妹の忘れ形見を守るために、 冷たい富豪に仕えるしかなくて……。
ケリーンの18歳になる妹が亡くなった── 生まれたばかりの我が子の父親の名を言い残して。 富も名声も手に入れた著名人、トリスタン・ロスが父親だなんて! つい最近まで、妹はトリスタンの秘書として働いていた。 妹の訃報を知っているはずなのに、連絡ひとつよこさない男。 ケリーンの胸に怒りがふつふつと沸きあがった。 矢も楯もたまらず、ケリーンはトリスタンの邸宅を訪ねるが、 驚いたことに、彼は即座に子どもの父親ではないと断言したうえで、 聞くに堪えない妹への侮辱の言葉を並べたてた。 ケリーンは衝撃に打ちのめされた。いったい何が真実なの?
トリスタンは赤ん坊を自分の子とは認めないながらも、ケリーンが住み込みの秘書になるなら、彼の家に赤ん坊を連れてきてもいいと言います。甥と一緒にいるにはほかに道はないと考えたケリーンは、妹のように弄ばれるのではと怖れながらもその提案を受け入れ……。
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