『いきている山』の詳細情報

いきている山
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タイトル いきている山
サブタイトル
著者 [著者区分]■ナン・シェパード [著・文・その他]
■佐藤泰人 [翻訳]
■芦部美和子 [翻訳]
出版社 みすず書房 レーベル
本体価格
(予定)
3200円 シリーズ
ページ数 244p Cコード 0098
発売予定日 2022-10-19 ジャンル 一般/単行本/外国文学、その他
ISBN 9784622095293 判型 46
内容紹介
〈プラトー(高原)の夏は、美味なる蜂蜜にもなれば、唸りを上げる鞭ともなる。この場所を愛する人々にとっては、そのどちらもが良い。なぜなら、どちらもプラトーの本質をなすものだから。山の本質を知ること。それこそが、ここで私が試みようとしていることにほかならない。すなわち、生命の営みという知をもって理解しようとすること。〉
(「一、プラトー」)

スコットランド北東部のケアンゴーム山群。深成岩塊が突き上げられ、氷と水の力により削られてできた約4000フィート(1219m)の山々。プラトーが広がり、湖や池が点在し、泉が湧く。この地にほど近いアバディーンに生を享けた作家ナン・シェパード(1893-1981)は、生涯、この山に通い、この山を愛した。
ナンの登山は、高さや速さを競うものではない。山の「内側」や「奥地」を求めて山に入る。山に会いに行き、山と共に過ごす。ナンは犬のように山々を歩き回る。五感を解放し、いきている山の営み――光、影、水、風、土、岩、木、草花、虫、鳥、獣、雨、雪、人――に出会い直す。
引き出しにしまわれていたこの作品は、時を経て、運命的に、山を愛する人々により見出された。そして今日、詩性溢れる文章で自然と肉体の交感を語るこの書は、あらゆる表現活動に関わる人々に影響を与えている。ネイチャーライティングの名作。

どれだけ『いきている山』を読んでも、それは私にとって驚きであり続けている。この本に慣れる、などということはないのだ。
――ロバート・マクファーレン「我歩く、ゆえに我あり――2011年版序文」より

シェパードは山の中で「fey[フェイ]」に気づいた、
取り憑かれた、と。
――志賀理江子(写真家)
目次

一、プラトー
二、奥地
三、山群
四、水
五、氷と雪
六、空気と光
七、いのち――植物
八、いのち――鳥、獣、虫
九、いのち――人間
十、眠り
十一、感覚
十二、存在

我歩く、ゆえに我あり――2011年版序文  ロバート・マクファーレン
訳者解説(佐藤泰人)
訳者あとがき(芦部美和子)
謝辞
著者略歴(ナン・シェパード)
(Nan Shepherd)
1893-1981。スコットランド北東部の村、ピーターカルターの中流階級の家に生まれる。1915年にアバディーン大学を卒業後、アバディーン地区養成センター(教員養成学校。現アバディーン大学教育学科)の講師となり、1956年に63歳で退職するまで同校で英文学を教え続けた。退職後は雑誌『アバディーン大学評論』の編集に精力的に取り組んだ(1957-1963)。1928年The Quarry Wood、1930年The Weatherhouse、1933年A Pass in the Grampiansと立て続けに小説作品を出版。1934年には詩集In the Cairngormsを発表。1964年アバディーン大学より名誉博士号を授与される。1944-45 年ごろに執筆された『いきている山(The Living Mountain)』がようやく出版されたのは1977年のことだった。1981年、アバディーンの病院で死去。享年88。
著者略歴(佐藤泰人)
(さとう・やすひと/Yasuhito Sato)
東洋大学文学部英米文学科准教授。Queen’s University of Belfast英文科博士課程修了(PhD)。専門および研究対象は英文学、とくに20 世紀アイルランドおよびイギリス詩、山岳文学。共著書に、『アイルランドの経験――植民・ナショナリズム・国際統合』(法政大学出版局、2009年)など。共訳書に、『マルドゥーン詩選集 1968-1983』(共訳、国文社、1996年)。論文に、‘Poetry and Mountaineering in Leslie Stephen’s The Playground of Europe’(2020年)など。
著者略歴(芦部美和子)
(あしべ・みわこ/Miwako Ashibe)
現在、一橋大学大学院 言語社会研究科博士後期課程、東京都立大学非常勤講師。専門は英文学、現在の主な研究対象は山岳文学および女性作家による登山文学。主な論考に、‘Post-War Recovery and Women Mountaineers: Nameless Women in C . E. Montague’s “Action”’(2019 年)、「オルタナティブな登山観──エリザベス・コックスヘッド『ワン・グリーン・ボトル』における登山表象」(2020年)など。
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