『九楊自伝 ~未知への歩行 ~ 』の詳細情報

九楊自伝
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タイトル 九楊自伝
サブタイトル 未知への歩行
著者 [著者区分]石川 九楊 [著・文・その他]
出版社 ミネルヴァ書房 レーベル
本体価格
(予定)
2800円 シリーズ
ページ数 386p Cコード 0010
発売予定日 2024-09-25 ジャンル 一般/単行本/哲学
ISBN 9784623097814 判型 46
内容紹介
書家であり思想家でもある石川九楊。その生涯はいかなるものだったのか。幼少期の書との出会い、大学での時代・社会との終わりなき闘い。そのなかでの恋愛・結婚、会社員と書家との二重生活、そして東京根岸へ……。書家としての表現の模索と超克、〈書く〉ことを〈筆蝕〉の芸術と位置付けた思想家の苦悩と葛藤、さらには多くの人たちとの「出会い・ふれあい・別れ」。戦後の泡沫のような時代を生き、今なお闘い続けるその人生を余すところなく描く。
目次
はしがき――起筆(であい)・送筆(ふれあい)・終筆(わかれ)(『筆蝕の構造』)

第一章 いざ荒野へ――古里人に逆らって我よ菜の花(河東碧梧桐)
   サンパチ豪雪の年の旅立ち
   まるで異国だった京都
   入学後一ヵ月で弁護士を断念
   書道部でのカルチャーショック
   書を介して出会った友人たち
   地塩寮という逃げ場のない共同体
   キリスト教への共感と違和感
   それはポポロ闘争から始まった
   闘争に奔走した日々
   白秋に青春を憶う

第二章 展望なき時代に――二十にして心已に朽ちたり(李賀)
   書と闘争と地塩寮と
   さまざまな思索のなかで
   「逆説」ということ
   京大十一月祭
   加藤登紀子と藤圭子  
   我々は由蘖としてここに起つ
   京都大学界隈放浪記
   法学部入学、書道部中退
   友よ冷たき牢に耐え

第三章 狂喜の時代のなかで――衆人皆酔う我独り醒む(屈原)
   美耶子との出会い
   公安=企業の就職介入
   とりあえず就職はしてみたものの
   幹部らとの対立
   会社員生活と書作活動のはざまで
   由蘖会から花なき薔薇の会へ
   美術権力機構を解体せよ!
   かえせ、ライオンズをかえせ!
   俺が闘っているとき君たちは流されていたじゃないか

第四章 独立後の苦闘――わが神、わが神、どうしてわたしをお見捨てになったのですか(「マルコ伝」)
   「エロイ・エロイ・ラマ・サバクタニ」の制作
   初の作品集『氷焔』
   うまれた時が悪いのか、それとも俺が……
   初めての書評論執筆
   書家デビューと瀬田川畔への転居
   吉本隆明との出会い

第五章 瀬田川畔にて――我や先、人や先、今日とも知らず、明日とも知らず(蓮如)
   日本最大級の巨大羅紋硯を入手
   二十四時間不眠不臥不食の書三昧
   瀬田の唐橋人身事故事件
   「灰色の時代」からの脱却
   石川九楊を書に専念させる!
   京都寺町通ぶらり散歩
   「歎異抄」との出会いと格闘
   筆跡鑑定人として

第六章 書作と著作――唯一人の軍隊による書への反乱、否正規戦(八木俊樹)
   泡沫経済のなかで目撃したこと
   ちっぽけな日本の知識人
   サントリー学芸賞受賞の顛末
   書論三部作と『筆蝕の構造』
   『中國書史』の誕生
   盟兄・八木俊樹のこと
   『二重言語国家・日本』の衝撃
   夭折の天才詩人、李賀の詩を書く
   副島種臣論をめぐる約束
   「芸術新潮」誌上での書道入門企画
   NHK番組「趣味悠々」に出演
   古典への退却から評論文の書作品化へ
   山口県美術展書道入選者ゼロ事件
   書学書道史学会の設立事情

第七章 敗戦の年に生まれて――もう一枚、もう一枚……(母・敏子) 胸を張り上を向いて歩け……(父・平三郎)
   空爆音を胎教音楽として
   幼稚園を一ヵ月で中退
   加光稀巳子先生の教え
   キリスト教との出会い
   父の教えと忘れえぬ思い出
   書との出会いと書き写し事件
   生徒会副会長
   書に目覚めた中学時代
   三十八度線突破、三十八度線突破!
   勝手に学級新聞
   兄と弟、そして高校時代
   異邦人だった藤島高校時代
   記念すべき救急車初乗車日
   大陸と偏西風
   父の遺言

第八章 東京根岸の里で――お互いさまですから……(東京根岸の隣人)
   京都を離れ東京根岸へ
   京都を離れたもう一つの理由
   文化地上げ運動としての全共闘運動
   文芸界援助交際事件とワープロ文学批判
   京都精華大学と文字文明研究所
   近代文学発祥の地、根岸
   共同性に飢えた東京砂漠
   著名出版社の徹底した校正
   日本の文化の聖地、神田神保町

第九章 時代の随伴者として――ここから狂気が始まった(「垂直線と水平線の物語」)
   『書の宇宙』と『一日一書』
   異様な「ゴッド・ブレス・アメリカ」大合唱
   「垂直線と水平線の物語」の衝撃
   集大成試作としての「源氏物語」

第十章 表現の永続革命――奇人、狂人、悪人達が書の美を磨きあげた(『書家101』)
   ほんとうは日本語なんてない
   「二重言語国家」の行く末
   オウムサリン事件
   『近代書史』が大佛次郎賞を受賞
   東日本大震災が東京を襲った
   巨人たちの逝去
   書をめぐる出会いと訣別
   上野の森美術館での「書だ!石川九楊展」
   河東碧梧桐と副島種臣
   二十一世紀を迎えて
   SEALDsというバカ騒ぎ
   書家ということ作品をつくるということ
   町内会から国家へ
   天皇制の根拠を消滅させた宮内庁
   東京オリンピックと商業新聞
   党の旗
   妻を語る

あとがき
著作・作品集一覧
略年譜
人名・事項索引
著者略歴(石川 九楊)
書家・評論家
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