総 説 岸野亮示 インド仏教戒律テキスト概観
第一章 岸野亮示 インドにおける「観化」――チャンダカをめぐる一考察 一、パーリ仏典にあらわれる「チャンダカ」 二、「チャンダカ・ビクシュナ」について 三、「根本説一切有部律」における「チャンダカ・ビクシュナ」 四、漢訳仏典における「観化」について ◇コラム 中国初の漢訳律『僧祇戒心』の噓とまこと(船山 徹)
第二章 八尾 史 写本から見えるもの――律研究におけるサンスクリット語テクストについて 一、律研究と写本 二、「根本有部律」のサンスクリット語写本 三、「根本有部律」写本から見えるもの――プラバーサ王説話に見る「根本有部律」と『喩鬘論』の関係
第三章 青野道彦 お寺は誰のものであるのか?――上座部戒律文献を資料として 一、 居住施設の帰属先に関する従来の見解 二、従来の見解の典拠となった記述の再検討 三、『サマンタ・パーサーディカー』における居住施設の帰属先に関する記述 四、サンガの居住施設と個人の居住施設 五、結論――居住施設の帰属先に関する展望 ◇コラム ジャイナ教の臥座具(堀田和義)
第四章 河﨑 豊 ジャイナ教戒律研究の動向と今度の展望 一、白衣派と空衣派 二、白衣派聖典 三、チェーヤスッタ 四、チェーヤスッタに対する諸注釈 五、ジャイナ教戒律研究の動向1――①チェーヤスッタの校訂・翻訳・訳注研究 六、ジャイナ教戒律研究の動向1――②チェーヤスッタを中心資料とする戒律研究 七、ジャイナ教戒律研究の動向1――③日本における研究状況 八、なぜこのような状況だったのか? 九、注釈文献研究の難しさ? 一〇、ジャイナ教戒律研究の動向2 一一、ジャイナ教戒律研究の動向2――①海外の状況 一二、ジャイナ教戒律研究の動向2――①本邦の状況 一三、ジャイナ教戒律研究のこれから 一四、ジャイナ教戒律に関する書誌情報 ◇コラム 理念と現実(河﨑 豊)
第五章 上田真啓 ジャイナ教出家修行者の戒律と苦行 一、『タットヴァ経』における戒律と苦行 二、諸聖典における振る舞いのルール 三、チェーヤスッタ(チェーダスートラ) 四、『ヴァヴァハーラ』注釈文献における戒律と苦行
第六章 堀田和義 ジャイナ教在家信者の戒律 一、ジャイナ教在家信者の行動規範 二、正しい見解と正しい認識 三、正しい行い①――五つの小さな戒律 四、正しい行い②――三つの徳戒 五、正しい行い③――四つの学習戒 六、理想の死に方としての断食死 七、在家信者の十一の階梯 ◇コラム 戒律研究の意義と面白さ(佐々木 閑)
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