現としての「印象」を描くことを可能にし、斬新な戦略で顧客を開拓した画商との協働によって、今日まで続く美術市場のあり方を形づくっている。モネ、ルノワール、ゴッホ、セザンヌら画家達が新たな表現を求めて苦闘し、探求したその筆遣い、色彩を目の当たりにし、時代の変化と彼らの息遣いが伝わってくる迫力の一冊。カラー図版多数掲載。
目次
はじめに 印象派は「発明」されている
 印象は個性であり、鑑賞は表現である
 屋外制作がモネを光の画家にした
 写真を軽蔑したゴッホと脅えたピカソ
 器の絵付け職人から画家へ
 最下級の風俗画と見なされた印象派
 絵画芸術の「発明」と「独立」
 新時代の色彩を求めて
 市場の創成と印象派ブランドの確立

第一部 印象派の発明

第一章 印象の衝撃
 画家は「印象」をこそ描くべきだ
 印象派展で正気を失った画家
 「日の出」に付け加えられた「印象」
 個性のタッチ対フィニの写実
 チューブ入り絵の具と平筆の絵画革命
 モネの反射、ルノワールの木漏れ日
 ジャポニスムの筆勢
 芸術家株式会社へ

第二章 ルノワール 美と青春の宴
 少年ルノワールの職人修業
 絵付けの機械化で職を失う
 版画をカラー化した石版画
 ルノワールの失った「輝かしい」日給
 モネとの出会い、職人から画家へ
 セーヌ河畔の共作で発見されたタッチ
 木漏れ日の下の青春群像
 新時代の精神貴族ボヘミアン
 「永遠の宴」と「遅い仕事」の幸福

第三章 モネ 印象の探求
 人物の似顔絵から風景画の屋外制作へ
 ナポレオン三世の近代パリと印象派
 マネの落選とノストラダムスとしてのゾラ
 ゾラの画家小説で読む「印象」の命名
 モデルニテのメッカで描く
 見限られたモネとルノワールの才能

第四章 ゴッホ 美の伝道
 最後の印象派展に間に合ったゴッホ
 挫折をする兄と献身する弟
 スーラが学んだ最新の色彩理論
 ゴッホの「ひまわり」とゲーテの神の色彩
 モネとゴッホ、それぞれの風景
 チューブから絵の具を絞り出す

第五章 マネとセザンヌ 近代と現代
 セザンヌの不器用な凶暴さ
 「なにを描くか」から「いかに描くか」へ
 マネが発明した絵画芸術
 ルーヴルを訪ねた『居酒屋』のヒロイン
 武器としての美術と美術館用の絵画
 セザンヌを理解しなかったゾラ
 自然を円筒・球・円錐として処理すべし

第二部 印象派市場の創成

第六章 金ピカの画商デュラン=リュエル
 印象派の伝道師とゾラの俗物画商
 金ピカの額縁のオークション効果
 ポンパドゥール夫人と黄金の輝き
 作品の価値を訴求する王朝様式
 前衛絵画をクラシックに演出
 新時代の王侯貴族のステータス・シンボル

第七章 猫足家具のクラシック演出
 王朝趣味の豪華サロン
 絶対王政の意匠統治と近代市場の顕示的消費
 金ピカ額縁と猫足家具の高額戦略
 人権の美術から金権のプレゼンテーションへ
 王朝ごとに異なる椅子の脚のライン
 絵画のある生活様式そのものを売る

第八章 パリのアメリカ人
 新生国家が憧れた貴族趣味
 アメリカ人が希求した新時代の美術
 パリのアメリカ人印象派カサット
 パリのアメリカ人小説家ヘミングウェイ
 印象派市場の今日を開いたルノワール作品

第九章 美術批評とブランド戦略
 出版文化の発達と批評家の誕生
 メディア戦略とブランド化
 隠密出版と御用文化人
 発行主になりさえすれば
 カタログの「トロイの木馬」作戦
 デュラン=リュエル戦略の功罪

第十章 印象派の父とゴッホの弟
 ゴッホの弟と「生きている画家」
 偉大な賭博師と印象派の発明
 画家に寄り添う画商テオ・ヴァン・ゴッホ
 「死んだ画家」の弟の悲劇
 未亡人ヨハンナの苦闘とゴッホの悲願

あとがき
掲載作品所蔵一覧
索 引(人名・事項)
著者略歴(西岡 文彦)
西岡 文彦(多摩美術大学名誉教授・版画家)
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