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タイトル |
人生と運命 2【新装版】 |
サブタイトル |
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著者 [著者区分] | ■ワシーリー・グロスマン [著・文・その他] ■齋藤紘一 [翻訳]
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出版社 |
みすず書房 |
レーベル |
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本体価格 (予定) |
4700円 |
シリーズ |
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ページ数 |
480p
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Cコード |
0097 |
発売予定日 |
2022-08-16 |
ジャンル |
一般/単行本/外国文学小説 |
ISBN |
9784622095392 |
判型 |
46 |
内容紹介 |
「人生は幸福よりも大きい。なぜなら人生は悲しみでもあるのだから」 (ユダヤ人絶滅収容所に到着した人々 第二巻46章)
ウクライナの町から狩り出され、移送列車でユダヤ人絶滅収容所に到着した人々をガス室が待っている。 生存者グループに選別されて列から離れる夫に結婚指輪とパンを手渡す妻。移送列車で出会った少年の母親がわりをするうちに、生き残る可能性を捨てて少年とガス室に向かった女性外科医──。 赤軍記者として解放直後のトレブリンカ収容所を取材したグロスマンは、ナチ占領下のホロコーストの実態を最も知るソヴィエトの人間だった。 国家と民族の栄光、一方は革命、他方は第三帝国の名のもとに、スターリニズムとナチズムが鏡像関係にあることを、グロスマンは見抜いていた。イデオロギーの力が死や拷問や収容所と結びつくとき、人々はモラルを失った。ナチの絶滅収容所特別指揮官は、私が望んだのではない、運命が手をとって導いたのだと語った。 普遍的な善の観念はイデオロギーとなって、大きな苦難をもたらす。恐怖と狂気の時代に、善意は無力だった。しかし、ささやかで個人的な、証人のいない善意は、無力だから力をもつ。それは盲目的な無言の愛であり、人間であることの意味である。 20世紀の証言が、時空を超えて届く。グロスマンの生涯をかけた哲学的思考が文学に結晶した圧巻の第二部。
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目次 |
地図 人物紹介 凡例 人生と運命 第二部 |
著者略歴(ワシーリー・グロスマン) |
(Василий Гроссман) 1905-1964。ウクライナ・ベルディーチェフのユダヤ人家庭に生まれる。モスクワ大学で化学を専攻。炭鉱で化学技師として働いたのち、小説を発表。独ソ戦中は従軍記者として前線から兵士に肉薄した記事を書いて全土に名を馳せる。43年、生まれ故郷の町で起きた独軍占領下のユダヤ人大虐殺により母を失う。44年、トレブリンカ絶滅収容所を取材、ホロコーストの実態を世界で最初に報道する。次第にナチとソ連の全体主義体制が本質において大差ないとの認識に達し、50年代後半から大作『人生と運命』を執筆、60年に完成。「雪どけ」期に刊行をめざすが、KGBの家宅捜索を受けて原稿は没収、「今後2-300年、発表は不可」と宣告される。「外国でもよいから出版してほしい」と遺言し、死去。80年、友人が秘匿していた原稿の写しがマイクロフィルムに収められて国外に持ち出され、スイスで出版された(仏訳83年、英訳86年、ソ連国内では88年)。 |
著者略歴(齋藤紘一) |
(さいとう・こういち) 1943年群馬県生まれ。東京大学理学部化学科卒。在学中に米川哲夫氏にロシア語を学ぶ。通産省入省後、課長・審議官を務める。93年退官後、ISO(国際標準化機構)日本代表委員、独立行政法人理事長をへて現在、翻訳家。99年、通訳案内業免許(ロシア語)取得。訳書にソログープ『小悪魔』(文芸社)、ソコロフ『スターリンと芸術家たち』(鳥影社)、グロスマン『人生と運命』(本書、全3巻)『万物は流転する』『システィーナの聖母――ワシーリー・グロスマン後期作品集』(以上みすず書房)など。 |