Amazonで予約する
|
タイトル |
ルソー 透明と障害 新装版 |
サブタイトル |
|
著者 [著者区分] | ■ジャン・スタロバンスキー [原著] ■山路昭 [翻訳]
|
出版社 |
みすず書房 |
レーベル |
|
本体価格 (予定) |
4700円 |
シリーズ |
|
ページ数 |
472p
|
Cコード |
1010 |
発売予定日 |
2024-09-19 |
ジャンル |
教養/単行本/哲学 |
ISBN |
9784622097426 |
判型 |
46 |
内容紹介 |
冒険家、夢想家、作家、政治思想家、音楽家、被迫害者、ジャン=ジャックはそれらの全てであった。スタロバンスキーは、こうした多様な領域にわたるルソーの営為を、厳密なテクストの解読を通して、諸傾向の分散と意図の一貫性の両者のなかに把握する。 ルソーがやむことなくその全生涯を賭して実現しようとしたものは、純粋な自我の確立とその他者による承認であり、それにもとづく人間相互のトータルな理解と交流であり、それこそまさに精神の〈透明〉なのである。ルソーはこのような欲求を疎外するいっさいの〈障害〉に根源的・実存的に対立し、透明なるものを復権しようとする。 スタロバンスキーは、ルソーを崩壊させかねなかった彼の精神的緊張の問題に関心を集中し、その作品群のなかに分け入って、〈透明〉をキイ概念として、精巧で詳細な内面的伝記を構成した。ルソー研究の画期的な業績。
|
目次 |
I 『学問芸術論』 「外観がわたしを罰したのだ」 分割された時間と透明の神話 歴史的知識と詩的幻想 グラウコス神 人間と神を弁明する弁神論
II 社会批判 本源的な純潔 労働、省察、自尊心 革命による止揚 教育による止揚
III 孤独 「いまや自己の意見を定めよう」 しかし統一は自然のものであろうか 内面の矛盾 魔術
IV ヴェールに被われた像 キリスト ガラテアの像 真実暴露(デヴォアルマン)の理論
V ラ・ヌーヴェル・エロイーズ 音楽と透明 哀切(エレジアック)の感情 祭り 平等 経済 神格化 ジュリーの死
VI 誤解 回帰 「ただ一言もいうことができずに」 徴候(シーニュ)の力 愛の交流 エグジビシォニスム 家庭教師
VII 自伝の問題 いかにして自分を描きうるのか すべてを語ること
VIII 病 省察の有罪性 障害 沈黙 無為 植物的友情
IX 終身の禁錮 実現された志向 二つの法廷
X 水晶の透明 審判 「こうしてわたしは地上でただひとりになってしまった」
註 あとがき/再版にあたって |
著者略歴(ジャン・スタロバンスキー) |
(Jean Starobinski) 1920年ジュネーヴに生まれる。最初医学を学び、後に文学を専攻する。ジョンズ・ホプキンス大学、バール大学を経て、ジュネーヴ大学名誉教授。芸術、言語、精神分析などの広い領域にわたって多彩な活動を展開し、ヌーヴェル・クリティクを代表するもっとも権威ある一人。2019年歿。著書は本書とその姉妹篇『モンテーニュは動く』(1982、1993)の他、『モンテスキュー』(1953)『生きた眼』(1961)『自由の創出』(1964)『道化のような芸術家の肖像』(1970)『ソシュールのアナグラム』(1971)『フランス革命と芸術——1789年 理性の標章』(1973)『病のうちなる治療薬』(1989)『絵画を見るディドロ』(1991)『作用と反作用』(1999)『オペラ、魅惑する女たち』(2005)。そのほとんどは邦訳されている。 *ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。 |
著者略歴(山路昭) |
(やまじ・あきら) 1928-2009。神戸に生まれる。東京大学文学部仏文学科卒業。明治大学名誉教授。訳書 V・セルジュ『母なるロシアを求めて』(現代思潮社、1970)、マルセル・ラヴァル『パリの歴史』(共訳、クセジュ文庫、白水社、1957)、ルソー『学問芸術論』(ルソー全集4、白水社、1978)、プーレ『プルースト的空間』(共訳、国文社、1985)ほか。 *ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。 |