『近代日本の中国学 ~その光と影 ~ 』の詳細情報

近代日本の中国学
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タイトル 近代日本の中国学
サブタイトル その光と影
著者 [著者区分]■朱琳 [著・文・その他]
■渡辺健哉 [著・文・その他]
出版社 勉誠社 レーベル アジア遊学
本体価格
(予定)
3500円 シリーズ
ページ数 384p Cコード 1320
発売予定日 2024-11-29 ジャンル 教養/全書・双書/歴史総記
ISBN 9784585325451 判型 A5
内容紹介
古来、日本にとって大いなる「他者」であり続けている中国。
近代化を目指した日本において、その中国との差異化は文明論の大きな課題であった。
伝統的な「漢学」を打破しつつも、西洋の「シノロジー」をそのまま受容せず、独自の「支那学」を作り上げた近代日本の知識人たち。
その学問は戦争や時局の流れに翻弄され、時には光となり人々の心を照らし、また、影となり批判や反省の対象となることもあった。
知の編成・連鎖・再生産といった視点から、近代日本の中国学の変遷過程をたどり、東アジアの近代知のあり方および文化交流の実態の一面に迫る画期的論集。
目次
序文 近代日本の中国学―その光と影 朱 琳

総論
「中国知」と「シナ通」 山室信一
近代日本の中国学の系譜 小野寺史郎

第Ⅰ部 「東洋史」と「支那学」の確立
那珂通世と桑原隲蔵―その中国史像を中心に 黄東蘭
白鳥庫吉と内藤湖南―同時代人としての共通点 吉澤誠一郎
服部宇之吉と狩野直喜―「支那学」の光と影 水野博太
矢野仁一―大亜細亜協会副会頭に就いた中国史家 久保 亨
『台湾日日新報』記者時代の鈴木虎雄 中野目徹

第Ⅱ部 中国研究に新風を吹き込む
青木正児―「支那学」から出発して漢学に帰着した孤高者 辜承堯
宮崎市定と軍隊 井上文則
吉川幸次郎と石川淳との交遊 池澤一郎
今はいくさの服もぬぎ―目加田誠とその「ブンガク」研究 稲森雅子

第Ⅲ部 日中書画交流
富岡鉄斎の晩年における藝術の伴走者たち―鉄斎と京大中国学の人々 戦暁梅
近代漢学者の墨戯―長尾雨山が描いた絵画をめぐって 呉 孟晋
河井荃廬―清代後期の碑学・金石趣味の伝導者 下田章平
瀧精一と「職業としての」美術史家の成立―東京帝室博物館、東京帝国大学の職位と、民間の専門職集団 塚本麿充

第Ⅳ部 アジア踏査
関野貞と常盤大定―二人の中国調査とその成果 渡辺健哉
鳥居龍蔵の業績が語るもの―西南中国関連著述の再検討と中国近代学術史研究への応用 吉開将人
大谷光瑞の光と影 柴田幹夫
日中仏教交流と日本の中国侵略―水野梅暁に潜む「光と影」 広中一成

第Ⅴ部 ジャーナリストの目に映った中国
在野の中国演劇研究―辻武雄・村田孜郎・波多野乾一 森平崇文
橘樸と中国―「大正知識人」の光と影 谷雪妮
太田宇之助と尾崎秀実―一九三〇年代における東京朝日新聞社中国専門記者の中国認識 島田大輔
橋川時雄―北京三十年 朱 琳
著者略歴(朱琳)
朱琳(しゅ・りん)
東北大学大学院国際文化研究科准教授。専門はアジア政治思想史、東アジア文化交流史。
主な論文に「中国史像と政治構想―内藤湖南の場合(一)〜(五・完)」(『國家學會雑誌』第123巻第9・10号〜第124巻第5・6号、2010〜2011年)、「内藤湖南的中国史像―日本文脈中的時代劃分論」(汪暉・王中忱編『区域:亜洲研究論叢』総第六輯、北京:社会科学文献出版社、2017年)などがある。
著者略歴(渡辺健哉)
渡辺健哉(わたなべ・けんや)
大阪公立大学文学研究科・教授。専門は元朝史、近代における日中交流史。
主な著書に『元大都形成史の研究―首都北京の原型』(東北大学出版会、2017年)、論文に「『満蒙叢書』から『遼海叢書』へ―内藤湖南と金毓黻との「対話」」(古畑徹〔編著〕『高句麗・渤海史の射程』汲古書院、2022年)、同「常盤大定の中国仏教理解―大正時代の活動を手掛かりに」(『歴史科学』253、2023年)などがある。
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