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タイトル |
歩き娘 |
サブタイトル |
シリア・2013年 |
著者 [著者区分] | ■サマル・ヤズベク [著・文・その他] ■柳谷 あゆみ [翻訳]
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出版社 |
白水社 |
レーベル |
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本体価格 (予定) |
3000円 |
シリーズ |
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ページ数 |
240p
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Cコード |
0097 |
発売予定日 |
2024-06-10 |
ジャンル |
一般/単行本/外国文学小説 |
ISBN |
9784560093559 |
判型 |
46 |
内容紹介 |
解けない封鎖と拘束 止められない歩み 言葉
爆撃にさらされ、地下室に拘束されたまま、封鎖下の日々や自らの生い立ちを、一本きりの青いペンで見知らぬ「あなた」に宛てて書き綴る少女の物語。 母親と兄とともにダマスカス郊外で暮らすリーマーは、自らの意思とは関係なく足が勝手に歩き出してしまうという奇癖の持ち主。四歳の頃から手首に枷をつけられて育つが、ある日を境に話すこともできなくなってしまう。学校教育を受けられず、母親が掃除婦として働く学校の図書室長の厚意で読み書きを教わり、本に親しむようになる。 学校に行かなくなってからは外部との接触を断たれ、勝手に歩き回らないよう家に閉じ込められて過ごすが、近々シリアを出国するという図書室長の招きで、二年ぶりに外出する。 母親と娘が乗ったバスは、市内にいくつも設置された検問所で止められ、なかなか前に進まない。数時間が経過した頃、ある検問所で悲劇が起こる…… 2013年にシリアで実際に起きた出来事を下敷きに、手記の形をとった異色の長篇小説。数多の制約の中で生きることを強いられる内戦下の不条理な現実を寓話的かつ超現実的に描く、『無の国の門』の作家の新境地。
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目次 |
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著者略歴(サマル・ヤズベク) |
1970年、シリア・ラタキア県ジャブラ生まれ。99年、短篇集『秋の花束』を刊行、文筆生活に入る。アサド大統領と同じくイスラーム教アラウィー派の一族の出身でありながら、2011年以降、一貫して反アサド政権の立場をとり、逮捕・拘束を経て同年夏にシリアを脱出。小説家、シナリオライター、編集者、ジャーナリストとして活躍する一方、女性を支援するNPO団体を設立。2009年、39歳以下の優れたアラブ作家「ベイルート39」の一人に選ばれる。2011年に始まったシリア蜂起の最初の四か月の日記に基づく長篇小説『交戦』を2012年に刊行。英訳は同年の国際ペンクラブのピンター文学賞「勇気ある国際的作家」を受賞した。2015年に『無の国の門』(白水社)を刊行。20か国で翻訳され、仏訳は2016年度フランス最優秀外国文学賞(エッセイ部門)を受賞した。2017年に本書を刊行。12か国で刊行され、仏訳は2018年度フェミナ賞(外国小説部門)最終候補作、英訳は2021年度全米図書賞(翻訳部門)の最終候補作に選ばれた。最新作は2021年の『風の立つ場所』。パリ在住。 |
著者略歴(柳谷 あゆみ) |
慶應義塾大学文学研究科後期博士課程単位取得退学。早稲田大学、慶應義塾大学などで非常勤講師(アラビア語担当)。歌人として第一歌集『ダマスカスへ行く 前・後・途中』(2012年)で第五回日本短歌協会賞を受賞。アラビア語からの翻訳に戯曲『3in1』、ザカリーヤー・ターミル『酸っぱいブドウ/はりねずみ』、サマル・ヤズベク『無の国の門』(白水社)、アフマド・サアダーウィー『バグダードのフランケンシュタイン』(集英社)などがある。 |