『ひとりぼっちのいない町をつくる ~貧困・教育格差に取り組む大阪・高槻富田の実践に学ぶ ~ 』の詳細情報

ひとりぼっちのいない町をつくる
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タイトル ひとりぼっちのいない町をつくる
サブタイトル 貧困・教育格差に取り組む大阪・高槻富田の実践に学ぶ
著者 [著者区分]■岡本 工介 [著・文・その他]
■志水 宏吉 [解説]
■タウンスペースWAKWAK [著・文・その他]
出版社 明石書店 レーベル
本体価格
(予定)
2300円 シリーズ
ページ数 208p Cコード 0036
発売予定日 2024-05-17 ジャンル 一般/単行本/社会
ISBN 9784750357690 判型 A5
内容紹介
被差別部落において発展したまちづくりの実践を、子どもの貧困等に対応するための、より広域の包摂支援として展開するためには? 大阪・高槻富田を拠点に、社会運動性をコミュニティ・オーガナイジングに取り入れ、多セクター共創で「ひとりぼっちのいない町」づくりを行う一般社団法人WAKWAKの実践を、アクションリサーチを通して論じる。
目次
はじめに――本書のねらいと問題意識、特徴
解題[大阪大学大学院教授:志水宏吉]

序章 問題の背景
 第1節 コロナ禍における不利の連鎖
 第2節 孤立・孤独の問題の顕在化と多セクターによる解決の必要性
 第3節 コミュニティ・オーガナイジング――社会的包摂を実現する際の社会変革の必要性
 第4節 被差別部落を拠点とする社会的企業の萌芽

第1章 富田地区における部落解放運動の歴史と「包摂型のまちづくり」への転換
 第1節 富田地区における部落解放運動の歴史とまちづくり
  1.富田地区の歴史
  2.富田地区の部落解放運動の歴史
  3.富田地区の保育・教育運動の歴史
  4.富田地区のまちづくり運動の歴史
 第2節 一般社団法人タウンスペースWAKWAKの設立と組織の変遷
  1.組織の立ち上げ期
  2.社会的企業としての組織形態の確立
  3.包摂型のまちづくりへの転換
  4.財政基盤の確立
 第3節 この章のまとめ

コラム
 高槻市富田地区の歴史について[村上民雄]
 差別の現実を社会的包摂で超える[岡本茂]
 あと、10年かかるかな~!?[岡井寿美代]
 部落解放運動とまちづくり[内田龍史]

第2章 富田地区における多セクターとの共創による包摂型のまちづくり――社会的不利を抱える子どもたちや家族の包括支援「子どもの居場所づくり事業」
 第1節 計画(planning)
 第2節 実行(Action)
  1.事業実践
  2.実践を通した社会変革のプロセス
 第3節 この章のまとめ
  1.事業の評価および本章で明らかになったこと
  2.次の「実行」へ向けた現状の把握と分析
  3.次の実践へ向けた組織変革

コラム
 「ただいま食堂」を訪問して[野呂瀬雅彦]
 学びの環境としての教育コミュニティ――社会の一員として学び育つ「いまとみらい」[若槻健]
 教育と福祉の連携[髙田一宏]

第3章 高槻市域全域を対象としたネットワークの創出――市域広域包摂的なみまもり・つながり事業「フェーズ1」
 第1節 計画(planning)
  1.計画
  2.社会的インパクト評価の導入
  3.ガバナンス体制および多セクターによる共創の仕組みの創設
 第2節 実行(Aciton)
  1.居場所の包括連携によるモデル地域づくり(全国)
  2.高槻市子どもみまもり・つながり訪問事業(厚労省支援対象児童等見守り強化事業)
  3.実践構築の背景にある社会運動性
 第3節 この章のまとめ
  1.事業の評価および本章で明らかになったこと
  2.次の「実行」へ向けた現状の把握と分析

第4章 高槻市域全域を対象とした官民連携の仕組みの構築――市域広域包摂的なみまもり・つながり事業「フェーズ2」
 第1節 計画(planning)
 第2節 実行(Aciton)
  1.高槻市子どもみまもり・つながり訪問事業(厚労省支援対象児童等見守り強化事業)
  2.居場所の包括連携によるモデル地域づくり(全国)
  3.厚労省ひとり親等の子どもの食事等支援事業
  4.官民連携を生み出すための政治への働きかけ
  5.公助の前進
 第3節 この章のまとめ
  1.事業の評価および本章で明らかになったこと
  2.次の「実行」へ向けた現状の把握と分析

第5章 高槻市域全域を対象とした包摂型モデルの形成――市域広域包摂的なみまもり・つながり事業「フェーズ3」
 第1節 計画(planning)
 第2節 実行(Action)
  1.高槻市子どもみまもり・つながり訪問事業(厚労省支援対象児童等見守り強化事業)
  2.居場所の包括連携によるモデル地域づくり(全国)
  3.子ども家庭庁「ひとり親等の子どもの食事等支援事業」
  4.官民連携を生み出すための政治への働きかけ
  5.創出された官民連携のモデル

コラム
 地域から広がる第三の居場所アクションネットワークの発足[三木正博]
 「地域共生社会」へ[谷川至孝]
 子どもみまもり・つながり訪問事業は虐待防止に役立ったか[田村みどり]
 アウトリーチによる支援構築の重要性[新谷龍太朗]
 居場所の包括連携によるモデル地域づくりが目指したものと当実践の評価[湯浅誠]

第6章 全体のまとめと考察
 第1節 本書を通して見出された知見
 第2節 本書のインプリケーション
  1.部落解放運動がベースとなった支援の独自性と普遍性
  2.多セクターの共創による社会的インパクトの拡大とWAKWAKの役割
  3.支援が届きにくい地域内にある声なきSOSに対しての支援
  4.新たな官民連携の仕組み
  5.社会的企業の可能性
  6.社会運動の必要性
 第3節 今後の課題

 注
 文献リスト

 おわりに
著者略歴(岡本 工介)
一般社団法人タウンスペースWAKWAK業務執行理事兼事務局長、関西大学人権問題研究室委嘱研究員、大阪大学非常勤講師、大阪公立大学非常勤講師、宝塚市人権審議会委員。大阪大学大学院人間科学研究科(修士 人間科学)、社会福祉士。
大阪府高槻市に生まれる。2002年以来、毎年渡米し、20年以上にわたってネイティブ・アメリカン居留区でラコタ族の人々と出会い、ともに生活する中で彼らの伝統的儀式や生き方、自然観に深く触れ、親交を深める。また、放浪の旅の中、様々な国立公園やアメリカ南部を旅し、黒人公民権運動の指導者であるキング牧師のルーツを訪れる。旅の中で“ルーツを大切に生きる生き方”と“Community Of Trees”(様々な木々が育つ森を地域に創る)というヴィジョン(夢)を持ち帰る。現在は、高槻市富田地域に基盤を置き、社会福祉士として社会的包摂のまちづくりに携わる一方で、大学の研究員や非常勤講師、市町村の審議会委員等も務める。
著者略歴(志水 宏吉)
大阪大学大学院人間科学研究科教授。専門は教育社会学、学校臨床学。日本学術会議会員。主な著書は『マインド・ザ・ギャップ』(大阪大学出版会 2016)、『日本の外国人学校』(明石書店 2015)、『学校にできること』(角川選書 2010)など。
著者略歴(タウンスペースWAKWAK)
一般社団法人タウンスペースWAKWAK
「ひとりぼっちのいないまち(社会的包摂)」の実現のため、「富田エリア事業(ローカリティ)」と「中間支援事業(インターミディアリー)」の2つの柱で事業を展開。制度から取り残され、社会から孤立させられる人たちに光をあて、多セクターとの共創により、誰にとっても住みやすいまちを創る。 https://ts-wakwak.com/
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