『痛み、人間のすべてにつながる ~新しい疼痛の科学を知る12章 ~ 』の詳細情報
Amazonで予約する
|
タイトル |
痛み、人間のすべてにつながる |
サブタイトル |
新しい疼痛の科学を知る12章 |
著者 [著者区分] | ■モンティ・ライマン [原著] ■塩﨑香織 [翻訳]
|
出版社 |
みすず書房 |
レーベル |
|
本体価格 (予定) |
3200円 |
シリーズ |
|
ページ数 |
336p
|
Cコード |
0040 |
発売予定日 |
2024-11-20 |
ジャンル |
一般/単行本/自然科学総記 |
ISBN |
9784622097389 |
判型 |
46変形 |
内容紹介 |
「痛み」の本質の理解はここ十数年で大きく変わった。17世紀のデカルト以来、「痛みの経路」で多くを説明しようとする古いパラダイムが浸透していたが、最近は脳神経科学と認知心理学を組み合わせた巧みな実験の数々によって知見が深まり、痛みに対処するためのさまざまな実践的アプローチが視野に入ってきた。 痛みは脳でつくられるが、その存在は脳の中だけに閉じてはいない。脳・身体・痛みの関係の本質が新たな常識になれば、より多くの苦痛を軽減することにつながる。本書が啓蒙するのは神経科学以上にそうした本質の認識であり、読み終わるとたしかに、「痛み」と自分の関係が変わっている。 本書では痛みのきわめて多様な側面が取り上げられる。持続性の痛みに対処するために必要なのは、全体論的アプローチだからだ。痛がる脳の最新科学、情動や共感の役割、痛みの社会性、「無痛」の研究、鎮痛薬以外の対処法の展開(認知行動療法から編み物セラピーまで!)……すべての章が、痛みについての新しい理解の扉を開いてくれる。 痛みはあなたを保護する仕組みであり、当事者が痛みに対して主導権を握ることで、痛がる脳はダイナミックに変えられる。読者に手渡されるのは、この知識の力だ。
|
目次 |
本書を読んでいただく前に
プロローグ
1 身体の防衛省 ――そもそも痛みとは何か 2 無痛の五人組 ――痛みを感じないとはどういうことか 3 こっちを向いてよ ――注意をそらすことと想像の力 4 期待の効果 ――プラセボ、知覚、そして予測 5 痛みの意味 ――情動と心理の力 6 痛みなければ益もなし ――苦痛と快楽、そして目的 7 誰かの「痛い」を知覚する ――痛みが伝染する理由 8 心をひとつに ――社会的な痛み 9 信じることで救われる ――信念と枠組み[フレーム] 10 静かなるパンデミック ――持続痛クライシス 11 暴走する脳 ――痛みはなぜ残るか 12 痛みの革命[ペインレボリューション] ――持続痛をめぐる新たな希望
謝辞
推薦の辞――本質の理解と、包括的な疼痛医療のために(愛知医科大学 牛田享宏) 用語集 参考文献 索引 |
著者略歴(モンティ・ライマン) |
皮膚科医。オックスフォード大学医学部リサーチ・フェロー。オックスフォード大学、バーミンガム大学、インペリアル・カレッジ・ロンドンに学ぶ。タンザニアの皮膚病調査についてのレポートで2017年にWilfred Thesiger Travel Writing Awardを受賞。デビュー作The Remarkable Life of the Skin: An Intimate Journey Across Our Surface(Bantam Press, 2019)〔塩﨑香織訳『皮膚、人間のすべてを語る』みすず書房、2022〕は英国王立協会科学図書賞の最終候補作になるなど高い評価を得ている。第二作である本書の原書The Painful Truth: The New Science of Why We Hurt and How We Can Heal(Bantam Press, 2021)の元になったエッセイは英国王立医学協会により疼痛エッセイ賞に選ばれた。オックスフォード在住。 |
著者略歴(塩﨑香織) |
(しおざき・かおり) 翻訳者。オランダ語からの翻訳・通訳を中心に活動。英日翻訳も手掛ける。訳書に、ピーター・ゴドフリー=スミス『メタゾアの心身問題』(みすず書房、2023)、モンティ・ライマン『皮膚、人間のすべてを語る』(みすず書房、2022)、スクッテン/オーベレンドルフ『ふしぎの森のふしぎ』(川上紳一監修、化学同人、2022)、『アウシュヴィッツで君を想う』(早川書房、2021)、アンジェリーク・ファン・オムベルヘンほか『世界一ゆかいな脳科学講義』(河出書房新社、2020)、ほか。 *ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。 |