『となりのヤングケアラー ~SOSをキャッチするには? ~ 』の詳細情報
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タイトル |
となりのヤングケアラー |
サブタイトル |
SOSをキャッチするには? |
著者 [著者区分] | 村上 靖彦 [著・文・その他]
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出版社 |
筑摩書房 |
レーベル |
ちくまQブックス |
本体価格 (予定) |
1200円 |
シリーズ |
シリーズ・全集 |
ページ数 |
112p
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Cコード |
0336 |
発売予定日 |
2024-12-09 |
ジャンル |
一般/全書・双書/社会 |
ISBN |
9784480251572 |
判型 |
46変形 |
内容紹介 |
どんなときに「クラスメイトの中にヤングケアラーがいるかもしれない」と感じるだろうか。家事や介護だけでなく、精神疾患をもつ家族を助ける子どももいる。複雑な感情を抱え、孤立を深めているケースも多い。ヤングケアラーが近くにいたとき、何ができるか。〝居場所〟をキーワードに考えていく。
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私は社会的困窮地域で子ども支援を調査するなかでヤングケアラー問題と出会った。子ども時代にヤングケアラーを経験した人たちにインタビューをお願いして学んだことをもとに本書を執筆している。
本書では、「もしかしたら、クラスのあの子はヤングケアラーかもしれない、でも違うかな。」と感じて本書を手に取ったみなさんの視点から考えていく。そうすると現在一般的に思われている姿とは少し異なるヤングケアラーの姿が浮かび上がってくる。家事や介護といった労働に従事する子どもだけがヤングケアラーではない。とりわけ精神疾患をもつ家族をサポートする子どもの存在が気になってくる。
家族のことが心配なときには感情の負荷が大きい。心配や不安もあれば、家族が好きでサポートしたいという感情もある。あるいは状況から逃げられなくて苦しいという感情もあるだろう。怒りや憎しみもありうる。
そのなかでヤングケアラーを苦しめるのは何よりも孤立である。家に閉じこもり、家族のサポートに没頭するなかで、「家のことを外では言えない」と周囲に相談できずに抱え込む。
そしてヤングケアラーが最近になって注目されたことには、社会的な理由がある。ヤングケアラーになるのは、もちろん子どものせいではないし、病や障害をもつ親やきょうだいのせいでもない。しかも今から何十年も前、日本が貧しかった頃、子どもがきょうだいの世話や家事を担うことが当たり前だったときには注目されなかった。現代、注目されることは、何か社会の側の事情がある。
これらのことを、本書では考えていきたい。(第1章より)
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目次 |
第1章 ヤングケアラーってどんな存在?
第2章 家事や介護だけがケアなのだろうか?
第3章 愛憎相半ばする……
第4章 ヤングケアラーという言葉をどう受け止める?
第5章 なぜヤングケアラーが注目されるのか
第6章 ヤングケアラーに必要な支援
終 章 それぞれの「居場所」をみつける |
著者略歴(村上 靖彦) |
村上 靖彦(むらかみ・やすひこ):1970年、東京都生まれ。基礎精神病理学・精神分析学博士(パリ第7大学)。現在、大阪大学人間科学研究科教授・感染症総合教育研究拠点CiDER兼任教員。専門は現象学的な質的研究。著書に『客観性の落とし穴』(ちくまプリマー新書)、『ケアとは何か――看護・福祉で大事なこと』(中公新書)、『「ヤングケアラー」とは誰か――家族を“気づかう”子どもたちの孤立』(朝日選書)、『子どもたちがつくる町――大阪・西成の子育て支援』(世界思想社)、『すき間の哲学――世界から存在しないことにされた人たちを掬う』(ミネルヴァ書房)、『摘便とお花見――看護の語りの現象学』『在宅無限大――訪問看護師がみた生と死』(医学書院)ほか多数。 |