『エルサルバドルを知るための66章【第2版】』の詳細情報
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タイトル |
エルサルバドルを知るための66章【第2版】 |
サブタイトル |
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著者 [著者区分] | ■細野 昭雄 [著・文・その他] ■田中 高 [著・文・その他]
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出版社 |
明石書店 |
レーベル |
エリア・スタディーズ |
本体価格 (予定) |
2000円 |
シリーズ |
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ページ数 |
388p
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Cコード |
0336 |
発売予定日 |
2024-05-31 |
ジャンル |
一般/全書・双書/社会 |
ISBN |
9784750357720 |
判型 |
46 |
内容紹介 |
冷戦後の復興と民主主義国家建設のケースとして小国ながら国際的に注目されているエルサルバドルは、1992年の和平合意から30年経ち大きく変わりつつある。本書は、変貌するエルサルバドルを政治・経済・社会・文化などの観点から総合的にとらえる。
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目次 |
はじめに
Ⅰ 変貌を遂げる政治と経済
第1章 ブケレ政権の誕生――ポピュリズムの台頭と専制化の兆し
第2章 ARENA政権の20年間――4人の大統領
第3章 漸進的社会変革を目指したサカ大統領――「人間尊重の政府」
第4章 FMLN政権の10年間――2人の大統領
第5章 二大政党制の終焉――ブケレ政権登場の背景
第6章 法の支配の揺らぎ――司法への政治介入と人権保障の停止
第7章 新しい通貨制度――ビットコインの導入
第8章 台湾から中国への外交路線変更――エルサルバドルの思惑
第9章 ハブ機能を高めるエルサルバドル――物流・金融・ビジネスの中心地
第10章 エルサルバドル国際空港――史上最大のメガプロジェクト
第11章 経済政策とFUSADES――国内最大のシンクタンク
第12章 東部地域開発とラウニオン港――政策支援型開発調査の挑戦と課題
第13章 北部横断道路と北部地域開発――発展の起爆剤となる道路建設
第14章 SICA、メソアメリカ・プロジェクト、CAFTA――中米統合のカギを握る
Ⅱ 内戦から復興へ
第15章 内戦の激化――中米紛争の勃発
第16章 内戦の一部始終――国内の3分の1を「支配」していたFMLN
第17章 内戦・災害からの復興――迅速かつ効果的な日本の協力
【コラム1】日本の対中米協力とエルサルバドル
第18章 エルサルバドル和平合意――順調な復興再建、課題は経済社会面の民主化
第19章 急ピッチで進んだ経済再建――ドル経済・自由貿易圏・市場経済化を急ぐ新自由主義経済政策
第20章 和平後の復興をめぐる国際協調の軌跡――共同歩調をとる日米の援助協力
第21章 1994年選挙と日本のPKO参加――内戦終結と社会再建の出発点に立ち会って
第22章 エルサルバドル革命博物館――ゲリラ活動から観光へ
第23章 2009年大統領選挙監視員――国内外から4000人以上が参加
Ⅲ 社会の姿
第24章 14家族は存在するのか――大土地所有から、金融・マキラドーラ・不動産・サービスへと変わる業態
第25章 企業家の挑戦――国際競争と改革への対応
第26章 内戦後の財界――金融資本の交代と商人の台頭
第27章 アミーゴを泣かせない――持続可能なコーヒー作りに取り組む
第28章 国営教育文化テレビ局(カナル10)――エルサルバドル版『プロジェクトX』の誕生
第29章 シャーガス病――感染リスクは中南米で最高水準
第30章 自然災害への支援――“TAISHIN”と“BOSAI”
第31章 地方自治体のゴミ問題への取り組み支援――「福岡方式」による廃棄物処分場と3R
第32章 中米麻薬回廊とマラス――ギャング団「マラ・サルバトゥルチャ」
第33章 プルデンシア・アヤラ(1885~1936)――ラテンアメリカで最初に大統領選挙に立候補した女性
【コラム2】サルバドル女性の社会進出
第34章 活躍する女性たち――どんな困難にも辛抱強く立ち向かう
第35章 コロナ禍のエルサルバドル――ブケレ政権下の緊急事態対応の様子
第36章 エルサルバドルの若者の姿――ギャングに生きる若者と米国に生きる若者
第37章 移民キャラバンのその先に――移民が見つめる故郷エルサルバドル
第38章 ブケレ大統領のギャングとの闘い――エルサルバドル治安改善の背景
Ⅳ 歴史と自然環境
第39章 エルサルバドル共和国の誕生――独立、中米連邦、そして共和国へ
第40章 コーヒー共和国――少数の大富豪と大多数の極貧農民という社会
第41章 1932年の大虐殺事件――長期軍事政権発足の端緒
第42章 長期化した軍事政権の背景――軍部派閥型政治が生んだ激しい政権交代
第43章 エルサルバドルの思想家――ダルトン、ロメロ、マスフェレールの闘い
第44章 エルサルバドルの人と自然――中米一人口稠密な火山国
第45章 「イサルコ火山」と「ルタ・デ・ラス・フローレス」――太平洋の灯台と花街道
第46章 貝の国――貝紫でエルサルバドルを知る
【コラム3】アカフトラ港
Ⅴ 豊かな芸術と文化遺産
第47章 エルサルバドル遺跡案内――マヤ文化の痕跡
第48章 チャルチュアパ遺跡群――日本の考古学調査と国際協力
第49章 ホヤ・デ・セレン――新大陸のポンペイ
第50章 甦ったマヤのブルー――火山灰のなかから発見された藍の沈殿槽
第51章 『星の王子さま』の故郷――コンスエロの情熱が生んだ作品
第52章 伝説と文学――「泣き女」とルベン・ダリオの師
第53章 エルサルバドルの先住民――ピピル族とシピティオ伝説
第54章 ナワ-ピピル語――最南端のナウァ系言語
第55章 映画『サルバドル』と『イノセント・ボイス』――内戦の実相を描く
【コラム4】クラブ・カンペストレで出会った人々
Ⅵ 日本とエルサルバドルの深い絆
第56章 日本との架け橋となった人びと――日本への強い関心と理解からエルサルバドルを見つめ直す
第57章 学生中米親善見学団――若人の夢の1歩
第58章 青年海外協力隊――中南米で最初の受け入れ国
第59章 ワルテル・ベネケ――真の愛国者で大の日本贔屓
第60章 国立コーヒー研究所――世界屈指の水準を誇る
第61章 インシンカ事件の背景――誘拐されて過ごした114日間
第62章 日本・エルサルバドル修好70周年――さらに進む関係緊密化
第63章 ユサ社の軌跡――戦後最初の日本の海外進出
第64章 日系企業がもたらす「価値」――多国籍企業が展開する事業活動という名の国際協力
第65章 コロナ禍のJICA協力――国連総会で表明された日本への感謝
第66章 開発コンサルタントのみたエルサルバドル――時計の振り子を超えて
参考文献案内 |
著者略歴(細野 昭雄) |
国際協力機構(JICA)緒方貞子平和開発研究所シニアリサーチアドバイザー。
1962年、アジア経済研究所、66年、国連ラテンアメリカ・カリブ経済委員会(ECLAC, CEPAL)。76年、筑波大学社会工学系、2000年、神戸大学経済経営研究所、03年、在エルサルバドル共和国大使、08年、政策研究大学院大学教授、11年国際協力機構緒方貞子平和開発研究所長を経て、13年から現職。
【主要著書】
『APECとNAFTA――グローバリズムとリジョナリズムの相克』有斐閣、1995年
『チリの選択 日本の選択』(共編著)毎日新聞社、1999年
『ラテンアメリカ多国籍企業論』(共編著)日本評論社、2002年
『ラテンアメリカにおける政策改革の研究』(共編著)神戸大学経済経営研究所、2003年
『ラテンアメリカ経済論』(共編著)ミネルヴァ書房、2003年 |
著者略歴(田中 高) |
中部大学国際関係学部教授。
1983年から85年、在ホンジュラス、エルサルバドル国連開発計画(UNDP)事務所プログラムオフィサー。85年から87年、在ニカラグア日本大使館専門調査員。四日市大学を経て現職。ハバナ大学客員研究員、オハイオ大学客員教授。
【主要著書・論文】
『日本紡績業の中米進出』古今書院、1997年
『ラテンアメリカ経済史』(共訳)名古屋大学出版会、2001年
『砂糖のグローバル・イシュー』(成文堂より近刊予定) |