『バレンボイム/サイード 音楽と社会 新装版』の詳細情報
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タイトル |
バレンボイム/サイード 音楽と社会 新装版 |
サブタイトル |
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著者 [著者区分] | ■ダニエル・バレンボイム [原著] ■エドワード・W・サイード [原著] ■アラ・グゼリミアン [編集] ■中野真紀子 [翻訳]
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出版社 |
みすず書房 |
レーベル |
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本体価格 (予定) |
4400円 |
シリーズ |
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ページ数 |
280p
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Cコード |
1036 |
発売予定日 |
2024-05-20 |
ジャンル |
教養/単行本/社会 |
ISBN |
9784622097167 |
判型 |
46 |
内容紹介 |
わたしたちはあらゆる種類の関心事を共有する親しい友人として、二人いっしょに、自分たちの人生の相似したところ(パラレル)と相反したところ(パラドックス)を探求していたのである――E・W・サイード
かたやエルサレム生まれカイロ育ち、ニューヨークに住むパレスチナ人エドワード・サイード。かたやユダヤ人としてブエノスアイレスに生まれ、イスラエル国籍、ロンドン、パリ、シカゴ、そしてベルリンを中心に活躍する指揮者・ピアニスト、ダニエル・バレンボイム。つねに境界をまたいで移動しつづけている二人が、音楽と文学と社会を語り尽くした6章だ。
パレスチナとイスラエルの若き音楽家をともに招き、ともに学んだワイマール・ワークショップの話から、グローバリズムと土地、アイデンティティの問題、オスロ合意、フルトヴェングラー、ベートーヴェン、ワーグナーなど、白熱のセッションが続く。
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目次 |
はじめに 序
1 自分にとっての本拠地《ホーム》とは/ワイマール・ワークショップで西と東が出会う/解釈者は「他者」の自我を追求する/アイデンティティの衝突はグローバリズムと分断への対抗/フルトヴェングラーとの出会い/リハーサルの目的
2 パフォーマンスの一回性/サウンドの一過性/楽譜やテクストは作品そのものではない/サウンドの現象学/誰のために演奏するのか/音楽は社会の発展を反映する/芸術と検閲、現状への挑戦という役割/調性の心理学/過去の作品を解釈すること/現代の作品を取り上げること/ディテールへのこだわり、作品への密着/一定の内容には一定の時間が必要/中東和平プロセスが破綻した理由
3 大学やオーケストラはどのように社会とかかわれるのか/教師の役割とは/指揮者の権力性、創造行為の権力性/他者の仕事に刺激や発見がある/模倣はどこまで有益か
4 ワーグナーがその後の音楽に与えた決定的な影響/アコースティクスについての深い理解、テンポの柔軟性、サウンドの色と重量/オープン・ピットとバイロイト/イデオロギーとしてのバイロイト/バイロイトの保守性は芸術家ワーグナーへの裏切り/ワーグナーの反ユダヤ主義/国民社会主義によるワーグナーの利用/『マイスタージンガー』とドイツ芸術の問題/ワーグナーの音楽はその政治利用と切り離せるか
5 いまオーセンティシティが意味するもの/テクストの解釈、音楽の解釈/歴史的なオーセンティシティは過去との関連で現在を正当化する/二十世紀における音楽と社会の隔絶/モダニズムと近づきにくさ
6 有機的な一つのまとまりとしてのベートーヴェン/社会領域から純粋に美的な領域へ——後期べートーヴェン/音楽家の倫理とプロフェッショナリズム、ベルリン国立歌劇場管弦楽団/冷戦後の世界には「他者」との健全なやりとりがない/音楽のメタ・ラショナルな性格/ソナタ形式の完成と一つの時代の終わり
あとがき 訳者あとがき |
著者略歴(ダニエル・バレンボイム) |
(Daniel Barenboim) 1942年ロシア系ユダヤ人の移民の子としてブエノスアイレスに生まれる。1952年にイスラエルに移住。1957年にピアニストとしてデビュー、1962年から指揮者としての活動をはじめ、1975年にパリ管弦楽団の音楽監督に就任(89年まで)、1981年以降はバイロイト音楽祭の指揮者としてほぼ毎年参加、1991年にシカゴ交響楽団の音楽監督、92年にはベルリン国立歌劇場音楽総監督に就任。世界を代表するピアニスト・指揮者である。著書に『ダニエル・バレンボイム自伝——音楽に生きる』(増補改訂版、音楽之友社、2003)がある。 *ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。 |
著者略歴(エドワード・W・サイード) |
(Edward W. Said) 1935年イギリス委任統治下のエルサレムに生まれる。カイロのヴィクトリア・カレッジ等で教育を受けたあと合衆国に渡り、プリンストン大学卒業、ハーヴァード大学で学位を取得。コロンビア大学英文学・比較文学教授。2003年9月歿。邦訳されている著書に『オリエンタリズム』(平凡社、1986、ライブラリー版1993)『イスラム報道』(みすず書房、1986、増補版2003)『始まりの現象』(法政大学出版局、1992)『知識人とは何か』(平凡社、1995)『世界・テキスト・批評家』(法政大学出版局、1995)『パレスチナとは何か』(岩波書店、1995)『音楽のエラボレーション』(みすず書房、1995)『ペンと剣』(クレイン、1998)『文化と帝国主義』(全2巻、みすず書房、1998、2001)『遠い場所の記憶 自伝』(みすず書房、2001)『パレスチナ問題』(みすず書房、2004)『サイード音楽評論』(全2巻、みすず書房、2012)などがある。 *ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。 |
著者略歴(アラ・グゼリミアン) |
(Ara Guzelimian) 1998年9月からカーネギーホールのシニア・ディレクター、芸術顧問。アスペン音楽祭とロサンゼルス・フィルハーモニーの音楽監督もつとめた。有名なカーネギーホール・トークのホストとして、名だたる音楽家たちとの対話を重ねている。 *ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。 |
著者略歴(中野真紀子) |
(なかの・まきこ) 翻訳家。訳書にサイード『ペンと剣』(クレイン、1998)『遠い場所の記憶 自伝』(みすず書房、2001)『オスロからイラクへ――戦争とプロパガンダ2000-2003』(みすず書房、2005)ほか。 *ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。 |