『入門 ポピュラー音楽の文化史 ~〈戦後日本〉を読み直す ~ 』の詳細情報
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タイトル |
入門 ポピュラー音楽の文化史 |
サブタイトル |
〈戦後日本〉を読み直す |
著者 [著者区分] | ■輪島 裕介 [編集] ■永冨 真梨 [編集]
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出版社 |
ミネルヴァ書房 |
レーベル |
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本体価格 (予定) |
2800円 |
シリーズ |
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ページ数 |
330p
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Cコード |
3036 |
発売予定日 |
2024-08-26 |
ジャンル |
専門/単行本/社会 |
ISBN |
9784623097029 |
判型 |
46 |
内容紹介 |
本書は、スターとその楽曲ないしアメリカの影響からの歴史記述ではなく、より多様にポピュラー音楽の歴史を読み直していくための視点と方法をとりあげる。
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目次 |
はじめに
第Ⅰ部 越境
第1章 アメリカの「支那の夜」――太平洋を渡った「極東」の歌(青木 深) 1 「伝説のヒット曲」 2 日本占領・朝鮮戦争の愛唱歌 3 アメリカに渡った「支那の夜」 4 「支那の夜」から「スキヤキ」へ
第2章 いつの日君また来たる――越境する「何日君再来」(西村正男) 1 越境するタンゴ/エキゾチシズム 2 小説・映画への広がりと政治的解釈 3 レコード盤面のクレジットをめぐって
第3章 YMOとゲーム音楽――アフロ=アジアの環太平洋的文化交渉(大和田俊之) 1 テクノオリエンタリズム 2 アフロ=アジア 3 ーム音楽とロボティックな身体
第4章 「倭色歌謡」の規制とトロットの誕生――戦後韓国におけるポピュラー音楽の文化史の一断面(山内文登) 1 ポピュラー音楽における「色分け」とジャンル 2 日韓関係の「六五年体制」と倭色歌謡統制 3 「倭色」の音楽的「検出」と「演歌」言説の越境 4 「トロット」の誕生 5 一九八〇年代のポンチャック論争と倭色歌謡の終焉
第Ⅱ部 現場
第5章 世界歌謡祭からニューミュージックへ――一九七〇年代における「主流」の形成(輪島裕介) 1 主流の変遷――演歌からニューミュージックへ 2 「世界歌謡祭」の誕生 3 ヤマハ音楽振興会のポピュラー音楽戦略 4 『音楽普及の思想』 5 小坂明子「あなた」と「アマチュアリズムの勝利」 6 西洋近代「共通の慣習」の再発明
第6章 スタンダード・ミュージックとしての「Get Wild」――生成過程と社会的価値についての考察(柴台弘毅) 1 スタンダードと懐メロの差異 2 スタンダードをめぐる先行研究 3 「Get Wild」の事例分析 4 スタンダードが生み出す社会的価値
第7章 カラオケ喫茶における「演歌・歌謡曲」の受容――高齢者の音楽実践から考える「戦後日本」の回想(ベニー・トン) 1 はじめに――カラオケ喫茶におけるノスタルジックな音楽実践 2 演歌・歌謡曲に描かれる「古きよき」恋 3 常連客のライフコースからみる戦後日本の社会ジェンダー構造 4 おわりに――再帰的ノスタルジアを通じてカラオケを楽しむこと
第8章 パフォーマンスの場としての温泉地――ツーリズムをめぐる場所性の形成と音楽実践(葛西 周) 1 研究対象としての観光地の音楽 2 温泉地の音楽実践におけるホスト/ゲストの揺らぎ――漂泊するホストたち 3 場所性の共有と地域アイデンティティー――点在する「日本のハワイ」 4 むすびに
第9章 教養を消費するレコード愛好家の「世界」――昭和初期の「蓄音機ファン」の顕在化過程から(大嶌 徹) 1 「洋楽=レコード=教養」の文化史 2 レコード専門雑誌の登場 3 「蓄ファン」というサブカルチャー 4 「世界」に拡張される趣味空間 5 「レコード=教養=道楽」の正統性
第Ⅲ部 ジャンル
第10章 彼らの系譜としての大衆音楽史――日本におけるカントリー音楽の盛衰を事例に(永冨真梨) 1 「アメリカ文化」と彼らの系譜としての大衆音楽史 2 涙を流すカウボーイ灰田勝彦と「いとしの黒馬よ」 3 戦後派カウボーイ――敗戦直後のウエスタン 4 カントリー・ジェントルマン――「脱」戦後期のカントリー&ウエスタン 5 「なぜぼくは“ウエスタン”が嫌いか」――カントリー&ウエスタンの終焉
第11章 起立の規律――ロック・バンドの来日公演にみるスタンディング実践史(忠 聡太) 1 実演空間と観客 2 七〇年代のロック公演にみる起立の明暗 3 指定席からの解放 4 フロアの絶えざる歴史化に向けて
第12章 ジャパニーズ・シティ・ポップのジャンル史(モーリッツ・ソメ) 1 シティ&ビーチ――一九八〇年代シティ・ポップの生態学 2 シティ・ミュージックからシティ・ポップへ 3 シティ・ポップの系譜的「語り」と存在論的間メディア性 4 コーダ――西洋におけるシティ・ポップ受容
第13章 日本人はなんでそんなにタンゴが好きなんだ――日本のタンゴ音楽文化史と「私(self)」のエスノグラフィー(麻場友姫胡) 1 「文化的な荷物」を開封すること 2 日本タンゴ音楽文化史と私の生活史 3 自己・フィールド・他者 4 イギリスに戻って
コラム ドキュメンタリー作品としての録音資料アーカイヴ ――小沢昭一『ドキュメント 日本の放浪芸』(鈴木聖子) 欲望――Hiromiの音楽的歓喜について (ケヴィン・フェレス[永冨真梨・輪島裕介訳])
人名索引 事項索引 |
著者略歴(輪島 裕介) |
2024年8月現在 大阪大学大学院人文学研究科教授 |
著者略歴(永冨 真梨) |
2024年8月現在 関西大学社会学部准教授 |