『数値と客観性 新装版 ~科学と社会における信頼の獲得 ~ 』の詳細情報
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タイトル |
数値と客観性 新装版 |
サブタイトル |
科学と社会における信頼の獲得 |
著者 [著者区分] | ■セオドア・M・ポーター [原著] ■藤垣裕子 [翻訳]
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出版社 |
みすず書房 |
レーベル |
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本体価格 (予定) |
6200円 |
シリーズ |
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ページ数 |
400p
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Cコード |
1040 |
発売予定日 |
2024-09-19 |
ジャンル |
教養/単行本/自然科学総記 |
ISBN |
9784622097440 |
判型 |
A5 |
内容紹介 |
なぜ「数字は正しい」のか。なぜ数字になると信頼するのだろう。 数値にした瞬間に一人歩きするものは世に多い。GNP、PISA、放射線量。どうして星や分子や細胞の研究で成功した数値化という方法が、社会の事象をあつかうにも妥当と認められるようになったのか。ギリスピーとクーンに学んだ科学史家が、19-20世紀イギリスの保険数理士、フランスの技術官僚、アメリカ陸軍技術団の史実に即して徹底追求。ひるがえって自然科学にとっての数値化の意味を照射する。 ローカルノレッジ(局所的な知識)を越える卓抜な技術としての標準化・定量化。専門家の裁量に不信の目が向けられるとき。エキスパート・ジャッジメントか客観性か。 科学者共同体と社会の鮮やかな政治的・文化的構図を描き、1997年4S(国際科学技術社会論学会)Fleck賞受賞。「日本語版への序」には、東日本大震災とフクシマの原子力発電所事故から2年後の日本の読者にあてたメッセージをふくむ。科学技術社会論をリードする訳者が明快な解題を付す。
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目次 |
日本語版(2013年)への序 序 謝辞
はじめに――客観性という文化
第一部 数の力 第1章 自然記述の技巧の世界 第2章 社会を記述する数値が妥当とされるまで 第3章 経済指標と科学の価値 第4章 定量化の政治哲学
第二部 信頼の技術 第5章 客観性に対抗する専門家――会計士と保険数理士 第6章 フランスの国家技術者と技術官僚の曖昧さ 第7章 アメリカ陸軍技術者と費用便益分析の興隆
第三部 政治的な科学者共同体 第8章 客観性と専門分野の政治 第9章 科学は共同体によってつくられている?
解題 (藤垣裕子) 訳者あとがき 参考文献 原註 索引 |
著者略歴(セオドア・M・ポーター) |
1953年生まれ。カリフォルニア大学ロサンゼルス校歴史学名誉教授。専門は科学史・科学論。スタンフォード大学、プリンストン大学に学び、チャールズ・ギリスピー、トマス・クーンの指導を受ける。1981年、プリンストン大学にてPh.D.(歴史学)取得。82-83年、ビーレフェルト大学学際研究センター「確率革命」研究プロジェクトに参加し、Kruger et al. eds., The Probabilistic Revolution, 2 vols.に執筆。最初の単著The Rise of Statistical Thinking, 1820-1900(〔『統計学と社会認識——統計思想の発展1820-1900年』長屋政勝・近昭夫・木村和範・杉森滉一訳、梓出版社、1995〕)で社会の定量化の歴史を論じ、ついで本書Trust in Numbersにより1997年Society for Social Studies of Science(4S: 国際科学技術社会論学会)のFleck Prize受賞。 |
著者略歴(藤垣裕子) |
1962年生まれ。東京大学大学院総合文化研究科広域科学専攻博士課程修了。学術博士。専門は科学技術社会論・科学計量学。現在、東京大学大学院総合文化研究科広域システム科学系教授。2002-5年Society for Social Studies of Science (4S: 国際科学技術社会論学会)理事。2013-16年、科学技術社会論学会会長。著書に『専門知と公共性——科学技術社会論の構築にむけて』(東京大学出版会、2003)、『科学者の社会的責任』(岩波書店、2018)、共著に『研究評価・科学論のための科学計量学入門』(丸善、2004)、『社会技術概論』(放送大学教育振興会、2007)、『大人になるためのリベラルアーツ(正・続)』(東京大学出版会、2016、2019)、編著にLessons from Fukushima: Japanese Case Studies on Science, Technology and Society(Springer, 2015)、『科学技術社会論の挑戦』I-III(共編、東京大学出版会、2020)など。 |