『批評回帰宣言 ~安吾と漱石、そして江藤淳 ~ 』の詳細情報

批評回帰宣言
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タイトル 批評回帰宣言
サブタイトル 安吾と漱石、そして江藤淳
著者 [著者区分]先崎 彰容 [著・文・その他]
出版社 ミネルヴァ書房 レーベル
本体価格
(予定)
2800円 シリーズ
ページ数 314p Cコード 0095
発売予定日 2024-08-27 ジャンル 一般/単行本/日本文学、評論、随筆、その他
ISBN 9784623096237 判型 46
内容紹介
今、必要なのは、批評である。批評は、「近代システム」に違和感をもち、密着することを拒否しながら、それでもなお刻印される時代の証言である。描くべきは、この居場所のなさ、不確実性に耐える言葉の立ち姿である――。
気鋭の批評家がその新生面を開き、文学にとって「近代」とは何かを問う。安吾、漱石、和辻哲郎、福澤諭吉、中江兆民、そして江藤淳。知の巨人たちとの対話と格闘の軌跡。新しい批評の誕生!
目次
批評回帰宣言――序に代えて
   アイデンティティの政治
   暴力と絶対的自己表現
   「近代システム」とは「虚無」のことである
   魔女はナチズムを生みだす
   ドストエフスキーの示唆
   批評回帰宣言


 第Ⅰ部 戦争と人間

第一章 天皇と人間――坂口安吾と和辻哲郎
 1 天皇は、美しすぎる
   和辻哲郎の戦後
   坂口安吾・吉本隆明という系譜  
   坂口安吾がいた「場所」
   坂口安吾は倫理学者である  
   戦争と美
   暴力について
   坂口安吾の「堕落」  
   政治の美学化
   政治的ロマン主義
   坂口安吾の政治観
 2 天皇と肉体
   日本ロマン派とは何か
   自然主義リアリズムと「人間」  
   日本文学は「離人症」である
   和辻倫理学と天皇  
   人間は、歴史的存在である
   「人間」、この弱きもの

第二章 近代の超克――江藤淳論
 1 文藝批判家にとっての「近代」
   出会い
   日本「と」私
   敗戦体験
   「父」と「母」の不在  
   家族と近代
   三つの問い
   産業化と流動性
   近代の超克の方法  
   石原慎太郎とは何者か
   「もの」のように佇む
 2 江藤淳の描く精神史
   芥川龍之介からの脱出
   近代日本批評の課題
   江藤淳の下降史観  
   夏目漱石と武者小路実篤
   夏目漱石以後
   加藤典洋の「自然」  
   「近代システム」からの脱出方法


 第Ⅱ部 古典回帰宣言

第三章 核兵器はなぜ、ダメなのか――中江兆民『三酔人経綸問答』を読む
 1 中江兆民が生きた時代
   時代背景
   民権と国権
   条約改正と暗殺未遂事件  
   対ロシアの外交観
 2 三酔人の主張を解剖する
   洋学紳士の理想主義
   政治的自由と自立心
   豪傑の客と文明  
   豪傑の客の自己否定
   南海先生とは何者か
   恐怖が戦争を生み出す

第四章 人間・この豊饒なるもの――福澤諭吉『文明論之概略』を読む
 1 『文明論之概略』について
   成立の経緯
   その影響
   福澤諭吉は西洋文明崇拝者ではない  
   アジアを軽視する福澤諭吉像
   どう読むべきか――時代診察と処方箋
 2 福澤諭吉は啓蒙主義者か
   「啓蒙主義者」とは何か
   司馬遼太郎のリアリズム  
   「交際」という言葉
   福澤諭吉の誕生
   近代化=文明化なのか
   狼狽する近代人
   文明とは何か

第五章 グローバル時代の日本人――夏目漱石『門』を読む
 1 二つの広野を彷徨う
   本当に『門』はつまらないのか
   内部崩壊する「近代」
   「冒険者」とは何か
 2 虚無とテロリズムのあいだで
   自然主義と自己絶対化
   石川啄木のニヒリズム
   石川啄木と夏目漱石が見たもの
   「近代」と「国家」のあいだ
   参禅が意味するもの


終 章 新・代表的日本人
   西郷隆盛の影響力
   柳田國男と近代の「死」  
   小林秀雄と江藤淳の自意識
   歴史に参加する

初出一覧
あとがき
人名・事項索引
著者略歴(先崎 彰容)
2024年8月現在
日本大学危機管理学部教授
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