『コンゴ民主共和国を知るための50章』の詳細情報

コンゴ民主共和国を知るための50章
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タイトル コンゴ民主共和国を知るための50章
サブタイトル
著者 [著者区分]■木村 大治 [著・文・その他]
■武内 進一 [著・文・その他]
出版社 明石書店 レーベル エリア・スタディーズ
本体価格
(予定)
2000円 シリーズ
ページ数 328p Cコード 0336
発売予定日 2024-07-11 ジャンル 一般/全書・双書/社会
ISBN 9784750357782 判型 46
内容紹介
1990年代初めまでコンゴ民主共和国(当時ザイール)の研究は盛んに行われ、豊かな自然や生活文化が紹介されたが、90年代以降コンゴ東部の紛争や鉱物資源問題、安定しない政治体制等でコンゴ国内は混乱を極め、一時調査ができない状況になったものの、近年では再び注目が集まっている。魅力と課題、そして未来がつまったはじめてのコンゴ民主共和国入門書。
目次
 はじめに
 表記について
 コンゴ民主共和国と周辺諸国
 コンゴ民主共和国 基礎情報

Ⅰ 自然・地理

第1章 コンゴ国家の領域――コンゴ川水系とコロニアルな思惑
第2章 コンゴ盆地の地形・地質、コンゴ川の形成――コンゴ盆地独特の地史とその生態系への影響
第3章 コンゴ盆地熱帯林の生態――マメ科が優占する種多様性の低い森林
第4章 ボノボが暮らすワンバの森の植生――熱帯林がもたらす豊かな食物資源
第5章 コンゴ盆地の固有種ボノボ――メスの進化が意味するもの
第6章 バリ(Mbali)のボノボ研究――ゴリラと同じ草原生態系に暮らすボノボの不思議
第7章 ゴリラの研究と保護の狭間で――チンパンジーと共存していたゴリラたち
第8章 タンガニーカ湖の魚――生態と進化の謎を探る
第9章 ボノボの住む熱帯雨林の空洞化――コンゴ戦争と世代交代がもたらしたもの
第10章 コンゴ民主共和国のREDD+――森林のモニタリングとREDD+活動
第11章 コンゴ民主共和国における自然保護活動――グローバリゼーションで先鋭化する開発と複雑化する自然保護
第12章 コンゴ民主共和国におけるエボラ出血熱――その現状と対策
第13章 コンゴ民主共和国のエイズ――HIV-1の起源に関する未解決の謎

Ⅱ 歴史

第14章 コンゴ自由国からベルギー領コンゴへ――ヨーロッパ人中心の国づくり
第15章 『闇の奥』の現代性――グローバル化された世界の光と闇
第16章 コンゴ動乱の歴史過程――独立、混乱から内戦へ
第17章 コンゴ動乱に対する国際的対応――大国と国連の干渉
 【コラム1】ルムンバ
第18章 モブツ政権期(1965~1997年)――国家統一から内戦へ
第19章 カビラ父子政権期(1997~2018年)――紛争終結と東部での継続
第20章 ジョゼフ・カビラ政権末期以降の混迷する政治動向――チセケディとカビラの「結婚」と「離婚」劇
 【コラム2】チセケディ父子とUDPS

Ⅲ 文化・社会

第21章 コンゴ民主共和国の言語――多様な民族語と地域共通語、フランス語の多言語使用
第22章 言葉の森――現地語語彙集を編む
 【コラム3】ボンガンドの景観語彙
第23章 コンゴ河の旅――カオスの船に揺られ、苦行のさなかにゆるしを学ぶ
 【コラム4】喧騒と人混みの街、キンシャサ
第24章 キンシャサ・ロック――苦しければ、踊れ!!
 【コラム5】リンガラ・ミュージックで何が歌われているか
 【コラム6】コンゴと音楽
第25章 ボノボに対する摂食タブーの変遷――保護区内外での住民の〝ボノボ観〟に着目して
第26章 森の英雄神話――ソンゴーラ人の口頭伝承
第27章 ピグミーと農耕民――しなやかな共生
第28章 ペサ・ンガイ――コンゴ社会における要求と対等性

Ⅳ 生業・経済

第29章 ムブティ・ピグミー――森の民の狩猟と採集
第30章 コンゴ中部熱帯林の生業複合――幅広く、何でもやる
第31章 熱帯林の食文化――緑のサハラからの1万年史
 【コラム7】コンゴ盆地の森の地酒を訪ねて
第32章 コンゴ東部の経済――多様な生業と観光
第33章 コンゴ東部の農業――プランテーション農業と焼畑農業
第34章 キンシャサでブタを飼う――メガシティでの新たな生き方
第35章 河の民ロケレ――キサンガニ西方の交易活動
第36章 森林地域と都市の市場のつながり――人の移動と商品の流通
第37章 鉱物資源を売って魚を買う――鉱山都市住民の経済活動
第38章 統計で見るマクロ経済の変遷と実体経済――フォーマルとインフォーマル

Ⅴ 政治・国際関係

第39章 コンゴ紛争総説――国際関係の視点から
 【コラム8】1998年コンゴ紛争勃発時の脱出記
第40章 武装勢力――紛争主体たちの系譜
第41章 コンゴ紛争と難民――国境を越えて連鎖する悲劇
第42章 コンゴ東部に対する紛争予防・平和構築の試み――北キヴ州の紛争地域を中心とする日本と国際社会の平和構築支援
 【コラム9】バニャムレンゲはコンゴ東部紛争をどう見ているか
第43章 紛争鉱物問題――規制の取り組みとロンダリングの課題
第44章 紛争と性暴力――婦人科医ムクウェゲ医師の救済活動
第45章 南アフリカに新天地を求めるコンゴ人――30年にわたる軌跡と現在
第46章 ルワンダとの関係――バニャルワンダとバニャムレンゲ
第47章 コンゴ北東部におけるウガンダとの関係――対立から協力へ?

Ⅵ 日本との関わり

第48章 1930年代のコンゴ盆地と日本――ベルギー領コンゴへの日本品輸出
第49章 コンゴと日本の開発協力――開発課題は膨大。しかし人的資源に希望の光が
第50章 小学校建設・学校運営を通じての持続的な関係性構築――コンゴでの暮らしから生まれる共感と協働
 【コラム10】カオス発のデジタルヘルス革命

 コンゴ民主共和国をもっと知るための参考文献
 おわりに
著者略歴(木村 大治)
京都大学名誉教授。
1960年生まれ。京都大学大学院理学研究科博士課程修了、理学博士。専門は人類学、アフリカ地域研究、コミュニケーション論。著書に『共在感覚――アフリカの二つの社会における言語的相互行為から』(京都大学学術出版会、2003年)、“Lexique longando ロンガンド語彙集”(共著、Research Institute for Languages and Cultures of Asia and Africa, Tokyo University of Foreign Studies, 2023)、編書に『森棲みの生態誌――アフリカ熱帯林の人・自然・歴史 Ⅰ』『森棲みの社会誌――アフリカ熱帯林の人・自然・歴史 Ⅱ』(共編、京都大学学術出版会、2010年)、“Present Situation and Future Prospects of Nutrition Acquisition in African Tropical Forest” (African Study Monographs Supplementary Issue 51, 2015)、“B…
著者略歴(武内 進一)
東京外国語大学現代アフリカ地域研究センター教授。
1962年生まれ。東京外国語大学外国語学部卒。東京大学博士(学術)。専門は、アフリカ研究、国際関係論。日本貿易振興機構アジア経済研究所を経て現職。著書に『現代アフリカの紛争と国家――ポストコロニアル家産制国家とルワンダ・ジェノサイド』(明石書店、2009年)、編著書として『ブラック・ライヴズ・マターから学ぶ――アメリカからグローバル世界へ』(中山智香子との共編、東京外国語大学出版会、2022年)、African Land Reform Under Economic Liberalisation: States, Chiefs, and Rural Communities. (Springer, 2009)、『現代アフリカの土地と権力』(アジア経済研究所、2017年)、『紛争・対立・暴力――世界の地域から考える』(西崎文子との共編、岩波ジュニア新書、2016年)などがある。
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