序 章 鶴見良行の家族写真論から 1 山田太一『岸辺のアルバム』の家族写真 2 家庭写真の歴史主義の時代と芸術主義の時代 3 家族写真と遺影 4 東日本大震災のなかの家族写真
第Ⅰ部 家族写真の来歴と展開
第一章 欧米の家族写真 1 家族肖像画から家族写真へ 2 家族写真の構図とスタイル 3 聖母子像と聖家族像の近代 コラム1 家族写真にみる故人物語――夏目漱石
第二章 日本の家族写真の来歴 1 日本人と写真の出会い 2 日本最初の夫婦写真 3 日本における初期の家族写真 4 幕末・維新期の家族写真 コラム2 家族写真にみる故人物語――与謝野晶子
第三章 日本の家族写真の展開 1 近代日本の定型的な家族写真スタイル 2 権威的な威信財と家族写真 3 戦争期の写真時代 コラム3 家族写真にみる故人物語――斎藤茂吉(1)
第四章 家族写真の変容 1 日本における親子写真 2 子供を中心にした写真へ コラム4 家族写真にみる故人物語――斎藤茂吉(2)
第五章 子供写真と家族写真の存続 1 子供写真のスタイル 2 アマチュア・カメラマンのスナップ写真 3 フォーマル/インフォーマルな写真体験 コラム5 家族写真にみる故人物語――柳田國男(1)
第Ⅱ部 家族写真の写す社会と個人
第六章 天皇の家族写真 1 翻身する天皇とモーリス - スズキの家族写真論 2 戦中と敗戦後の天皇家族写真 3 天皇家族写真の現在と行方 4 原爆と家族写真 コラム6 家族写真にみる故人物語――柳田國男(2)
第七章 アマチュア写真家のスタイル――塩谷定好の抒情派子供写真 1 山陰のアマチュア写真家・塩谷定好 2 塩谷の写真技法と海辺の光景 3 塩谷の子供写真 コラム7 家族写真にみる故人物語――塚本博利
第八章 ドキュメンタリー家族写真――社会生活派の影山光洋 1 社会派カメラマン・影山光洋 2 敗戦前後の影山家の日々と家族写真 3 家族物語と国家物語、そして亡児の故人史 4 影山の家族写真スタイル、故人物語から故人史の編集へ コラム8 東アジアの家族写真――台湾
第九章 家族写真のアート化と変貌 1 深瀬昌久の反家族写真 2 福島菊次郎のドキュメタリー反権力家族写真 コラム9 東アジアの家族写真――韓国(1)
第十章 家族写真スタイルの現在と諸相――多様化/複数化 1 家族の危機と家族の絆の家族写真 2 家族の絆の現状 3 年賀状の家族写真 4 展示される家族写真 5 発掘される家族写真――過去/未来への記憶の共同体を構築する コラム10 東アジアの家族写真――韓国(2)
終 章 故人史を妄想する 1 懐旧的/予期的歴史化による物語創出 2 未完の故人史へ
参考文献 あとがき 人名索引 事項索引 |