『オウム真理教事件と解離性障害 ~中川智正伝 ~ 』の詳細情報
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タイトル |
オウム真理教事件と解離性障害 |
サブタイトル |
中川智正伝 |
著者 [著者区分] | 久保田 正志 [著・文・その他]
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出版社 |
春秋社 |
レーベル |
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本体価格 (予定) |
2800円 |
シリーズ |
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ページ数 |
368p
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Cコード |
0014 |
発売予定日 |
2024-09-19 |
ジャンル |
一般/単行本/宗教 |
ISBN |
9784393299678 |
判型 |
46 |
内容紹介 |
中川智正はなぜオウム真理教事件に実行役として関わっていったのか。中学生時代の友人である著者が、660回にわたる面会記録と裁判記録から、解離性障害から人格が支配されるようになった経緯を初めて明らかにした伝記。
――中川智正は、本来なら伝記など残されるような人間ではなかったろうし、また、なるべきでもなかった。彼にこうした伝記が必要となったのは、彼がオウム真理教団に加わり重大事件に関与したためであることは論を待たない。しかも、彼はよくある狂信者として犯罪に関与したのではなく、幼少期から巫病者(=巫者)の兆候があったところ、二五歳にして本格的に解離性障害を発症し、それゆえに重大事件に関わったという理解されにくい背景があるので、特にこの点を記録しておくことは後世に意味がある。――「はしがき」より
「どうして事件が起こったのか、明らかになっていない」 この事件、死刑で終わらせることなどできない。 ――大宅壮一ノンフィクション賞受賞作家・川口有美子氏
甲本ヒロトの耳にビートルズが流れ、ボクの耳にはビートたけしが流れていた十代の頃、 ケツには光の粒が降っていた。その経緯を同級生K君が説き明かす。 ――漫才師・水道橋博士氏
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目次 |
はしがき
第一 生い立ち(昭和三七年から六三年) 一 出生から岡山大学教育学部附属学園時代 二 県立岡山朝日高等学校時代 三 京都府立医科大学時代
第二 巫病の本格的発症とオウム真理教団への加入(昭和六三年から平成元年) 一 巫病(解離性障害)の本格的発症に至るまで 二 入信後の神秘体験と医師としての生活 三 出家に至る経過
第三 オウム真理教団への出家と重大事件への関与(平成元年から平成七年) 一 出家直後の智正 二 坂本弁護士一家殺害事件 三 平成二年総選挙への出馬 四 教団の生物兵器への関与(平成二年) 五 麻原の周辺にいるようになる(平成三年) 六 再び生物兵器に関与する(平成五年) 七 核兵器・化学兵器の研究(平成五年) 八 落田耕太郎殺害事件(平成六年一月) 九 サリンを造り始める(平成五年一〇月から) 一〇 法皇内庁長官となる(平成六年六月) 一一 松本サリン事件 一二 サリンプラントの運営 一三 VX事件 一四 サリンの中和、目黒公証役場事件 一五 地下鉄サリン事件 一六 逃走中の事件
第四 逮捕・起訴・裁判(平成七年から平成二三年) 一 逮捕の前後 二 浅草警察署での拘留と河原弁護士の選任 三 東京拘置所への移送と筆者との再会(平成八年) 智正の内面(認識・神秘状態) 事件への認識 智正の麻原観 東京拘置所での生活 河原弁護士の辞任まで 附論 智正が見聞した教団の状況 四 新弁護団の結成と第一審の再開 智正の体調管理の進展、麻原の影響からの離脱 五 第一審判決(平成一五年一〇月二九日) 六 控訴審に向けた智正の動き 七 佐々木雄司博士との出会いとその診断 八 麻原公判控訴棄却と控訴審 九 控訴審判決(平成一九年七月一三日) 一〇 上告審に向けての動き、絞首刑違憲論 一一 最高裁判決(平成二三年一一月一八日)
第五 死刑囚としての生活 一 死刑囚の日常 二 短歌・俳句・同人誌 三 テロ対策への貢献 四 再審請求
第六 最期 一 広島への移送と新生活 二 刑の執行(平成三〇年七月六日) 三 死後の余韻
おわりに あとがき
宗教と精神医学の関係および解離性障害に対する精神医学的解説……赤崎安昭 参考資料 ICD-10 精神および行動の障害 資料 鑑定意見書――中川智正君に関する精神医学的見解(二〇〇五年九月二一日) 「鑑定意見書」補遺 Q&A――東京高裁公判開始にあたって(二〇〇六年四月二六日) 鑑定意見書(その2)――とくに「神秘体験」をめぐって(二〇〇六年一一月二七日) 控訴審判決に対する精神医学的所感――中川智正被告をいかに理解すべきか(二〇〇八年八月二六日) 被告人中川智正に関する意見書(二〇〇六年八月一八日) 中川智正 年表 |
著者略歴(久保田 正志) |
1963年、東京に生まれる。岡山大学教育学部附属中学校、都立小石川高校を経て、88年に東京大学法学部卒業。97年、東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了(法学修士)。2020年、法政大学大学院博士後期課程人文科学研究科史学専攻単位取得退学。現在、特定非営利活動法人城塞史跡協会理事長。窪田柑寧の高座名で軍記・軍談を読む。著書に『ハプスブルク家かく戦えり――ヨーロッパ軍事史の一断面』、『日本の軍事革命』(ともに錦正社)がある。 |