千客万来の、恐るべき「茶番劇」。
新訳ベケット戯曲全集(岡室美奈子・長島確監修)がついに完結しました。第1巻『ゴドーを待ちながら/エンドゲーム』が前代未聞の笑える「沈黙劇」、第2巻の『ハッピーデイズ』が空前絶後の美しすぎる「実験劇」、第3巻の『フィルム──映画・ラジオ・テレビ作品集』は幽玄夢幻の絵になる「放送劇」として既刊。そして、ここに掉尾を飾る第4巻『エレウテリア』は千客万来の恐るべき「茶番劇」。まさに日本オリジナルの完全版です。 エレウテリア(Eleutheria)とは、ギリシア語で「自由」を意味します。 自由でありたい若き芸術家、ヴィクトール・クラップのもとに、家族や婚約者のみならず、ガラス屋、中国の拷問人、観客やプロンプターまでもが詰めかけてくる──冬のパリの3日間を描く、ベケット戯曲の原点。不条理演劇の最高傑作とされる『ゴドーを待ちながら』よりも5年前の1947年に執筆されながらも、著者によって長らく封印されていた幻のデビュー戯曲です。ジェローム・ランドンによる序文つき。
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