『ヒトラーを支持したドイツ国民 新装版』の詳細情報

ヒトラーを支持したドイツ国民 新装版
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タイトル ヒトラーを支持したドイツ国民 新装版
サブタイトル
著者 [著者区分]■ロバート・ジェラテリー [原著]
■根岸隆夫 [翻訳]
出版社 みすず書房 レーベル
本体価格
(予定)
7200円 シリーズ
ページ数 448p Cコード 0022
発売予定日 2024-05-20 ジャンル 一般/単行本/外国歴史
ISBN 9784622097150 判型 A5
内容紹介
ドイツの一般大衆は当時、ナチ恐怖支配についてどこまで知っていたのか。実際には、戦争の進展とともに強制収容所は次々と増設されて身近な存在になり、被収容者が公開処刑にされる様子まで日常的に見ていた。政府が「非社会的分子」や外国人労働者を排除することを、国民の多くは誇りとし、積極的に協力した。一方で、ヒトラーは「敵」には容赦ない強制手段をとりながら、国民を味方につけることには細心の注意を払った。情報操作を徹底し、事実を隠すよりは公開したのである。「強制」と「同意」は一貫して縺れ合っていた。
著者はこの分野の卓越した研究者である。廃棄を免れたゲシュタポ調書等と、当時の新聞雑誌をていねいに読み、1933年のヒトラー権力掌握から1945年の敗戦までの「同意と強制」の真相をさまざまな方向から明らかにする。同時に、反ユダヤ主義は最初から国民に浸透していたのではなく、戦争突入が契機となったことを実証した。
関連書のなかでは長く残る一冊として、本書は評価が高い。各国語に翻訳されただけではなく、ドイツ政府は本書のドイツ語訳の廉価版を作製・配布している。
目次
序章

1 ワイマールとの訣別
危機のしるしとヒトラーへの支持/「ドイツ法」の適用/政治警察/ユダヤ人を法的保護から除外/「ドイツは共産主義者よりはヒトラーを取る」

2 警察司法
「まずぶん殴れ!」/新しい刑法/民族主義的警察/「ドイツ警察の日」/クリポ/裁判所

3 強制収容所と新聞報道
収容所のいくつかの現実/収容所の閉鎖近し?/収容所とゲシュタポの解体よりは、その拡大に向けて/フロッセンビュルク収容所

4 戦争の影
内なる敵/収容所内の処刑とジェノサイドの前兆/処刑はつづいてニュースとなる/ヒトラー、「最高審判者」となる/死刑/犯罪統計

5 社会的アウトサイダー
累犯者/「非社会的分子」/「生きるに値しない生命」/シンティとロマ/性的アウトサイダー/青少年犯罪者

6 不法とユダヤ人
ニュールンベルク法/加速する差別/ポグロムと戦争/ユダヤ人迫害に加わる市民/密告者と密告の動機/ユダヤ人社会の終わり/ドイツ人と「ユダヤ人問題の最終解決」

7 外国人労働者にたいする特別「司法」
ポーランド人にたいするナチの計画と政策/ウンターフランケン地方のポーランド人 /ライン=ルール地方のアパルトヘイト制度/プファルツ地方のポーランド人とドイツ全国に通じる雛形/「人民司法」と「警察司法」/公衆の反応

8 内部の敵
庶民と私生活/ゲシュタポのやり方と「ドイツの庶民」/微視的政治/「下からの」制度操作と利用

9 強制収容所と一般市民の日常生活
その他の収容所/民間企業/戦争末期の収容所/庭先の囚人たち

10 第三帝国末期の独裁制と国民
ヒトラーの血なまぐさい幻覚/末期の国民と警察/即決軍法会議/抵抗の兆し/ナチズムの「敵」を排除する最後の努力/ネロにならうヒトラー/死の行進/国民の合意は持ちこたえる

結論

出典・参照文献
略語一覧
著者略歴(ロバート・ジェラテリー)
(Robert Gellately)
東カナダのセント・ジョンズ生まれ。ニューファウンドランド州メモリアル大学でドイツ史とロシア史専攻、ロンドン大学経済政治学院(LSE)で博士号を受ける。コーネル大学、西オンタリオ大学を経て、マサチューセッツ州クラーク大学でホロコースト特別講座を担当(1998-2003)、現在はフロリダ州立大学教授・オクスフォード大学客員教授。専門はジェノサイド比較論、欧州人種主義思想、欧州独裁制比較論、ホロコースト、冷戦。邦訳著書は『ニュルンベルク・インタビュー』上下、河出書房新社、2005)、Lenin, Stalin and Hitler: The Age of Social Catastrophe (2007)。
*ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
著者略歴(根岸隆夫)
(ねぎし・たかお)
翻訳家。第一次大戦と第二次大戦の間(1930年代)、特に独露両国の政治社会状況に関心を持つ。訳書 クリヴィツキー『スターリン時代:元ソヴィエト諜報機関長の記録』(みすず書房、1987)、ポレツキー『絶滅された世代:あるソヴィエト・スパイの生と死』(みすず書房、1989)、トロツキー『テロリズムと共産主義』(現代思潮社、1970)、リード/フィッシャー『ヒトラーとスターリン:死の抱擁の瞬間』(上下、みすず書房、2001)、ザスラフスキー『カチンの森』(みすず書房、2010)、ビーヴァー『スペイン内戦:1936-1939』(上下、みすず書房、2011)。
*ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
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