『豊子愷の東西芸術比較論 ~中国近代美学の誕生 ~ 』の詳細情報
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タイトル |
豊子愷の東西芸術比較論 |
サブタイトル |
中国近代美学の誕生 |
著者 [著者区分] | ■劉 佳 [著・文・その他] ■劉 佳 [著・文・その他]
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出版社 |
春秋社 |
レーベル |
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本体価格 (予定) |
4200円 |
シリーズ |
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ページ数 |
168p
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Cコード |
3071 |
発売予定日 |
2024-05-09 |
ジャンル |
専門/単行本/絵画・彫刻 |
ISBN |
9784393957066 |
判型 |
46 |
内容紹介 |
20世紀前半に中国で活躍した画家、豊子愷(ほう・しがい)が、大正期の日本で交わされた東西の芸術比較論を介して、カンディンスキーの抽象芸術論を受容し、それを中国画論と融合させて「気韻生動」という中国古来の重要概念を解釈したことを明らかにする。
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目次 |
序論 豊子愷について 研究背景 本書の構成 第一章 「自然美」から「感興」への転向 第一節 「普通の芸術」と「専門の芸術」 第二節 「自然美」による「生動」 第三節 「自然に対する感情」としての「感興〔遺貌取神〕」 第二章 「感覚美」によって喚起される「高遠な思想感情」 第一節 「感覚美」によって喚起される「高遠な思想感情」 第二節 カンディンスキーの「震動(Vibration)」 第三章 「精神的なもの」と「気韻生動」との共鳴 第一節 エディによるアメリカ側のカンディンスキー受容 第一項 ブイによる「気韻」と「生動(living movement)」 第二項 カンディンスキーの純粋芸術と「東洋の抽象芸術」 第二節 園頼三による日本側のカンディンスキー受容 第一項 ショーペンハウアーの「崇高」と「生動」 第二項 リップスの「感情移入」と「気韻生動」 第三項 カンディンスキーの「純粋精神」と「気韻生動」 第三節 豊子愷による中国側のカンディンスキー受容 第一項 「同情」と「生動」 第二項 書道における「純粋な形状」によって示される「神気」 第四章 文人画と純粋絵画との両立 第一節 「文学的絵画」と「純粋的絵画」 第二節 「画中有詩」における「詩趣」 第五章 「写生」と「写意」との融合 結論 註 あとがき 参考文献 |
著者略歴(劉 佳) |
1920、30年代に中国で活躍した画家、豊子愷(ほう・しがい, 1898-1975)が美学者として、大正期の日本の学者たちによる東西の芸術比較論を介して、カンディンスキー(Wassily Kandinsky, 1866-1944)の抽象芸術論を受容し、それを中国画論と融合させた上で独自の仕方で「気韻生動」という中国古来の重要概念を解釈したことを明らかにする。 竹久夢二の影響をうけた画家として知られ、『源氏物語』をはじめて中国語に完訳した豊子愷の芸術思想を通して、西洋の思想文化が東洋に輸入される中で、中国の内部において生じた伝統文化の自覚と変貌が中国現代美学を発生させた過程にせまる。大正期に東西の文化的なハブとしての役割を果たした近代日本の位置づけも明らかとなる。 |
著者略歴(劉 佳) |
1985年中国・青島生まれ。清華大学美術学部芸術史論学科卒業(中国)、東京大学人文社会系研究科美学芸術学専門分野修士課程、博士課程修了。博士(文学)。東京大学TA、RA、日本学術振興会特別研究員(DC2、PD)を経て、現職中国の浙江大学メディアと国際文化学部特聘副研究員(Tenure-Track Assistant Professor, Media and International Culture, Zhejiang University)。専門は美学芸術学、間文化的美学、中国芸術と芸術論、美術教育論など。 |