『廻り道の進化 ~生命の問題解決にみる創造性のルール ~ 』の詳細情報
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タイトル |
廻り道の進化 |
サブタイトル |
生命の問題解決にみる創造性のルール |
著者 [著者区分] | ■アンドレアス・ワグナー [著・文・その他] ■和田 洋 [翻訳]
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出版社 |
丸善出版 |
レーベル |
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本体価格 (予定) |
3500円 |
シリーズ |
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ページ数 |
296p
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Cコード |
3045 |
発売予定日 |
2024-12-03 |
ジャンル |
専門/単行本/生物学 |
ISBN |
9784621310403 |
判型 |
46 |
内容紹介 |
進化が教える「よく遊び、よく学べ」
ダーウィンは生命の問題解決戦略として「自然選択」を説いた。蝶の模様もアンモナイトの形も、自然選択の賜物だ。ただし生命の戦略はそれだけではない。なぜなら、自然選択は常により適応的な方向への原動力であるが、さらなる最適解を目指す探索過程では、時に適応的でないプロセスを経由する必要があるからだ。本書では適応度地形モデルを用いて、遺伝的浮動、性、組換えに焦点を当て、この進化理論の難題に切り込む。 さらに同様の探索過程は、ダイヤモンドができる過程、巡回セールスマン問題、ピカソが《ゲルニカ》を描いた過程にも見られる。困難な問題を解決し創造する過程には、分子、アルゴリズム、生命、ヒトの心、社会にまで通ずる深遠な共通性があるのだ。 自然界の戦略は、創造性、イノベーションについて何を教えてくれるのか? 数理進化研究の第一人者が世界の創造性のルールを解き明かす。
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目次 |
■プロローグ ■第1章 進化の地形図 生物の進化は、適応度地形として表すことができる。地形図の中で、ピークを目指して登るように適応していく。 その坂を登るための原動力が自然選択である。 ■第2章 分子生物学革命 DNAの発見で、適応度地形に関する理解が大幅に進んだ。その一方で、自然選択の力だけで、適応地形図の上を 移動すると、低いピークで止まってしまい、より高いピーク(最適解)にたどり着けないという問題が見つかった。 ■第3章 地獄を経験することの重要性 適応度地形で坂を登る方向にしか働かない自然選択に対し、遺伝的浮動は、どの方向にも導く。 生物は遺伝的浮動の力を借りて、低いピークから逃れて、最適解となる高いピークを目指すことができる。 ■第4章 遺伝的適応度地形での瞬間移動 遺伝的な浮動と合わせて、「性」による遺伝子の組合せの変化は、適応度地形における瞬間移動を可能にする。 より高いピークの探索、つまり創造性の原動力となる。 ■第5章 ダイヤモンドと雪の結晶 ダイヤモンドや雪の結晶の形成にも、適応度地形のピークを目指す生物の進化と同じ原理が働いている。 ここでは、熱が遺伝的浮動と同じ作用をし、より安定な結晶構造に至る過程を後押しする。 ■第6章 創造マシン 世界の666の観光地を最短経路で旅するには、どの順で訪れるとよいだろう? このような最短経路探索にも、 適応度地形の中での最高点ピークを見つけるのと同じ問題にぶつかる。鍵は、いかに低いピークから逃れて、 より高いピークを目指すか。 ■第7章 心の中のダーウィン ピカソの《ゲルニカ》のような芸術作品も、多くの失敗、試行錯誤の中から生み出される。適応度地形の 坂を下るような失敗を重ねなければ、高みには到達できない。 ■第8章 彷徨う者すべてが迷うわけではない 創造的な心では、「遊び」や「夢」によってアイデアが揺さぶられ、「心の旅」「メタファー」で アイデアが瞬間移動する。 ■第9章 子どもから文明まで 競争にさらし続ける教育現場、失敗の許されない環境では、低いピークから逃れられない。個性を生かし、 失敗を許して低いピークから一度下ることができ、多様な考えを蓄え、様々な考えが交歓する社会こそ、 高いピークに到達できる創造的な社会である。 ■エピローグ メタファーを超えて |