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タイトル |
秋田 |
サブタイトル |
環日本海文明への扉 |
著者 [著者区分] | ■伊藤 俊治 [著・文・その他] ■石川 直樹 [写真]
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出版社 |
亜紀書房 |
レーベル |
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本体価格 (予定) |
3600円 |
シリーズ |
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ページ数 |
384p
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Cコード |
0010 |
発売予定日 |
2024-10-18 |
ジャンル |
一般/単行本/哲学 |
ISBN |
9784750518565 |
判型 |
A5 |
内容紹介 |
【推薦】中沢新一さん
「列島の北の果て、日本の奥の奥へとつながっている秋田は、一つの独自の宇宙をつくりなしてきた。そこを原郷とする写真論の思想家は、愛情をこめて、土地の細かな襞々を克明にたどり、忘れられかけた歴史の記憶を呼び覚ましながら、広大にして深々とした、魂の秋田ジオラマを描き出した。」
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古来、蝦夷と大和朝廷の境界に位置した秋田は、松尾芭蕉が『奥の細道』で辿り着いた北の到達点にして、日本海特有の哀愁を漂わせる、歌枕の聖地であった。
北限の秋田。先は魑魅魍魎が跋扈する未開の地……
しかし、「文明」の行き止まりとされたその地こそ、日本海以北の海を挟んで、大陸や島々の人々が行き交う北方民族たちの文化ネットワークへの玄関口であった。
異国から来訪する「マレビト」が起動する文化変容。
厳寒の雪国で洗練されていく精神と美意識。
従来の枠を超えて美術/写真史を論じてきた美術史家が、故郷・秋田を歩きながら、その風土の深層へと分け入り、日本文化の底流にある異形の風景を鮮やかに現前させる。
日本のもうひとつのルーツを解き明かす「裏日本史」。
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目次 |
第1章 旅する光陰 ──その奥の奥の細道──
1.北限の岬
2.循環する聖水
3.松尾芭蕉と海に漂う島々
4.集積する詩学
5.旅に死すこと
6.旅人の秋田
7.蝦夷島の影 蝦夷島の影
8.アイヌとの交流
9.旅を揺り動かす
10.フィールドワークの先駆者
第2章 北海の彼方へ ──流刑地民族学の視点から──
1.日本海という孵化場
2.秋田の登場
3.渤海と粛慎
4.樺太への道
5.流刑地を延長する
6.流刑地民族学へ
7.鳥居龍蔵と源泉としての北方
8.北緯40度ノート
9.心は淋しき旅人
第3章 雪国の民俗 ──伝承の意味──
1.蘇る写真
2.ナマハゲと梵天
3.民俗学写真の精髄
4.風と土を彫る
5.秋田パノラマを開く
6.雪国の衝動
7.日本の奇跡
8.トンネルの向こう側
第4章 縄文の粒子 ──四次元の秋田──
1.岡本太郎の秋田
2.馬と牛、縄文と弥生
3.雪の結晶と遮光土器
4.ドキュマンを探して
5.マルセル・モースの弟子たち
6.縄文とアイヌ
7.人種の波動
8.蓑虫山人と縄文仮面
9.ストーンサークルの秘密
10.縄文のネットワーク
11.四次元の秋田
第5章 宇宙から降るデザイン ──雪の家から秋田工芸まで──
1.白井晟一の温泉建築
2.郷土建築とモダニズム
3.風土をかたちに
4.白井晟一と縄文的なもの
5.今和次郎と雪との戦い
6.ペリアンのデザイン改革
7.秋田から沖縄へ
8.木地師たちの光跡
9.原型の夢
10.宇宙へ降り積もってゆく
第6章 秋田原郷 ──その風土と世界性──
1.故郷と幼年時代の思い出
2.日本海の文物交流
3.黒水靺鞨からナナイへ
4.ツングース系諸族のゆくえ
5.謎のオホーツク文化
6.菅江真澄とブルーノ・タウト
7.冬を美的に解決する
8.カントの風土
9.人間学と自然地理学
10.「世界=故郷」を愛するということ
第7章 秋田街道を超えて ──雪の果ての銀河──
1.宮沢賢治が歩いた秋田街道
2.銀河と月光
3.セールスマンの哀しみ
4.秋田蘭画への道
5.漂泊の絵画
6.角館の悲劇
7.雪の涯の風葬
8.組石からマタギへ
9.旅マタギと漂流民
第8章 白い神々の憑依 ──オシラサマとシャーマニズム──
1.「秋田風俗問状答」とネフスキー
2.巫女のオシラ遊び
3.イタコの口寄せ
4.馬産と養蚕
5.「遠野物語」から「捜神記」へ
6.アイヌ文化との関わり
7.オヒナサマを透視する
8.白山信仰の源流
9.ツングース民族大移動
10.稲と白山信仰
11.渡り神としてのオシラ様
12.シャーマニズムの本源
第9章 春くる鬼 ──異人たちの饗宴──
1.折口信夫と蝟集する霊
2.マレビトの変容
3.鬼神と鬼門
4.漂流する仮面
5.島から半島へ
6.兄弟の半島
7.日本海の龍神
8.ホカヒビトとマレビト
9.流浪する神
第10章 風の身体 ──土と光の記譜法──
1.天空の不夜城
2.蝦夷から武士へ
3.踊る秋田
4.闇から放たれた流星
5.風土と神話
6.亡者の舞踏
7.黄金の穂波
8.秋田の呪術師
9.身体風土の記譜法 |
著者略歴(伊藤 俊治) |
1953年秋田県土崎生まれ。東京大学文学部美術史学科卒業、同大学院人文科学研究科修士課程修了。東京藝術大学名誉教授。専門の美術史・写真史の枠を越え、アートとサイエンス、テクノロジーが交差する視点から多角的な評論活動を行う。『ジオラマ論』(リブロポート、ちくま学芸文庫)でサントリー学芸賞を受賞。展覧会企画に「日本の知覚」(グラーツ)、「移動する聖地」(ICC)、「記憶/記録の漂流者たち」(東京都写真美術館)など。著書に『写真都市』 (冬樹社)、『トランス・シティファイル』(INAX)、『生体廃虚論』(リブロポート)、『電子美術論』(NTT出版)、『バリ芸術をつくった男』(平凡社新書)、『増補 20世紀写真史』(ちくま学芸文庫)、『バウハウス百年百図譜』(牛若丸)ほか多数。 |
著者略歴(石川 直樹) |
1977年東京世田谷生まれ。東京藝術大学大学院美術研究科博士後期課程修了。人類学、民俗学への関心を深め、辺境から都市まであらゆる場所を旅しながら、作品を発表する。2008年『NEW DIMENSION』(赤々舎)、『POLAR』(リトルモア)により日本写真協会賞新人賞、講談社出版文化賞、2011年『CORONA』(青土社)により土門拳賞、2020年『EVEREST』(CCCメディアハウス)、『まれびと』(小学館)により日本写真協会賞作家賞を受賞。著書に、開高健ノンフィクション賞を受賞した『最後の冒険家』(集英社)、『地上に星座をつくる』(新潮社)ほか多数。 |