『新しい音楽が息づくとき ~一〇〇年前の日本のざわめきを読む ~ 』の詳細情報

新しい音楽が息づくとき
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タイトル 新しい音楽が息づくとき
サブタイトル 一〇〇年前の日本のざわめきを読む
著者 [著者区分]■井手口 彰典 [編集]
■山本 美紀 [編集]
出版社 春秋社 レーベル 春秋社音楽学叢書
本体価格
(予定)
2800円 シリーズ
ページ数 274p Cコード 0073
発売予定日 2024-11-20 ジャンル 一般/単行本/音楽・舞踊
ISBN 9784393930540 判型 46
内容紹介
いまからおよそ百年前、1920年代から30年代前半(すなわち大正?昭和戦前期)は、日本が西洋音楽の単純な模倣の段階を脱し、自文化の表現方法として創作活動に用いだした時期である。西洋音楽を積極的に取り込みつつ、それを自分たちのものとして血肉化し、あるいはそこに独自の解釈を施し、さらには新しい創造へと繋げていくことも盛んに行われるようになっていた。
ただし、そうした解釈や創造の取り組みは、決して直線的あるいは均一的だったわけではない。その過程では様々な個人や集団によって、音楽が意図的に誤読されたり、都合良く取捨選択されたり、抜本的に改造されたり、部分的に拒絶されたり、交渉や打算の対象に用いられたりもしてきた。本書はそうした、時にいい加減でちゃらんぽらんで猥雑だがしかしバイタリティに満ちていた時代の種々の音楽実践を、個人・集団間の多様なせめぎ合いの過程のなかで描いていく。
目次
はじめに 一〇〇年前へと旅をする理由 …… 井手口彰典・山本美紀

第一章 音楽教師としてのラスカの歩み――ウラジオストク ~ 宝塚音楽歌劇学校 ~ 神戸女学院 …… 根岸一美

 コラム① ヨーゼフ・ラスカ作曲の二つの《青山学院行進曲》 …… 根岸一美

第二章 大澤壽人の外なる西洋 内なる日本 …… 生島美紀子

 コラム② 神戸出身のチェリスト一柳信二が開いた、近現代フランス派演奏の扉 …… 佐谷記世
 コラム③ あるフランス音楽受容史――「シャンソン」と高木東六 …… 樋口騰迪

第三章 新しい歌の生まれる時――由木康と津川主一による子供のための賛美歌創作 …… 山本美紀

第四章 近代化する仏教教団と宗歌 …… 山口篤子

 コラム④ 戦前の広島における洋楽の普及――北条時敬と丁未音楽会 …… 松田真理子
 コラム⑤ 大阪市音楽隊――会員組織から直営に至るまで …… 戸田直夫

第五章 《城ヶ島の雨》の普及プロセスとその社会的イメージ …… 井手口彰典

 コラム⑥ ブルガリアと日本音楽の出会い――三つの例 …… ジブコバ、ステラ
 コラム⑦ 植民地化されていた朝鮮半島における学校教育と音楽教育 …… 金銀周

第六章 “感動”の言語化への道のり――西洋楽語の翻訳と、出発点となった出島でのオペラ上演(一八二〇) …… 山田高誌

あとがき …… 根岸一美
著者略歴(井手口 彰典)
立教大学社会学部教授。1978年、広島県生まれ。大阪大学大学院文学研究科博士後期課程修了、専門は音楽社会学。単著に『ネットワーク・ミュージッキング:「参照の時代」の音楽文化』(勁草書房、2009年、第25回テレコム社会科学賞奨励賞)、『同人音楽とその周辺:新世紀の振源をめぐる技術・制度・概念』(青弓社、2012年)、『童謡の百年:なぜ「心のふるさと」になったのか』(筑摩書房、2018年、第49回日本童謡賞特別賞)。
著者略歴(山本 美紀)
青山学院大学教育人間科学部教授。1968年、兵庫県生まれ。大阪大学大学院文学研究科博士後期課程修了、専門は音楽学・音楽教育学。単著に『メソディストの音楽:福音派讃美歌の源流と私たちの讃美』(ヨベル、2012)、『音楽祭の戦後史:結社とサロンをめぐる物語』(白水社、2015)、他。日本ウェスレー・メソジスト学会会長。日本賛美歌学会副会長。
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