『スポーツ社会学事典』の詳細情報

スポーツ社会学事典
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タイトル スポーツ社会学事典
サブタイトル
著者 [著者区分]日本スポーツ社会学会 [編集]
出版社 丸善出版 レーベル
本体価格
(予定)
25000円 シリーズ
ページ数 724p Cコード 0575
発売予定日 2025-03-22 ジャンル 一般/事・辞典/体育・スポーツ
ISBN 9784621310397 判型 A5
内容紹介
楽しんだり勝敗を競うことが目的とされる身体運動の総称「スポーツ」。このスポーツを社会学的に考察してみると、社会に埋め込まれて存在している独特の技法や行為、身体と行動、社会や政治の複雑な絡み合いが浮かび上がってくる。本事典では、社会学・歴史学・教育学・心理学・文化研究・ジェンダー・政策研究・地域研究・メディア・福祉など、社会科学のあらゆる知見を総動員しながら、社会学的視点から興味深くスポーツの本質とその全体像を解説する。本分野では日本初の中項目事典。
目次
第1章 歴 史
[担当編集委員:坂上康博・浜田幸絵]

スポーツの起源
スポーツの語源
英国における近代スポーツの誕生
世界への伝播
米国への伝播と変容
伝統の発明
文明化の過程とスポーツ
オリンピックと日本
帝国主義と日本の武道
帝国日本のスポーツ
冷戦とスポーツ
人権とスポーツの歴史

第2章 文 化
[担当編集委員:西山哲郎]

物語としてのスポーツ
芸術としてのスポーツ
スポーツパーソンシップとフェアプレイ
スポーツにおける規範とルール
勝者の名誉と義務/敗者の高貴と自由
応援団とチアリーディング
軟式球技
段級制度
コミュニティ文化としてのスポーツ
スポーツ文化批判
オルタナティブスポーツ
スポーツと宗教
筋肉的キリスト教とアマチュアリズム
伝統スポーツ
スポーツの美学
武士道とスポーツ
文化実践としてのスポーツ

第3章 地域社会
[担当編集委員:水上博司]

地域アイデンティティとスポーツ
地域貢献とスポーツ
地域連携とスポーツ
地域教育力とスポーツ
地域人材とスポーツ
地域行政とスポーツ
地域包括ケアとスポーツ
コミュニティ・スポーツ論
コミュニティ・セクターとスポーツ
コミュニティ・ビジネスとスポーツ
ホストタウンとスポーツ
ご当地スポーツ
在日外国人とスポーツ

第4章 教 育
[担当編集委員:松田恵示・原 祐一]

制度としての学校と体育
社会的身体と教育
メリトクラシー/ハイパー・メリトクラシー:業績主義・能力主義/超業績主義・超能力主義
体育と保健の概念
体育の学習指導論
「楽しい体育論」
体育教師という職業
地域と家庭の体育・スポーツ
指導における体罰と暴力
スポーツと働き方改革
コロナ,ポストコロナの体育
スポーツの価値を守り創るグローバルムーブメントと教育
部活動の社会的性格

第5章 ジェンダー
[担当編集委員:高峰 修・水野英莉]

ジェンダーからみたスポーツの歴史
ジェンダーからみた生涯スポーツ
体育科教育とジェンダー
メディア表象にみるジェンダー
スポーツとセクシュアリティ
女性スポーツ政策
体力観とジェンダー
性別確認検査とDSDs
マスキュリニティ
セクシュアルハラスメントと性暴力
フィットネスとヨガ
トランスジェンダー
スポーツ集団とホモソーシャル
女性アスリートのキャリア
スポーツとインターセクショナリティ

第6章 メディア
[担当編集委員:橋本純一]

新聞・ラジオにおけるスポーツ情報の歴史
オリンピック報道の特徴と意味
箱根駅伝とメディア
文学と映画におけるスポーツ
実況中継とスポーツドキュメンタリー
メディアスポーツと「人種」
メディアスポーツとカルチュラル・スタディーズ
メガスポーツイベントとメディア
メディアスポーツと物語(ナラティヴ)
スポーツとジャーナリズム
スポーツマンガにおけるアニメ化・実写化・ジェンダー
メディアスポーツヒーローの誕生と変容
SNSとスポーツ

第7章 政 策
[担当編集委員:金子史弥・日比野暢子]

スポーツ振興法制下のスポーツ政策の展開
スポーツ振興基本計画と総合型地域スポーツクラブの展開
スポーツ基本法の制定
日本におけるスポーツ推進体制
日本体育協会とJOC
日本における競技力向上政策の変遷
日本における地域スポーツ政策の変遷
地域スポーツを支える制度
スポーツと地方創生
学校部活動をめぐる政策
日本におけるスポーツの政治的空間の形成
諸外国のスポーツ政策の動向

第8章 福 祉
[担当編集委員:藤田紀昭・奥田睦子]

障害者スポーツに関する用語の変遷
障害者スポーツの振興とパラスポーツ
近代スポーツとアダプテッド・スポーツ
障害の捉え方
もう一つのオリンピックとしてのパラリンピック
競争を相対化させたスペシャルオリンピックス
もう一つの世界をもつスポーツ
異なる身体を平等化させるシステムとしてのクラス分け
パラスポーツとスポーツボランティア
学校におけるインクルーシブ教育とアダプテッド・スポーツ
地域におけるスポーツ振興とパラスポーツ
メディアの中のパラスポーツ
パラスポーツの身体感覚

第9章 グローバリゼーション
[担当編集委員:岡田千あき]

スポーツと開発
白人至上主義とスポーツ
移民とスポーツ
Sport for Tomorrow
ローカルアイデンティティとスポーツ
スポータイゼーションとコロニアリズム
ダイバーシティ(多様性)とソーシャルインクルージョン(社会的包摂)
グローバリゼーション
文化帝国主義とスポーツ
ローカル/グローカルなスポーツ
SDGs/MDGsとスポーツ
スポーツと平和
社会空間と身体:ピエール・ブルデューのスポーツ社会学

第10章 経 済
[担当編集委員:髙橋義雄]

スポーツ産業とはどのような産業なのか
スポーツサテライト勘定とスポーツGDP
スポーツイベントと経済波及効果
サービス経済化とスポーツ
アスリートキャリアと職業キャリア
企業スポーツという経済活動,アスリートの労働への着目
企業倫理・CSRとスポーツ:企業・実業団スポーツと企業におけるスポーツの役割
グローバル化とスポーツにおける外国人労働者,スポーツビジネス
世界のスポーツマネジメント教育の現状と教育機関
スポーツマーケティング①:marketing through sports
スポーツマーケティング②:marketing of sports
スポーツ産業と政策
プロスポーツクラブと経営
スポーツと消費文化・スポーツツーリスト・ホスピタリティ
スポーツくじ・スポーツベッティング

第11章 政 治
[担当編集委員:市井吉興・山下高行]

「想像の共同体」とスポーツ
ファシズムとスポーツ
労働者スポーツ運動
レイシズムとスポーツ:公民権運動からブラック・ライブズ・マターまで
「第三世界」とスポーツ
政治的にボイコットされるスポーツ
国際機関が形成するスポーツの政治的空間
オリンピックと祝賀資本主義
スポーツと社会運動
アジアのナショナリズムとスポーツ
スポーツと資本主義リアリズム:新自由主義から権威主義的新自由主義国家へ

第12章 健 康
[担当編集委員:海老原 修・中澤篤史]

生権力と統治性
優生学
健康日本21と身体活動・運動の促進施策
健康な身体
体 力
健康増進法
養生論から健康教育へ
ヘルスツーリズムとは何か
健康資本投資と健康寿命
スポーツリスク論
レクリエーションとスポーツ
健康不安社会
ラジオ体操:健康への介入

第13章 環 境
[担当編集委員:前田和司]

スポーツと環境インパクト
生活論から見えるスポーツ開発
エコスポーツと生活の交差点
エコスポーツによる地域づくり
サーフィンがもたらす観光と移住
食の公共性とオリンピック
環境を均質化する公園
身体知と自然知
農山村住民におけるアウトドアの意味
「暮らしなおし」の野外教育

第14章 テクノロジー
[担当編集委員:柏原全孝]

パラスポーツとテクノロジー
ビッグデータとスポーツ
テクノロジーと伝統
スポーツと統計のテクノロジー
センサ技術によってもたらされるエビデンスベースド・スポーツの未来
eスポーツ
走る身体とテクノロジーの協働
スポーツの美的体験とテクノロジー
ドーピングをめぐるテクノロジー
機械の競技者
遺伝子ドーピングが創造する身体と人間のいのち
筋肉としての身体
判定テクノロジーが変容するスポーツ

第15章 身 体
[担当編集委員:中江桂子]

リズムと身体
身体の志向性と自律性
身体を動かすとなぜ楽しいか
すべての知は身体から始まる
興奮の追求と暴力の抑制
レクリエーションと政治
わざの習得
エイジング
身体管理の高度化:その陥穽と突破
集合的身体と個性的身体
アスリートと衣服
パラアスリートの身体とイメージ

第16章 遊 び
[担当編集委員:西村秀樹]

パースペクティブとしての「遊び」
古代の遊びとカオス・コスモス・ノモス
レジャー・スポーツと消費文化
レジャーと現代社会
身体と遊びの曖昧さ
ギャンブルとスポーツの関係
湯浴文化のかくされた世界
権田保之助の余暇研究
自然への挑戦

第17章 集団・組織
[担当編集委員:高橋豪仁]

スポーツ集団と組織
スポーツ組織と法人格
角界の組織
体育会系集団
学校と応援組織
ライフスタイルスポーツ集団
アスリート集団
学校運動部集団
日本高等学校野球連盟
大学運動部とエリート
IFのグローバル化戦略
スポーツファンと応援団
中学校体育連盟

第18章 イベント・メガイベント
[担当編集委員:石坂友司]

スポーツ・メガイベントの隆盛
二度目の東京オリンピック(2020-2021年)とその遺産
オリンピズムとユースオリンピック
メディア・イベントとしてのWBC
国民体育大会から国民スポーツ大会へ
FIFAワールドカップと日韓大会
1964年東京オリンピック
日本の冬季オリンピック
ラグビーワールドカップと日本
ワールドマスターズゲームズの社会的意味
「よさこい」と「YOSAKOI」
都市型市民マラソンの誕生
教育と地域との接点としての運動会

第19章 生涯スポーツ
[担当編集委員:北村尚浩]

スポーツ・イン・ライフ
ライフステージとスポーツ
まちづくりとスポーツ
スポーツ・フォー・オールと推進組織
QOL(生活の質)・Well-being(ウェルビーイング)とスポーツ・身体活動
ソーシャルキャピタルとしてのスポーツ
スポーツを通じた共生社会の実現
スポーツと健康のダイナミズム
生涯学習社会におけるスポーツ
ニュースポーツとゆるスポーツ
ジュニア・ユース期のスポーツ環境
スポーツボランティア

第20章 社会心理
[担当編集委員:山口理恵子]

スポーツにおけるリーダーシップ
チームの凝集性
観客・ファンの影響力
スポーツ継続と重要な他者
アスリートの社会的影響力
アスリートのキャリアトランジション
スポーツと道徳
競技パフォーマンスに対するステレオタイプの影響
コーチと選手の関係
アスリートからみたSNSへの対応
メンタルヘルスのためのスポーツ
ライフスキルとスポーツコーチング

第21章 社会問題・社会的逸脱
[担当編集委員:松尾哲矢]

スポーツ競技者のドーピング
スポーツ競技者のバーンアウト
フーリガン問題
スポーツにおけるBAHD問題と感情調整方策
スポーツ団体・組織をめぐる不正問題とその構造
スポーツにおける八百長問題
スポーツと経済格差
スポーツ競技者の移籍をめぐる問題:スポーツ労働移民
エリート競技者の現役引退および競技スポーツからのドロップアウト
スポーツをめぐる労使問題

第22章 スポーツインテグリティ
[担当編集委員:清水 諭]

スポーツにおける倫理
ハラスメント(暴力を含む)
ドーピング
違法賭博・八百長行為
スポーツにおけるガバナンス
スポーツ・コンプライアンス
スポーツにおける紛争
スポーツ仲裁裁判所・日本スポーツ仲裁機構

第23章 総 論(スポーツ社会学の歴史)
[担当編集委員:菊 幸一]

体育社会学からスポーツ社会学へ:スポーツ社会学の成立
機能主義
マルクス主義
文化史/文化社会学
歴史社会学
近代化論
カルチュラル・スタディーズ
エスノメソドロジー
エスノグラフィー
フィギュレーション社会学
現象学的アプローチ
批判理論
相互作用論
中範囲の理論
フェミニズム
量的調査法
質的調査法
言説分析
生成論的アプローチ
フロー理論
身体論/肉体論的アプローチ
スポーツ空間論
スポーツと公共性論
社会問題としてのスポーツ/社会構築主義


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