Prologue: 最新医学で、認知症のリスクを減らす ● 長寿化により、認知症の人は年々増えている ● 認知症リスクは、ライフスタイルで変えられる! ● どの段階でも予防が大事。できることから始めよう!
【Part1】 4大認知症のしくみと症状を知る
<MCI(軽度認知障害)> ● 神経細胞の変性は中年期から始まっている ● 正常に戻る例も多く、予防効果は高い <4大認知症> ● 記憶障害だけじゃない。判断力や実行機能も低下する ● 興奮、妄想などのBPSDで人間関係も悪化する <1:アルツハイマー病> ● 不要なたんぱく質がたまり、海馬周辺が委縮する ● 記憶障害に始まり、時間、場所などもわからなくなる ● ゆるやかに進むが、やがては日常生活が困難に <2:血管性認知症> ● 脳梗塞などで起こる。アルツハイマー病との合併も多い ● 歩行障害、失認、失語、言語障害が、早期から生じる <3:レビー小体型認知症> ● 「レビー小体」という異常構造物が原因で起こる ● パーキンソン病と同じような症状が出やすい <4:前頭側頭用変性症> ● 「タウたんぱく」などが脳の前方、側方にたまる ● 性格の変化がサイン。衝動的になりやすい <その他の認知症> ● 正常圧水頭症や薬剤性など、治せる認知症もある
【Part2】 認知症リスクを治療する
<糖尿病> ● 生活習慣病のうち、とくに危険なのが糖尿病 ● インスリン抵抗性が「糖尿病性認知症」を引き起こす ほか <肥満> ● 中年期に太っていると認知症リスクが1.88倍に ● 運動でやせたほうが、認知症予防効果が高い ほか <高血圧> ● 血管性認知症のリスクもアルツハイマー病のリスクも高まる ● 運動で血圧を下げると認知症になりにくい ほか <脂質異常症> ● 総コレステロール251以上で、リスクが1.9倍に ● 心血管病のリスクが高いなら、老年期も治療を <感覚機能障害> ● 「歳のせい」と放置せず、集音器や補聴器を使う ● 嗅覚の低下も、認知機能と関係している <うつと孤立> ● 「MCI+うつ」で認知症リスクが倍増する ● 老年期こそ、友人関係が大事。社会的孤立を防ぐ <睡眠障害> ● 睡眠時間5時間以下だと認知症になりやすい ● 薬を使う場合は、ベンゾジアゼピン系以外に <脳梗塞> ● 再発で認知機能が悪化。抗血栓薬は必ず続けて ● 抗血小板薬は、アルツハイマー病予防にも有効
【Part3】 認知症リスクを予防する
<食生活> ● 地中海食をとり入れて、和洋折衷メニューに ● 肉も魚も1日1回。赤身肉で「かむ力」を高める ● 炭水化物はほどほどに。食事の中心にしない ほか <運動> ● よく歩き、よく動く人は認知症になりにくい ● ジョギングなどの有酸素運動を習慣に ほか <認知機能トレーニング> ● 動きながら頭を使う「コグニサイズ」が有効 ● 「記憶」「推論」「言語」のうち、困っている機能を鍛える ほか <禁煙> ● 1日1箱のタバコで認知症リスクが34%アップ ● 「いまから禁煙」でもOK。家族のリスクも減らせる <口腔ケア> ● 20本以上の歯をキープ。あわない義歯は調整する <薬> ● 持病の薬が認知症のリスクに!?高齢者は一度見直しを
【Part4】 早期に気づいて、進行を防ぐ
<早期発見のポイント> ● もの忘れと違い、できごと自体を覚えられない ● できていたことができなくなったら、認知症を疑って ● 見た目の老化も、認知機能低下のサイン <検査> ● 家庭では Mini-Cog、医療機関ではMMSEなどを実施 ● 画像検査を必ず受け、治せる認知症を見逃さない ● 高齢者に多いうつや、せん妄との鑑別も重要 <治療> [アルツハイマー病] 薬で進行を遅らせる。ただし副作用には注意 [血管性認知症] 抗血栓薬などで再発による悪化を防ぐ [レビー小体型認知症] ドネペジルのほか、抗パーキンソン病薬も有効 ほか <生活とケア> ● 発症したあとも、三次予防の視点で支える ● できることに焦点をあて、生活機能と習慣を保つ ● 認知症カフェなどで、人とのかかわりをもち続ける |