岑国には皇子のための後宮――煌華宮があり、通称”華園”と呼ばれている。4年前、春璃のたった一人の家族である姐の朱夏は、国から宮女に選ばれ、妹のためにと後宮入りを決めた。だが一年後、春璃は姐の訃報を受け取る。その死を信じられぬまま17歳になった春璃の元へ、自分もまた宮女に選ばれたという書簡が届く。姐が生きていると信じて華園へ向かう春璃だが、そこは身分によって衣が色分けされた宮女たちの世界で、嫉妬や権力争いが渦巻く”檻”だった……。春璃は華園の最高位、黒女・玉瑛が姐の真相を知っているのではと疑いを抱き……?
装画:syo5
■著者プロフィール 菊川あすか(きくかわ・あすか) 東京都在住。2017年、『君が涙を忘れる日まで。』(スターツ出版)でデビュー。他に『この声が、君に届くなら』(集英社)、「大奥の御幽筆」シリーズ(マイクロマガジン社)などがある。
|